平成4437日目

2001/03/02

この日のできごと(何の日)

【特急白鳥】ラストラン

3日のダイヤ改正に伴い、約40年の歴史に幕を下ろすJR特急「白鳥」の上り最終列車が2日午前6時11分、青森駅から大阪駅に向けて出発した。「白鳥」は1961年10月にデビューし、青森ー新潟ー金沢ー大阪の1040キロを約13時間かけて走行。日本海側を走り現代版「北前船」とも呼ばれ、昼間の特急では国内最長の運転区間を誇った。

上り最終列車(11両編成)は、別れを惜しむ鉄道ファンらで約700席がほぼ満席。青森駅ホームで行われたセレモニーで、約25年間の乗務経験を持つ元車掌の会社員泉沢満穂さん(59)が最後の運転士と車掌に花束を渡した。

泉沢さんは「集団就職で金の卵といわれた学生服姿の若者や出稼ぎの人たちが思い出される。新幹線開通や青函連絡船廃止で次第に乗客が減っていき、いつかはこうなると思っていたが、列車が走り去った後にはこみあげるものがあった」と話した。

「白鳥」が高度成長期を支える足として活躍したが、空路の発達などで、最近は全区間を通しで利用する乗客は一日数人程度に落ち込んでいた。《読売新聞》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【2001年度予算案】衆院通過

景気対策などを盛り込んだ2001年度予算案は2日夜の衆院本会議で自民、公明、保守3与党の賛成多数で可決、与党が再優先課題としていた予算の年度内成立が確定した。今後の焦点は、退陣が避けられない情勢になっている森喜朗首相が辞意表明する時期と後継首相候補の擁立作業に移る。

与党内からは13日の自民党大会前に辞意表明するよう求める声が一段と高まるのは確実で、首相は予算成立後の4月中に退陣に追い込まれる公算が大きい。

野党は森内閣不信任決議案を予算案の衆院通過後の2日夜に提出する方針だったが、5日午前に提出を延期した。

与党内には財団法人「ケーエスデー中小企業福祉事業団」(KSD)汚職事件で2人の前自民党参院議員が逮捕される事態に直面し、同党総裁としての首相の責任を問う厳しい声が噴出。実習船衝突事故でも首相の危機管理に批判が集中した。経済政策では、株価がバブル後の最安値を記録、景気も失速状態だ。内閣支持率も一けた台に落ち込み、森政権は末期の混迷状況に陥っている。

7月予定の参院選を控え、首相退陣要求が与党内で一段と拡大。与党の執行部は(1)自民党大会前に辞意表明(2)今月末の予算案成立後に辞任−という基本的なシナリオで退陣を迫っている。同時に「ポスト森」候補絞り込みを急ぐことで、首相退陣の環境を整える考えだ。

内閣不信任案に対して与党は否決する方針がだ、「(首相退陣とは)別個の問題」(青木幹雄参院幹事長)との声が支配的となっている。

だが首相サイドは月内の米国、ロシア訪問日程を挙げるとともに、「公明党主導の退陣要求に屈することはできない」との姿勢を崩さず、早期の辞意表明を拒んでいる。このため首相が党大会前に自発的に辞意を表明しない状況になれば、自民党の古賀誠幹事長ら執行部が森首相に対して退陣を迫る方針だ。《共同通信》

【東京株式市場】

2日の東京株式市場は、この日発表された1月の失業率が2カ月連続で最悪を記録するなど景気悪化懸念からほぼ全面安の展開となり、東証平均株価(225種)は大幅続落。下げ幅は400円を超え、1985年7月以来の1万2200円台に落ち込んだ。為替相場では円が売られ、長期債価格も値下がりするなど、株、為替、債権のトリプル安が進む日本売りの恐れも出始めた。

前日、バブル崩壊後の最安値を更新した株価下落は深刻さを増し。底値が見えない状況となっている。この日の終値は、前日比419円86銭安の1万2261円80銭。全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)も27.43ポイント安の1199.84に下落、99年3月以来の1200台割れとなった。

