2002 平成14年9月29日(日)　北朝鮮による日本人拉致事件・政府調査団が本格始動

平成5013日目

2002/09/29

この日のできごと(何の日)

【北朝鮮による日本人拉致事件】政府調査団が本格始動

北朝鮮による日本人拉致事件の真相究明のため平壌入りした政府調査団(団長・斎木昭隆外務省アジア大洋州局参事官)は29日、現地での活動を本格化させた。被害者家族には途中経過を連絡せず、10月1日の帰国後速やかに内閣官房に設置した「支援室」から調査結果を報告する段取りだ。

調査団は、北朝鮮側から通知のあった生死の情報を「確認もせずに確定的に伝えた」(被害者家族の1人)と批判を受けたことから、情報管理に細心の注意を払っている。

9月17日の日朝首脳会談の際に示された4人の生存者や、「死亡」したという横田めぐみさんの「娘」の本人確認を目指す。警察庁のリストにはなかった「5人目の生存者」とされる女性とも面会予定で、新潟県・佐渡島の曽我ひとみさん=失跡当時(19)=と確認されるかが焦点だ。

生存者が本人と確認できれば帰国意思を聞くが、「北朝鮮国内で自由に意思表示できるのか」との指摘もある。
一方、「死亡」と通知した8人の死因について北朝鮮側は「病死、自然災害等」としているが、調査団は個々のケースごとに拉致状況、現地での生活実態、死因などの説明を受け、資料収集を行っているとみられる。

北朝鮮側が(1)死亡を通知した田口八重子さん=失跡当時(22)=について、大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫・元工作員の証言通りに日本語教育係「李恩恵」だったことを認めるか(2)有本恵子さん=同(23)=らの拉致で「よど号」犯グループ関与について見解を示すか(3)金正日総書記が明言した拉致事件関係者の処罰をどう説明するか–もポイントだ。《産経新聞》

【J1】

Jリーグ第2ステージ第6節最終日(29日・札幌ドームほか=2試合)前節まで首位の磐田が延長戦の末に札幌を1−0で下し、勝ち点を14としてトップを守った。磐田は圧倒的に攻めながら決め手を欠いたが、延長前半6分、中山がVゴールを決めた。磐田は勝ち点13で追う浦和に1差。札幌は1分けの後、5連敗。京都は黒部の2ゴールで広島に快勝し、5位に浮上した。《共同通信》

【ベルリン・マラソン】高橋尚子選手、独走で2連覇

第29回ベルリン・マラソンは29日、3万人を超えるランナーが参加してベルリンで男女同時スタートで行われ、女子はシドニー五輪金メダリストの高橋尚子(積水化学)が2時間21分49秒で2連覇。高橋は2度目のマラソンだった1998年の名古屋国際以来、マラソン6連勝となった。アドリアナ・フェルナンデス(メキシコ)が2時間24分11秒で2位だった。

2時間19分46秒の当時の世界最高記録をマークした昨年のこのレース以来、1年ぶりのマラソンとなった高橋は、スタートからフェルナンデスの背後につけ、24キロすぎに前に出た後は差を広げ、独走でゴールした。

高橋は来年のパリ世界選手権代表を目指して、11月の東京国際女子マラソンに出場予定。世界選手権で、日本の最上位となりメダルを獲得すれば、五輪代表に内定する。《共同通信》

【シーガイア】「オーシャンドーム」休止

経営再建中の宮崎市の大型リゾート施設「シーガイア」のシンボルともいえる世界最大級の室内プール「オーシャンドーム」が29日、最後の営業日を迎え、約9年間の歴史にいったん幕を下ろした。シーガイアを運営するフェニックスリゾートにドーム自体を解体する考えはなく、年内には新たな営業形態について結論を出す方針。

オーシャンドームは1993年7月にオープン。幅100メートル、長さ300メートル、高さ38メートルと世界最大級の規模を誇ったが、維持費などの負担がかさみ、昨年2月の経営破たんの一因となった。年間約7億円の損失を出しており、今年3月、9月末での営業休止を決めていた。

シーガイアは、運営していた宮崎県などが出資する第三セクターが破たん、米投資会社リップルウッド・ホールディングスに買収され、再建を進めている。《共同通信》

【東京モノレール】ドア開かず3人降りられず

29日午後5時12分ごろ、「東京モノレール」(東京都港区)の浜松町発羽田空港行きモノレール(6両編成)が、昭和島駅(大田区)で、運転士がドアを開けるのを忘れ、乗客3人が降車できなかった。

同社によると、同モノレールは、昭和島駅で停車後、運転士が運転席後ろの遮光幕を下げることに気を取られ、ドアを開けるのを忘れたという。当時、乗客は約150人。昭和島駅で降りられず、1つ先の整備場駅(大田区)で降りて昭和島駅まで戻った乗客が駅員に通報した。同社はコスト削減のため、28日から車掌を廃止、運転士がドアの開閉作業も行っている。《時事通信》

