平成2350日目

平成7年6月15日(木)

1995/06/15

【警察庁・国松孝次長官】公務復帰

東京都荒川区南千住の自宅マンション前で3月30日、出勤途中に銃撃を受けて重傷を負った警察庁の国松孝次長官が15日午前、入院先の病院から東京・霞が関の警察庁に登庁、事件から2カ月半ぶりに公務に復帰した。

国松長官は午前9時すぎ、文京区千駄木の日本医大病院から警察庁に到着。関口祐弘次長らの出迎えを受け、つえを受けながら4階の長官室に入り、幹部約70人を前に「ようやく復帰でき、感無量です」とあいさつした。この後国松長官は記者会見し、自身の銃撃事件について「犯人像を言うのは控えるが、卑劣な犯行で日本警察は絶対に許すことができない」と語り、犯人逮捕に強い意欲を見せた。

国松長官は一連のオウム真理教関連事件について「日本警察の最重要課題であり、全力を挙げて全容解明を図りたい」と述べた。

また長官は復帰後に取り組む仕事として「銃口からは何も生まれないという社会を築きたい」と語り、銃器対策の推進に引き続き取り組む姿勢を示した。

記者会見に先立ち、長官は定例の国家公安委員会に出席、野中委員長(自治大臣)ら委員5人に公務復帰を報告。この際、野中委員長から「思ったより元気だ。本当によかった」とねぎらいの言葉があったという。

警察庁長官銃撃事件 3月30日朝、東京都荒川区のマンション前で、出勤途中の国松孝次警察庁長官に向けて男が短銃4発を発射、うち3発が命中。意識不明状態で病院に運ばれ、1万ccの緊急輸血と8時間に及ぶ大手術の結果、一命を取り留めた。短銃は米国コルト社製38口径で、殺傷力の高いホロー・ポイント型マグナム弾を使用。警視庁は強制捜査の中断と報復のため警察組織のトップを狙ったオウム真理教の犯行とみて、実行犯などの特定を急いでいる。《共同通信》



【薬剤師リンチ殺人事件】麻原被告「現場にいた」

オウム真理教付属医院の薬剤師Oさん=当時(29)=がリンチされ殺害された事件で、殺害を指示したとされる教祖の麻原彰晃容疑者(40)=殺人容疑で再逮捕=が調べに対し「Oさんが殺害された現場にいた」などと、目前で殺害が行われたことを暗に認める供述をしていることが15日、分かった。

犯行を指示したことについては依然黙秘しているという。またOさんはY容疑者(27)=殺人容疑で逮捕=の母親(49)を教団施設から救出しようとして見つかり、リンチを受けたことが分かった。

調べでは、麻原容疑者はOさん殺害の現場にいたことを認め、Y容疑者が落田さんを殺害した事実についても否定する様子はないという。しかし、自分が犯行を指示したことについては黙秘し、Oさんが殺害された理由については「いろいろないきさつがある」などと供述をしているという。麻原容疑者はこれまでの調べに対し「黙秘します」と供述を拒んでいた。《共同通信》

【韓国・金大中氏】活動再開

韓国で34年ぶりに実施される統一地方選挙で、政界を引退した野党民主党元代表の金大中氏が15日、京畿道安養市を皮切りに民主党候補応援のための遊説活動を開始、与党民自党は金氏の政界復帰に向けた活動再開だと強く非難した。1992年末の引退宣言以来2年半ぶりに政治舞台の前面に再登場した金大中氏の動きが、選挙戦の台風の目となりそうだ。

金大中氏は同日午後、安養市で約2000人の市民、党員を前に演説、大型事故の頻発や対朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)政策の失敗などを指摘し、金泳三政権を厳しく批判。政界復帰については「私は正常な国民だ。選挙に出馬もできるし遊説に出ることもできる。投票する権利もある」と可能性を否定しなかった。市民、党員らは「金大中を大統領に」などと叫び、大統領選挙のような雰囲気となった。

民主党は当初、ソウル市や京畿道など首都圏で形勢有利と見ていたが、党内の金大中派と李基沢総裁派との抗争がこじれてイメージが悪化。同国南部にある全羅南道の党支部委員長が選挙法違反容疑で事前逮捕されたことで危機感を持ち、切り札の金大中氏が直接態勢固めに乗り出した形だ。

