平成5014日目

2002/09/30

この日のできごと(何の日)

【小泉第一次改造内閣】発足

小泉純一郎首相は30日、構造改革を継続・加速するとして就任1年5カ月で初めての内閣改造を行い、同日夕の認証式を経て「小泉改造内閣」が正式に発足した。

焦点となっていた金融担当相は、留任の竹中平蔵経済財政担当相に兼務させ、柳沢伯夫氏を事実上更迭。BSE(牛海綿状脳症、狂牛病)への対応、防衛庁の情報公開講求者リスト作成問題で批判を受けた武部勤農相、中谷元防衛庁長官も交代させ、けじめをつけた。新たに6人が入閣、主要閣僚ら11人は続投し、小幅の改造となった。


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不良債権処理の加速を国際公約した首相が、金融機関への公的資金投入に否定的だった柳沢氏を更迭したことは大きな政策転換とも言えそうだ。

改造内閣では福田康夫官房長官、塩川正十郎財務相、平沼赳夫経済産業相、片山虎之助総務相、川口順子外相、公明党の坂口力厚生労働相、保守党の扇千景国土交通相らをそろって留任させたが、景気回復のほか、郵政民営化、道路関係4公団改革や朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との国交正常化交渉など山積する内外の課題で、どこまで具体的成果を上げられるかが問われる。

新任は大島理森農相、石破茂防衛庁長官、谷垣禎一国家公安委員長、鴻池祥肇防災担当相、鈴木俊一環境相、細田博之沖繩·北方対策兼科学技術担当相の計6人で、大島、谷垣両氏を除く4人が初入閣。谷垣氏は新設の食品安全委員会、鴻池氏は構造改革特区を担当。司法制度改革を抱える森山真弓法相、教育改革が課題の遠山敦子文部科学相、道路関係4公団の民営化など特殊法人改革がヤマ場を迎える石原伸晃行革担当相もそれぞれ留任した。副大臣人事は2日に認証式が行われる。《共同通信》

野党各党は30日、小泉改造内閣について「ロ先改革内閣」(鳩山由紀夫民主党代表)、「意味不明改造」(土井たか子社民党党首)と厳しく批判、政権打倒に向けた対決姿勢を強める考えを示した。

鳩山氏は「(柳沢伯夫前金融担当相らの)更迭理由を明らかにすべきだ。政治責任を明らかにせず、首のすげ替えだけでは済まない」と指摘。留任した川口順子外相、遠山敦子文部科学相については「官僚中の官僚だった人たちが留任し、(小泉内閣は)官僚の天下り先として定着した」と批判した。

自由党の藤井裕久幹事長は「日本経済が限りなく悪くなっていくことに対し、責任の所在をはっきりさせないまま、定期異動的に代えるのは問題だ。(柳沢氏は金融政策の失敗が)自分の責任だったことを明確にして、去るのが筋だ」と調。

共産党の志位和夫委員長は「構造改革の名で経済を破局に導き、海外での戦争を推し進める布陣」「農相、防衛庁長官の交代は大きな失政があり当然だが、石破茂防衛庁長官は名うての改憲論者。原発のトラブル隠しがあったのに平沼赳夫経済産業相はなぜ留任したのか」と疑問を呈した。

土井氏は「何のための改造なのか。さっぱり分からない」と強調。「BSE(狂牛病)問題、防衛庁リスト問題などその当時問題にするなら分かるが、トカゲのしっぽ切りなのか責任を意識して交代にしたのか不明だ」と批判した。《共同通信》

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【NHK連続テレビ小説・まんてん】放送開始

【牛肉偽装事件】日本ハム子会社を一斉捜索

日本ハム(大阪市)の牛肉偽装事件で、兵庫、愛媛、徳島の3県警は30日朝、子会社の「日本フード」の姫路、愛媛、徳島3営業部と、姫路営業部を統括する同社の関西カンパニー(大阪市)など計十数か所を詐欺容疑で一斉捜索した。

3県警は1日も偽装を指示したとされる3営業部の元部長宅などを捜索する予定で、各営業部の偽装工作の裏付けを進めるとともに、日本ハム本社の関与や偽装肉の一部が焼却された経緯などについて関係者から事情聴取を重ね、事件の全容解明を目指す。牛肉偽装の強制捜査は雪印食品(解散)、日本食品(民事再生手続き中)に続き3件目。《読売新聞》