【民主党・前原誠司前幹事長代理】鳩山代表を批判

民主党の前原誠司・前幹事長代理は29日、都内で記者団に対し、今後の党運営次第では来年1月の党大会で鳩山由紀夫代表の交代を求めていく考えを明らかにした。次期党大会を「(代表交代を判断する)一つのポイントになる」とした上で「執行部が緊張感を持つような固まり(グループ)をつくり、執行部を突き上げていく」と語った。

前原氏は、党内の各旧党派グループ幹事を起用した党執行部人事は「流れから逆行している」と批判。「自民党だって選挙に勝てない森喜朗前首相を代えた。政権が取れず支持率も上がらないなら、任期以内に新たな代表を選び直さなければいけない」と強調した。《共同通信》

【日中国交正常化30年】

日中国交正常化の共同声明に調印してから30周年に当たる29日、北京の日本使公邸で祝賀レセプションが開かれた。橋本龍太郎元首相、中国の銭其琛副首相らが記念日を祝い、日中関係の一層の発展を誓った。

銭副首相は国交正常化30周年の日中関係について「いくつかの問題は避けられないが総合的には発展の方向にある。前途は明るい」と述べ、両国関係の将来に自信を示した。

銭副首相は中国共産党政治局員も兼ねており、外国の大使公邸を訪れるのは異例。28日の人民大会堂でのレセプションにも胡錦濤国家副主席ら次世代のリーダーが顔をそろえており、中国は一連の記念行事で対日関係重視の姿勢をあらためて強調した。

公邸では銭副首相が橋本元首相、阿南惟茂駐中国日本大使の案内で広い日本庭園を散策。銭副首相は米国特使の北朝鮮訪問問題を話題にして橋本元首相と意見交換し、中国の日朝・米朝関係の動向に対する関心の高さを示す一幕もあった。《共同通信》

【イスラエル・パレスチナ情勢】

イスラエル軍は29日午後、ヨルダン川西岸のラマラにあるパレスチナ自治政府議長府の敷地内から撤退、議長官邸でのアラファト議長の監禁は10日ぶりに解除された。これに先立ち、イスラエルのシャロン首相は同日朝の主要閣僚との協議で、軍撤退と議長府の包囲解除を決定していた。

議長の身に危険が及びかねない事態はいったん回避されたが、イスラエル軍は撤退後も官邸内にいるテロ容疑の指名手配者を逮捕するため、議長府近くに監視所を設け兵士を駐留させるとしており、議長府は引き続き軍の監視下に置かれることになる。

アラファト議長は監禁解除後の同日午後、記者団に対し「これは撤退ではない。数メートル移動しただけだ。彼らは国連安全保障理事会を欺こうとしている」と非難、自治区全域で2年前の武力衝突開始以前の地点までの軍撤退を求めた安保理決議を完全履行するよう要求した。

議長の監禁解除は、軍の即時撤退を求める米国のブッシュ政権の強い要求に応え、国際的な批判を回避するための措置。ブッシュ大統領はシャロン首相に親書を送り、議長府の包囲解除を要求していた。イスラエルが指名手配している官邸内のパレスチナ人の身柄拘束のため、官邸を包囲していた軍の作戦は事実上失敗に終わった。《共同通信》

【サッカー】

サッカーのイタリア1部リーグ(セリエA)でレッジーナに所属するMF中村俊輔は29日、アウエーでのコモ戦でPKを決めてリーグ戦2試合連続得点を記録した。試合は中村の同点ゴールでレッジーナが追いつき、1−1で引き分けた。前週のインテル・ミラノ戦で、やはりPKでリーグ戦初得点した中村は、1点を追う後半になって積極的な攻撃を展開。後半18分、自らのドリブル突破で得た好位置からのFKで相手反則を誘い、PKを冷静に決めた。開幕2連敗していたレッジーナは、3試合目で今季初の勝ち点1を挙げた。《共同通信》

【MLB】

米大リーグの今季レギュラーシーズンが29日に終了し、個人タイトルが決まった。

ナ・リーグ投手部門はジョンソン(ダイヤモンドバックス)が24勝、防御率2.32、奪三振334で自身初となる投手3冠に輝いた。野茂(ドジャース)は16勝で7位、奪三振193で8位、大家(エクスポズ)が防御率3.18で7位だった。

ナの打撃部門は38歳のボンズ(ジャイアンツ)が打率3割7分で初の首位打者。本塁打はソーサ(カブス)が49本を放ち、昨年73本の大リーグ記録を樹立したボンズ(46本)を抑え、2年ぶり2度目の栄冠となった。

ア・リーグ投手部門はジト(アスレチックス)が23勝で最多勝。マルティネス(レッドソックス)は防御率2.26、奪三振239で2冠。佐々木(マリナーズ)は37セーブで6位だった。

ア打撃部門はラミレス(レッドソックス)が3割4分9厘で初の首位打者。昨季1位のイチロー(マリナーズ)は3割2分1厘で4位、安打数は208で2位、盗塁は31で4位だった。A・ロドリゲス(レンジャーズ)が57本塁打、142打点で2冠を獲得。ソリアーノ(ヤンキース)は41盗塁、128得点、209安打で3部門の1位を占めた。《時事通信》

9月29日　その日のできごと(何の日)