平均株価は2月26日から5日連続で下落し、下げ幅は984円20銭に達した。当面の抵抗線とされたバブル崩壊後の最安値(1万2879円97銭)を大きく割り込んだことで市場では下げ止まりのめどが不透明となった。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎行革担当相は2日の閣議で、東京都内で避難生活を送る三宅島の子どもたちがクラブ活動を続けられるよう閣僚に協力を呼び掛けた。「私の道楽が剣道であることはご承知の通り」という橋本氏が、都立三宅高校剣道部の活躍を雑誌で見掛けたのがきっかけ。左手のけんしょう炎のため、現在は恒例の寒げいこを中止しているものの、閣議後会見では「剣道ができるようになったら、ぜひ一度けいこに行きたいと思っている」。首相再登板の声も上がる橋本氏だけに、意気盛んな様子が憶測を呼びそう。《共同通信》

【米原潜グリーンビル】えひめ丸衝突までの航跡判明

ハワイ・オアフ島沖で米原潜「グリーンビル」が愛媛県立宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」に衝突した事故を調査している米国家安全運輸委員会(NTSB)は2日、衝突に至るまでの双方の航跡を示す暫定的な分析結果とそれを基に作成した分析図を公表した。グリーンビルは緊急浮上する前に、左右に激しく蛇行しながら航行を続けていた状況が記録されており、潜水艦に搭乗していた民間人が「何かにつかまっていなければ体を支えられなかった」と証言した内容を裏付けているのが特徴だ。

分析図はグリーンビルの航路を記録する装置やソナー(音響探知機)の記録を基に、衝突前後の10分間の動きを分析している。それによると、グリーンビルは潜望鏡による安全確認前に上昇・停止 上昇の行動を繰り返しながら、左右に方向転換を繰り返す激しい動きをしていた。

グリーンビルは潜望鏡による安全確認後に南東から北東に変えながら水深約120メートルまで約2分半をかけて潜航。その後の緊急浮上では同じ水深を1分程度で北北東に向け上昇し、同潜水艦の北東側上方海上を南南東に向け進んでいた「えひめ丸」の航路に突っ込み、衝突した様子が描かれている。《読売新聞》

【えひめ丸事故】不明者捜索を事実上打ち切り

米ハワイ・オアフ島沖で米原潜「グリーンビル」が実習船「えひめ丸」に衝突した事故で、行方不明者の捜索の中心となってきた米沿岸警備隊は事故からちょうど3週間が経過した2日、創作活動を打ち切ると発表した。この後、沿岸警備隊は通常の態勢に戻り、その中で捜索を実施する。海軍も同日、無人潜水艇を使って現場海域で行っていた海底調査作業を完了した。今後は海底からの「えひめ丸」引き揚げに重点が移る。

事故発生以来、沿岸警備隊による捜索活動は捜索船や救命ヘリを使って続けられ、捜索面積は、北海道の約1.6倍の広さにあたる約13万平方キロ・メートルに及んだ。《読売新聞》

【この日の民主党】

鳩山代表がフォーリー米駐日大使と会談=命の重さに配慮した対応求める

民主党の鳩山代表は2日、党本部でアメリカのフォーリー駐日大使と会談した。伊藤英成事故対策本部長と五島正規対策本部事務総長が同席した。

今回の訪問は、実習船「えひめ丸」への衝突事故に関連し、先月27日に来日したファロン米政府特使の件について説明したいというもの。

ファロン特使は、家族の了解を得て1日に宇和島を訪れたが、これは伊藤本部長が「米特使が宇和島を訪れて直接家族と対話してはどうか」と米大使館に提案したことで実現した。

鳩山代表は「情報伝達が十分でなく、後からいろいろな事実が明らかになったため、アメリカに対して厳しい思いをもっているのは事実だ。今回、特使が直接訪問したこと、またワドル元艦長が謝罪したことは、ご家族の心を和ますことになったと思う」とその行動を評価した。

フォーリー大使は「米国政府は一貫して船を引き揚げる方針だが、日本側にその真意がはっきりと伝わっていなかった」と説明。「先例のない船の大きさや水深から先例はないが、最善の技術を駆使して引き揚げを行う」と述べ、世界最高の技術水準を持つオランダ企業に依頼して、3月8日にも調査報告とプランが出されるとした。

