平成5003日目

平成14年9月19日(木)

2002/09/19

【ソガヒトミさん】拉致被害者5人目の生存者名が明らかに

日朝首脳会談で、日本政府が認定した拉致被害者以外に北朝鮮が初めて存在を明らかにした5人目の生存者の名前は「ソガ・ヒトミ」で、女性であることが19日、関係者の証言で分かった。

関係者によると、女性は北朝鮮による拉致事件が集中した1970年代後半に、日本海側から20代で連れ去られた可能性が高く、現在は40代になっているとみられる。

今回北朝鮮から伝えられた日本人名は、警察庁が把握している拉致の疑いがある非公式リストにも記載がなく、警察庁は同日、全国の警察本部に対し、家出人捜索願などから該当者がいないかどうか調べるように指示した。

日朝首脳会談で北朝鮮は、日本側が安否確認を求めた拉致被害者のうち4人が生存していることを明らかにし、さらに別の1人が北朝鮮国内で生存していることを伝えていた。

警察庁は北朝鮮による拉致被害者として8件11人を認定。このほか公式には認定していないが、死亡が伝えられた札幌市出身の石岡亨さん=失跡当時(22)=と熊本市出身の松木薫さん=同(26)=らを拉致の疑いがある人物とみていた。《産経新聞》




【社民党】朝鮮労働党に抗議へ

社民党は19日の常任幹事会で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の朝鮮労働党に対し、日本人拉致事件に抗議し、真相究明を求める方針を決めた。「拉致被害者8人死亡」に対する国民の怒りが、朝鮮労働党と「友党関係」を続けてきた社民党への批判につながりかねないとの危機感もあり、「言うべきことを言わなければ友党の役割は果たせない」(保坂展人総合企画室長)と党独自の行動に出たものだ。

抗議と同時に、これまでの会談で朝鮮労働党側が拉致事件を全面否定した経緯もただす方針。回答次第では友党関係を見直す可能性もあるという。過去の政党訪朝団に対し「なぜ拉致事件を放置してきた」との疑念も強まっているため、今後、党内の委員会で歴史的に検証する。

同党は旧社会党の60年代から朝鮮労働党と「友党関係」を続け、二十数回の訪朝団を派遣。97年の与党訪朝団に参加した際、拉致事件を追及したが、「拉致は存在しない」と全面否定された。

常任幹事会では党友関係検証の一方、日朝関係が悪化しないように努力を続ける方針も再確認。土井たか子党首は「南北分裂は永久にあるわけではない。30年、50年先をみて意味のある方向を導き出すべきだ」と呼びかけた。《毎日新聞》

【外務省】拉致被害者の「死亡日リスト隠し」発覚

政府は19日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で17日に行われた日朝首脳会談直前の事務レベル協議で、日本人拉致事件被害者の死亡年月日が記されたリストが北朝鮮側から提示されていたことを明らかにした。外務省はこれを受けて電話で被害者家族に死亡年月日を伝達した。

リストによると、元神戸外大生有本恵子さん=失跡当時(23)=と札幌市出身の石岡亨さん=同(22)=は1988年11月4日の同じ日に死亡していたことが判明。小泉純一郎首相は、被害者の不自然な死亡を知らずに首脳会談に臨んでいた。リスト公表を控えるよう指示したのは、首相に同行した外務省の田中均アジア大洋州局長であることも明らかになった。

田中局長は、正常化交渉再開の合意に影響するのを配慮した可能性があるが、こうした対応に被害者家族は反発を強めており、政府、与党からも批判の声が出ている。首相は外務省に「拉致家族の皆さんに今後十分丁寧に対応すべきだ」と指示した。

死亡日が判明したのは、ほかに横田めぐみさん=同(13)=は93年3月13日、田口八重子さん=同(22)=が86年7月30日、増元るみ子さん=同(24)=は81年8月17日、市川修一さん=同 (23)=が79年9月4日、原敕晁さん=同(43)=が86年7月19日、松木薫さん=同(26)=が96年8月23日。

安倍晋三官房副長官は十九日夕の記者会見で、リストについて①17日午前の首脳会談直前の事務協議終了時に北朝鮮の馬哲洙外務省第四局長から田中均アジア大洋州局長に渡された②首脳会談中に翻訳し、首脳会談終了後の「平壌宣言」署名前に小泉首相らに報告した–と説明。首脳会談前の段階では、首相には被害者の「生死情報」だけを口頭で報告していたことを明らかにした。

福田康夫官房長官は19日午前の記者会見でリストの存在について「知らなかった」と外務省から報告がなかったことを明言した。

安倍副長官は同日午後、首脳会談に出席した田中局長らから事情を聴いた。《共同通信》

【ボクシング・徳山昌守選手】HPに嫌がらせ相次ぐ

日朝首脳会談後、在日朝鮮人らに嫌がらせが相次ぐ中、在日朝鮮人3世で世界ボクシング評議会(WBC)スーパーフライ級王者、徳山昌守選手(28)=金沢ジム=の公式ホームページの掲示板に、嫌がらせの書き込みが急増したため、掲示板が閉鎖されたことが19日、分かった。

ホームページは昨年2月に開設。管理者によると、17日の日朝首脳会談の後から「北(朝鮮)へ帰れ」「死ね」などの書き込みが10件近くあり、徳山選手と協議の上で18日夜から当面閉鎖することにしたという。管理者は「これまでも嫌がらせの書き込みはあったが、今回は時期を考えて閉鎖した。閉鎖後、日本人から励ましのメールが7件来ているだけに、一部の人の言動が残念」と話している。徳山選手は「閉鎖はすごいショックだけど、応援してくれる人も多いので次の防衛戦を頑張りたい」と気持ちを切り替えようとしていた。

また、徳山選手の所属する金沢ジム(大阪市生野区)の金沢英雄会長によると「ジムにも1〜2件ほど嫌がらせの電話がきた」という。《毎日新聞》

【小泉純一郎首相】拉致事件の解明を最優先

小泉純一郎首相は19日夜、自民党の森喜朗前首相と首相官邸で会談した。日朝国交正常化交渉について森氏は「交渉を前に進めることよりも、拉致被害者の家族のことを第一に考えてほしい。正常化交渉は急ぐ必要はなく、慎重にやってほしい」と要請。首相も「私もそう思う。ご家族にすべて満足していただけるということはないかも知れないが、最大限の努力をして詳細を調査したい」と応じ、拉致事件の解明を最優先させる考えを明らかにした。《毎日新聞》

9月19日のできごと