平成1929日目

平成6年4月20日(水)

1994/04/20

【自由党】旗揚げ

自民党を離党した柿沢弘治衆院議員ら7人が20日午前、新党「自由党」(党首・柿沢氏)を旗揚げした。国会近くの憲政記念館で記者会見し、政治理念や政策などを発表した。自民党の会派異動届提出を待ち、衆院新会派として届け出る。

メンバーは、柿沢氏とともに自民党の政策集団「リベラルズ」に所属していた太田誠一、新井将敬、佐藤静雄、山本拓、米田建三氏の各氏と無所属の高市早苗氏。党代表幹事には太田氏が就任。結党宣言では「自民対非自民の不毛な政治対立の構図を打ち崩し、自由と責任を基本理念にニュー・リベラリズムを目指したい」としている。

連立与党をはじめ他の各党・各会派とは当面、等距離を保つとしており、首相指名選挙では「独自行動をとることもあり得る」(柿沢氏)としている。

柿沢氏は自民党の渡辺元外相との関係について「共鳴しつつ、応援するが、新党としてスタートした以上は新しい枠組みづくりに取り組みたい。渡辺氏の受け皿づくりとは受け取られたくない」と、一線を画する姿勢を示した。

同党は今後、党員獲得に力を入れる方針で、衆院内会派「自民党・自由国民会議」に離脱届を出した中村力氏とは統一会派を組む方向で話を進める。《共同通信》



【連立与党】首相指名先送り

「羽田新政権」に向けて連立与党は20日、代表者会議を断続的に開き税制改革と安全保障についてぎりぎりの調整を行った。しかし間接税引き上げ問題で社会党と他党との対立が続き、合意できなかった。羽田副総理兼外相(新生党党首)擁立を決める党首会談も開けず、首相指名選挙の衆参両院本会議は22日以降に先送りとなった。

社会党が「現行消費税の廃止・新税創設・国民の合意」などを条件に間接税引き上げを容認したものの、新生党などは内容があいまいとして「国民の合意」などを抜いた妥協案を提示した。しかし社会党は同意できないとして21日に協議を持ち越した。

午後3時すぎからの代表者会議で、新生党などは「直接税の軽減措置や現行消費税の改廃を含め、間接税の税率引き上げを中心とした税制の抜本改革について6月中に結論を得て、本年中に法案を成立させる」との「最終妥協案」を示した。

社会党は同夜の臨時中執委で検討したが、午前中に同党がまとめた対案に比べ①消費税廃止が明確でない②国民の合意が削除されているーなどから受け入れられないとの立場を確認した。

この後の代表者会議では、各党とも合意を目指しさらに努力することを申し合わせた。双方とも前日からは歩み寄ったものの、社会党は党の基本線は譲れないとしている。新生党などもこれ以上妥協できないと主張、合意にはなお時間がかかりそうだ。

安全保障問題では「国連による安全保障(集団的措置)を理念とし(中略)国一連の平和活動に積極参加」との原案を、「国連による普遍的安全保障を理念とし」と修正することになった。憲法で認められていない集団的自衛権と紛らわしいとする社会党の主張で、各党が譲歩し「(集団的措置)」を削除したものだ。

社会党はさらに朝鮮半島情勢に関連、緊急時には「日米」「日韓」に加え「日中」とも緊密に連携するよう求めた。しかし中国は立場が違うとして他党は反対している。《共同通信》

【政界談話室】

○…細川首相は20日、首相官邸を一目見たいと訪れた、おひざ元の東京都議会の日本新党所属議員とその夫人ら30人余りを中庭に案内、夫人らから求められるままに写真撮影に応じた。入り乱れての慌ただしい撮影にもかかわらず首相は笑顔を絶やさず精いっぱいのサービス。撮影終了後も「あの屋根には英知の象徴のミミズクの焼き物があるんですよ」と一緒に屋根を仰いでみたり、焼い弾が落ちた跡を指し示してガイド役を務めた上に「時間が許せば官邸内を歩いて行ってください」と最後まで至れり尽くせり。

○…この日、与党内の基本政策の最終調整を見守っていた羽田副総理兼外相は「大事なことだからじっくりやればいい」と表面上はゆったりとした構え。外務省で会談したニュージーランドのマッキノン副首相兼外務貿易相から「羽田さんが首相になるやに聞いている。こんな時期に時間を割いてもらいありがたい」とあいさつされると「4年前に貴国に行ったとき、翌日貴国の政権交代があった」と因縁を披露し首相当確の余裕をちらり。しかし「明日午後、日本をたつまでに新首相を見届けられればうれしいのだが」と探りを入れられると調整難航中だけに思わず苦笑い。《共同通信》

【細川護熙首相】「官僚に利用された」

細川首相は20日夜、都内のホテルに武村官房長官、鳩山官房副長官を招き、「お別れ夕食会」を開いた。首相は、特に国民福祉税構想の経緯に触れ、「自分は官僚に対して力で抵抗しようと思ったが、十分でなかった。福祉税などは官僚に流されてしまった」「大」蔵省を利用していろんなことをやろうとしたが、結果的に利用された」と愚痴をこぼしたという。

武村氏が「福祉税発表の記者会見をしなければよかったのに」と水を向けると、首相も「会見を一日待てばよかった」などと述べた。首相は、在任中ご法度だった「ゴルフやカラオケにも行きたい」と話したともいう。首相官邸トリオにとってほろ苦い夕食会のようだった。《共同通信》



4月20日のできごと