鳩山代表は、「(行方不明となった)9人の命の重さに十分配慮してほしい」と述べ、今後の支援や家族への補償の問題について誠実に取り組むよう求めた。

森内閣不信任決議案は週明け5日朝提出

民主党、自由党、共産党、社民党の野党4党は2日午前9時から、国会内で党首会談を開き、森内閣への不信任決議案の提出時期について協議した。

会談では民主党の鳩山代表が「今日は内閣不信任案をいつ出すか決めたい」と切り出して、各党首がそれぞれの意見を述べながら、4党一致して行動することを改めて確認。鳩山代表が「野党第一党党首である私にご一任いただきたい」と議論をまとめ、各党党首も了承した。

その後、鳩山代表と菅直人幹事長、赤松広隆国対委員長が対応を協議した結果、内閣不信任案を3月5日(月)の午前8時30分に提出することを決め、野党国対委員長会談で赤松委員長が報告、各党の了承を得た。

不信任決議案は5日午後1時からの衆院本会議で採決されることが、2日夜の衆院議院運営委員会理事会できまった。

私設秘書を処罰対象に~野党4党があっせん利得処罰法改正案を提出

民主党は2日、自由、共産、社民の野党4党と共同で、あっせん利得処罰法の処罰対象を政治家の私設秘書まで拡大することを内容とする改正案を衆院に提出した。

昨年秋の臨時国会で、あっせん利得処罰法が成立したとき、野党4党は、「議員事務所の会計を担当するような私設秘書が対象にならなければ法の抜け道になる」として、国会議員、地方公共団体の首長、議員、公設秘書に加え、私設秘書を加えるよう主張して、法案を提出したが否決された経緯がある。

ところが、2月26日に行われた衆議院の政治倫理審査会で、KSDからの資金提供に関連して弁明した自民党の額賀福四郎議員が、現金のやりとりや保管をすべて秘書まかせとしたことから、改めて法の不備が指摘された。

野党4党が予算組み替え動議を提出=原口一博議員が趣旨説明

衆議院予算委員会で2日、民主党・無所属クラブは自由、共産、社民・市民連合の野党4会派で平成13年度予算案の組み替え動議を提出し、民主党の原口一博議員が趣旨説明に立った。

原口議員は組み替えを求める理由として、(1)政府機密費をめぐる不明朗な会計処理、不正流用疑惑をふまえた抜本的な改革と大幅な削減が不可欠(2)旧態依然の公共事業中心のバラマキ予算に終止符を打ち、雇用・福祉関係施策や教育施策、立ち遅れた大都市圏の交通・防災・環境関係施策などに歳出の重点を移す必要がある–ことをあげた。

また、「整備新幹線のフル規格化など利益誘導型・従来型の公共事業をいくら続けても、景気下支え効果は短期の限定的なものにとどまり、民需主導の景気回復につながらない」として、大幅な削減や、個別補助金を整理し、地方公共団体に一括して交付するなどの思い切った改革が必要だと主張した。

さらに、財源の裏付けのない児童手当拡充案についても削除を求め、ODA及び防衛費についても厳しい財政状況を勘案し、一定の削減か前年度並みへの据え置きを求めた。

続いて、池田元久議員が討論に立ち、まず証人喚問の実現をさせず、不公正で一方的な議事運営を行った野呂田予算委員長の議事運営について厳しく批判。そして、財政健全化への道筋が示されていないことや、機密費予算を一切削減しないこと、整備新幹線のフル規格化、旧態依然とした旧来型の公共事業などを列挙し、「日本経済が立ち直れるような効果は望めない」として、予算案への反対を表明した。

しかし、討論後の採決の結果、与党側の賛成多数で政府予算案が可決した。

森首相の居座りは国益に損失=海江田万里議員が本会議討論で退陣要求

2日午後7時から行われた衆議院本会議で、再び原口一博議員が登壇し、野党4会派の予算案組み替え動議の趣旨説明を行った後、海江田万里議員が政府予算案への反対討論に立った。

海江田議員は、予算案に言及する前に、まず「日本中に、森総理に辞めてほしいという声が満ち満ちている」と述べ、さらに、「世界から見ても、今やわが国にとって森首相が居座りつづけること、そのことが日本が変わることができないことの証拠になって、わが国の存在を危うくしている」と指摘し、即時退陣を要求した。