逆に、与党民自党はソウル、首都圏での金大中氏の影響力の浸透を憂慮、金氏の遊説活動は政界引退という国民との約束違反だとし、論評で「地方選を政界復帰のための踏み台として悪用するのは国民に対する裏切り行為だ」と強く非難した。《共同通信》

【政界談話室】

○…自民党の森喜朗幹事長は15日、新進党の海部俊樹党首の地元、名古屋市で講演。海部氏が内閣不信任決議案提出に当たり「自社さきがけ政権は水と油」と演説したことに触れ、「それでは新進党は水と水、油と油なのか」と反論、「宗教団体から支持される政党と自民党から離脱した裏切り者の集まりが新進党」と決めつけた上、「自民党の悪い面、体質を持った人が飛び出して城にこもり『改革、改革』と唱えている。水と油だけでなく、バイキンまで一緒になっている」と酷評した。選挙前とはいえ、あまりのエスカレートぶりに「品がない」の声も?

○…新進党の市川雄一政務会長はこの日、衆院議員会館で開かれた「民間サラリーマン出身新進党国会議員連盟」の設立総会で発起人としてあいさつ。「私のイメージはサラリーマンには見えないらしいが」と笑いを誘った後、「高校業した後、小松製作所に勤め、早大を出てからは広告代理店…」と職歴を紹介。「毎月6000円(の月謝を)出すのが苦しかったので、娘は幼稚園に一年しか行かせてやれなかった。今でも娘の寂しそうな顔を覚えている」としんみり当時を振り返った。切れ者で知られる市川氏の思わぬ一面に会場はシーン。《共同通信》

【村山富市首相】米・クリントン大統領と会談

村山首相は15日午後(日本時間16日未明)、ハリファクス市内のダルハウジー大学で、クリントン米大統領と約1時間半会談した。

会談後の記者会見で大統領は日米自動車・同部品問題について、22、23両日にジュネーブで開かれる次官級協議での交渉進展に強い期待感を表明。その一方で、制裁決定最終期限の28日までに合意できない場合、通商法301条(不公正貿易慣行に対する報復措置)に基づいて「制裁を課す」と言明、日本市場の閉鎖性などを世界貿易機関(WTO)に提訴する方針を示した。

これに対し首相は「一方的制裁措置はWTOのルールに反するもので、撤回を求める」と反発、日米の対立が鮮明になった。首脳会談で制裁回避の道筋をつけることができなかったことから、交渉は難航必至だ。

会談で両首脳は、自動車問題が安全保障を含む日米関係全体に悪影響を及ぼすことはないとの認識では一致。

しかし発動期限について大統領が「延期できない」と主張したのに対し、首相は撤回を求め、さらに米国が求めている自動車メーカーの自主的購入計画上積みについても「企業活動へ政府は介入できないことはこれまでも申し上げている」と反論、お互いの立場を譲らなかった。

両首脳は7月で2年間の交渉期限が切れる包括経済協議の延長を確認。日米航空交渉は早期解決を目指すことで一致した。《共同通信》

【ハリファクス・サミット】開幕

第21回先進国首脳会議(サミット)が15日夕(日本時間16日朝)、カナダ・ハリファクスで3日間の日程で開幕した。地元ノバスコシア州総督公邸での歓迎式典の後、参加各国の首脳、外相、蔵相が夕食をとりながらそれぞれの会合に臨んだ。

このうち、首脳、外相は途中から合同で緊迫するボスニア・ヘルツェゴビナ情勢について意見交換、サミット議長のクレティエン・カナダ首相が参加国(G7)を代表して「全当事者に対し軍事行動の即時停止」を求める緊急声明を発表した。

声明は、この一両日サラエボ周辺で戦闘が一段と激化しつつあることからボスニア内のセルビア人とボスニア・ヘルツェゴビナ政府間で連絡調整グループ提案に基づく政治交渉が速やかに再開されるよう軍事的行動の即時停止を求めることなどを盛り込んでいる。

G7各国首脳が戦闘停止への強いメッセージを送ることで同地域の戦闘激化を未然に防ぐのが狙い。首脳の夕食会はその案文づくりに終始した。《共同通信》

6月15日のできごと