【北朝鮮による日本人拉致事件】調査団、拉致生存者との面会を実施

北朝鮮による日本人拉致事件の真相究明のため平壌に派遣された政府調査団(団長・斎木昭隆外務省アジア大洋州局参事官)は10月1日夜に北京経由で帰国する。帰国後速やかに報告内容をまとめ、被害者家族に伝える方針だ。

これに関連して外務省の竹内行夫事務次官は30日夕の記者会見で「生存しているとされる拉致被害者との面会や、北朝鮮側関係者との協議などの作業は行われている」と述べ、生存者として通知された男女5人らの本人確認や関係者からの聴取を実施したことを明らかにした。

生存者が今回の調査団と一緒に帰国する可能性に関しては「本人の意向もあるし具体的な準備の問題もあり、私としては今のところ予測していない」と否定的な見解を示した。

調査団は27日に家族から被害者の写真、筆跡鑑定用の手紙などの提供を受けており、これらを基に生存者とされる男女の本人確認を実施。聴取の際はビデオ撮影や録音もして、1人ひとりに帰国・一時帰国の意思を確認したとみられる。

死亡したとされる8人に関しては、DNA鑑定や歯型照合など本人確認のための死亡資料の提供を求めたもようだ。《産経新聞》

【川口順子外相】拉致問題は最優先課題

川口順子外相は30日夜、初閣議後の記者会見で、10月に再開する北朝鮮との国交正常化交渉について「外務省として最も重要な問題だ。その中でも(日本人)拉致問題は最優先の課題と考える。被害者家族の要望に最大限応えることが大事だ」と述べ、最優先で取り組む姿勢を重ねて強調した。

その上で、拉致事件への外務省の対応に批判があることには「それぞれの時期に外務省は一生懸命対応してきたと思う。日朝首脳会談につながる過程の努力だった。それより早い段階で結果が出せなかったことは残念だ」と釈明した。

イラク問題については「国際社会と協調しながら主体的に取り組みたい。今までの国連決議を現実的に実行することが大事だ」と述べ、引き続きイラクに大量破壊兵器の査察受け入れを求めていく考えを強調。外務省改革についても「『行動計画』を着実に進めたい」と述べた。《産経新聞》

【谷垣禎一国家公安委員長】不明者、徹底的に調べる

国家公安委員長に就任した谷垣禎一氏は30日夜、警察庁で記者会見し、北朝鮮による拉致に関連し政府が認定した8件11人以外の行方不明者について「北朝鮮が関与していないと言い切れない案件がある以上、地道に徹底的に調べなければならない。警察だけでなく、外務省その他、日本のあらゆる国家機関との協力が欠かせない」と語り、事実解明に積極的に取り組む姿勢を示した。

治安情勢の悪化については「少年犯罪、銃器、麻薬など油断できない状況にある。国家公安委員長として全国27万の警察関係職員を督励し、国民が安心して生活できるよう少しでも力を尽くす」と話した。

【民主党・鳩山由紀夫代表】「改造しても口先改革内閣の本質変わらず」

民主党の鳩山由紀夫代表は30日、同日に発表された小泉改造内閣の人事について「骨格は従来路線の継続であり、『口先改革内閣』の本質は変わらないのではないか。新しく生まれ変わった民主党としては、不良債権処理問題などで民主党の姿をしっかりアピールし、政権交代を実現していきたい」と記者団に語った。

柳沢伯夫金融担当相が実質的に更迭され、竹中平蔵経済財政政策担当相が金融担当を兼任することについては、「総理が抜本的な不良債権処理策を本気でやる気があるのかどうかが1年前から試されていたのであり、大臣の首をすげ替えたから実行できるとは到底思えない。また、小泉総理は、なぜ(金融担当相を)替えたのか、なぜ(柳沢氏では)だめだったのかをはっきりさせるべきだ」と述べ、政策転換に疑問を呈した。

鳩山代表はまた、川口順子外相と遠山敦子文部科学相が再任されたことについて「官僚の大臣への天下りが定着した」と不快感を表明した。《民主党ニュース》



9月30日 その日のできごと(何の日)