政府予算案に対しては、政府が「景気対策に軸足をおいた予算」と主張していることに対して、「問題は軸足を置く足元の地盤が今や泥沼の状態だ」と主張。「まず泥沼の状態をしっかりとした土壌にするための構造改革が必要だ」と指摘し、「この構造改革を怠って、いくらケインズ型の財政出動をやっても、それは軸足どころか全身が泥沼の中に埋まってしまうことになる」と批判した。そして、日本経済が相変わらず低迷している理由として、「思いきった構造改革を先送りし、不良債権の抜本処理に手をつけることなく、安易にかつ非効率な財政出動を続けていることの当然の帰結だ」と主張した。

各会派の討論が終わり、記名採決が行われた結果、与党側の賛成多数で平成13年度予算案は可決し、参議院に送られた。

平成13年度政府予算案が衆院で可決-疑惑解明、審議不十分なまま

平成13年度政府予算案は2日夜の衆議院本会議で、自民・公明・保守の与党3党などの賛成多数で可決され、参議院に送られた。民主・自由・共産・社民の野党4党は、公共事業費や機密費(報償費)などの減額を求める組み替え動議を衆院予算委と本会議に提出したが、否決された。

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[締めくくり総括質疑]
外務省機密費の上納は明らか
●佐藤観樹議員
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3月1日、2日の両日行われた各省庁分野ごとの分科会審議を経て、2日午後から衆院予算委で森首相ら全閣僚が出席しての締めくくり総括質疑が行われた。

民主党・無所属クラブから一番手として立った佐藤観樹議員は、KSDをめぐる汚職事件に言及。村上正邦元労働相が受託収賄容疑で逮捕されたことに関連し、「この事件は自民党政治の典型である政官業癒着スキャンダルそのものだ」と指摘。自民党の今日まで続けてきた政官業もたれあいによる政界支配の構図そのものだとした。

森首相は逮捕後初めての答弁だと前置きし、「深刻に受け止めている」としながらも、必ずしも政官業のトライアングル構造とは言えないと否定。佐藤議員は党費肩代わり問題についても政治資金規正法上違法だと指摘し、「有印私文書偽造であり、自民党としては疑われたものは返金するべきだ」と主張した。

佐藤議員は外交機密費問題についても、「審議したが何ら明らかにならなかった」と批判。その上で、財務省、経済産業省、農林水産省、総務省等の各大臣に、首相に随行して海外に出た折、宿泊費の差額は官房報償費から出されるかと質問。その事実はないとの各大臣からの答えに「外務省だけが特別なのには官房報償費の中に外務省分があることが伺える。外務省機密費の上納が見て取れる」と分析した。

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不良債権処理は素早く公平に透明に
●原口一博議員
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続いて質問に立った原口一博議員は、日本銀行が28日に0・35%の公定歩合を0・25%に引き下げた点について、速水日銀総裁にその理由を質した。

速水総裁は景気の回復傾向が鈍化している点を踏まえ、「金融面からの景気回復支援を考え、物価安定のためにとった措置だ」とした。

これに対して原口議員は「しかし、大きな不良債権を抱えながら構造改革・財政構造改革を先送することはリスクの拡大につながるのではないか」と反論。日銀にはインフレマーケットを明確に否定し、金融のアンカーとして機能してほしいと求めた。

また原口議員は、柳澤金融担当相に対し、「直接償却という言葉が一人歩きしている感があるが、これは危険だ」と指摘。不良債権処理にあたっては、流動化・法的整備に伴う直接償却・債権放棄・部分償却の4つがオフバランスシート化のなかにあって行われるべきで、素早く、公平に、透明に、果敢にやるべきだと提案した。

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政府は国民への説明責任果たせ
●五十嵐文彦議員
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民主党・無所属クラブの最後の質問者として立った五十嵐文彦議員が、政府の経済政策や、退陣が取りざたされる森首相の政権担当姿勢を問い質した。

まず五十嵐議員は、「予算委員会の質疑を見ていても、これほど議論が成り立たない国会は異常だ」とし、「政府は国民への説明責任を果たすことを回避している」と批判した。森首相は、「閣僚は誠心誠意答えていると思う」などと空疎な言葉で答えた。

また、五十嵐議員は、現在、政府・自民党内では2つの経済路線が主張されているとし、景気回復を掲げて財政出動をどんどん行うのか、構造改革を進めるために直接償却などを進めるのか、どちらの路線をとるのか、と質した。麻生経済財政政策担当大臣は、「景気回復できないと構造改革につながっていかないというのが優先順位だ」と述べた。

これに対して五十嵐議員は、「政府の見通しどおりの経済成長を達成しても財政赤字は解消できない」と指摘し、「年金や医療保険のあり方を含めて将来の国民生活がイメージできる経済プランを一向に示さないがゆえに、国民は不安を抱え、消費も伸びないのだ」と強く批判した。

平成13年度予算衆議院通過で談話~岡田克也政調会長

3月2日夜の衆議院本会議で、平成13年度政府予算が与党の賛成多数で可決された。 民主党の岡田克也政調会長はこれについて下記の談話を発表した。

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2001年3月2日
平成13年度政府予算の衆議院可決について(談話)
民主党政策調査会長 岡田克也

本日、平成13年度政府予算が衆議院予算委員会と同本会議において可決され、参議院に送付された。

民主党は、政府機密費不正流用事件を踏まえた機密費の抜本改革と大幅減額、旧来型公共事業の大幅削減等による財政健全化への方向づけ、雇用・福祉施策や大都市圏の交通・防災・環境対策の拡充等による国民生活の安心の向上等の観点から、野党4党共同で予算組替え動議を提出し、政府案に反対して衆議院での最後の論戦を堂々と展開した。

2月5日から1カ月弱の衆議院での予算審議では、KSD疑惑と政府機密費不正流用疑惑等の解明に多くの時間が費やされた。

KSD疑惑に関連し衆議院予算委員会で野党が一致して求めて来た額賀福志郎元経済財政担当大臣、村上正邦元自民党参議院議員会長ら5名の証人喚問を、与党は一貫して拒み続け、政府機密費不正流用疑惑でも福田官房長官や河野外相が答弁拒否を繰り返してきた。

米国原潜による実習船「えひめ丸」衝突・沈没事件発生直後の森総理の危機管理への対応のお粗末さについても、総理は開き直りの答弁を繰り返した。

数々の疑惑は、一層深まった。予算審議は不十分なまま、与党の採決強行によって打ち切られた。きわめて遺憾である。

民主党は、野党4党結束して森内閣不信任案を衆議院に提出し、即時退陣を求めていく。

同時に、政府予算については、参議院を舞台に、ここ数日の平均株価のバブル崩壊以降最安値の更新に見られる景気の下振れ懸念も踏まえつつ、景気回復への何らの効果も持ち得ない旧来型公共事業中心の政府予算の修正、KSD疑惑や政府機密費疑惑等の全容解明等を求めていく。

この土・日曜を国民が自民党を切り崩す2日間に=菅幹事長が檄

「先の11月の政局では、土・日で加藤派が切り崩された。今度は、自由民主党が国民によって切り崩される2日間にしよう」–。

2日夜の代議士会で菅幹事長はこう述べて、内閣不信任案提出時期決定の経過を報告し、週末の各議員の取り組みを強く求めた。

菅幹事長は、「与党は本日提出すれば深夜になっても本日中に否決する姑息な構えを示した。国会議員が地元に帰る時間的余裕をおかずに、悪いことは一気呵成に否決してしまい、終わったことにしてしまおうという悪知恵だ」と与党の動きを批判。そして、「これは一方で自信の無さの現れでもある。この悪知恵を打ち破り、国民の意見を聞いた上で国民注目の中で不信任案の採決が行われるよう、野党4党国対委員長会談で不信任案の提出を週明けの月曜日の朝に正々堂々と行うことにした」と提出時期決定の経緯を説明した。

その上で、菅幹事長は「皆さんがご自身の支持者の声を聞くことはもちろんだが、森首相の退陣を望む国民が与党の議員にその意思を伝えてほしいと強く訴えていただきたい。そうなれば、5日の本会議で不信任は可決する。国民の8割が賛成するものに反対する政党には未来がないと確信する」と檄を飛ばし、大きな拍手を浴びた。《民主党ニュース》



3月2日 その日のできごと(何の日)