平成3610日目

1998/11/26

この日のできごと(何の日)

【小渕恵三首相】中国・江沢民主席と会談

小渕恵三首相は26日午後、国賓として来日中の江沢民中国国家主席と東京・元赤坂の迎賓館で会談し、21世紀に向けての両国関係の新たな枠組みを描いた「平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する共同宣言」を発表した。


https://www.kantei.go.jp/

共同宣言で日本側は「過去の一時期の中国への侵略によって中国国民に多大な災難と損害を与えた責任を痛感し、深い反省を表明した」とし、日中の外交文書の中で初めて「侵略」の事実を認めた。

首脳会談でも江主席が「歴史認識と台湾問題が日中関係の根幹」と真剣な歴史総括を求めたのに対し、小渕首相は、戦後50年の村山富市首相談話を踏襲して「あらためて反省とおわびを中国に表明する」と述べた。

台湾問題について小渕首相は「台湾の独立は支持しない」と述べ、1972(昭和47)年の日中共同声明の立場を再確認。さらに共同宣言で「中国は一つであり、引き続き台湾と民間及び地域的な往来を維持する」と表明、「一つの中国」を初めて文書化した。

首脳会談は前半、歴史認識と台湾問題にテーマを絞り、両首脳と少人数の関係者で行われた。

江主席は、歴史認識問題について「もう議論する必要はないとの意見には反対である。話せば話すほど未来が開ける」と強調。村山談話を評価しつつも「それと正反対の言動は理解できない。真剣に教訓を総括し啓もうしてもらいたい」と求めた。

台湾問題では、台湾独立を支持しないとの日本の立場を評価した上で「主権にかかわる問題であり日中共同声明の立場を順守してもらいたい」と要請。新たな「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)については「協力の範囲に台湾を含めれば内政干渉となる」と強くけん制した。

小渕首相は、中国と台湾の対話再開を歓迎し「当事者間の対話を通じた平和的解決を希望する」と述べ、ガイドラインについては「特定の国や地域に向けられたものではない」と述べ、これまでの政府見解をあらためて説明した。《共同通信》

民主党の菅直人代表は26日、江沢民中国国家主席の来日を歓迎する談話を発表した。

日中共同宣言が幅広い分野で共同して役割を果たすことを確認した点は高く評価しながら、「歴史認識をめぐる日本政府の対応は不透明で、日中関係に無用の緊張を与えた」「小渕政権が党内事情や政権延命のための数あわせに右顧左眄して、必要なリーダーシップを発揮できなかったため」と批判。「先の戦争の反省を十分踏まえることが近隣諸国との基礎的信頼関係構築の大前提」と指摘している。《民主党ニュース》

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【政界談話室】

自自連立の「黒子役」を自任する自民党の亀井静香元建設相は26日昼、都内で講演。連立に消極的な加藤紘一前幹事長らYKKトリオの姿勢について、会場から質問されると「加藤さんとも意見交換しているが、加藤さんらが(総裁選で)推した小渕恵三首相が(連立を)決断した。その責任を考えても協力すると思う」と余裕しゃくしゃくの応答ぶり。党内からは「あまり目立たない方がいいのに駄目なんだ」と亀井流の政治手法を心配する声もちらほら聞かれるが、亀井氏はどこ吹く風。《共同通信》

【自民党・加藤紘一氏】宮澤派を継承

自民党宮澤派会長の宮澤喜一蔵相は26日午後、大蔵省で同派の小里貞利事務総長と会談し、派閥会長の加藤紘一前幹事長への代替わりについて「年を越さない方がいい」と述べ、年内に派閥会長を加藤氏に譲る考えを明らかにした。また宮澤氏が、会長を退くと同時に蔵相ポストからも退く意向を周辺に漏らしていることも明らかになった。

宮澤氏は、12月14日の臨時国会終了直後に再び小里氏と会談し、最終決断を示したいとしている。これに伴い加藤氏は、宮澤氏に派閥の名誉会長就任を要請する意向だ。

旧渡辺派の山崎拓前政調会長も来年秋の自民党総裁選出馬を視野に派閥独立の意向を固めており、自民党内の世代交代の動きと総裁選に向けた主導権争いが激化しそうだ。

宮澤氏は小里氏との会談で「なるべく派閥を割らないようにしてほしい。また、(自由党との)自自連立の動きに対しての姿勢を考えておいてほしい」と述べ、同派内の河野洋平元総裁支持グループとの調整を図ることや、自自連立への流れが強まる党内で執行部との摩擦が生じないよう留意することを派閥継承の条件に挙げた。

会談は、宮澤派内で高まる加藤氏への代替わりを求める声を受け小里氏が宮澤氏に会長交代の時期を明確にするよう要請する目的で行われた。加藤氏は派閥継承と総裁選出馬をにらんで年内にも公表する方針だ。《共同通信》

【自民党】全国幹事長会議

自民党は26日昼、自由党との連立政権合意を説明するための全国幹事長会議を党本部で開いた。小渕恵三首相(党総裁)はあいさつで「自由党とは安全保障の問題でも、そう大きな隔たりはない。国家国民に責任を果たしていくため、小異を捨て大同につくことを最終的に総裁として決断した」と説明、理解を求めた。

各都道府県からは「不倶戴天の敵である自由党との連立は信じ難いことだ。一部で集団離党の動きもある」(岩手)など異論も出て、連立合意が地方組織に不安や動揺を与えている実態が浮き彫りとなった。

特に、焦点の選挙協力では「自由党王国の中で選挙を戦ってきた。支持者の理解は得られないので、選挙協力には反対だ」(和歌山)など反対論が相次いだ。森喜朗幹事長は「選挙協力の話を今すぐ(自由党と)する予定はない。地域の実情を大事にしないといけない」と述べ、選挙区事情に配慮する姿勢を示した。

消費税率引き下げなど自由党要求を政策協議で「丸のみ」するのではとの懸念に対し、池田行彦政調会長は「合意事項をそのまま受け入れたものではない。そう簡単に自民党の基本原則は変えない」と表明。森氏も「党首が基本的方向で一致したもので、これから両党で論議する」と述べた。《共同通信》

【Jリーグ】1部参入決定戦

来季からの1、2部制移行に伴うJリーグの1部(J1)参入決定戦第2戦が26日行われ、ヴィッセル神戸とジェフ市原が連勝し、J1参入を決めた。敗れたコンサドーレ札幌とアビスパ福岡は、12月2、5の両日、残るチームの座を懸け参入決定戦を戦う。神戸は、立ち上がりから守備を厚くした試合運びでピンチをしのぎ、後半3分、トーマスのヘディングシュートで先制。終了間際には和多田が加点し、2−0で札幌を突き放した。市原は後半、鈴木隆、酒井のゴールで2点のリードを奪い、福岡の反撃を1点に抑え逃げ切った。《共同通信》

【片山隼くん死亡事故】運転手を起訴

昨年11月に起きた東京都世田谷区の小学2年生、片山隼君=当時(8つ)=の交通死亡事故で、現行犯逮捕後に不起訴処分にした運転手(33)について、東京地検は「再捜査の結果、新たな目撃情報を得た」として26日、業務上過失致死罪で在宅のまま起訴した。道交法違反(ひき逃げ)については、あらためて不起訴とした。

事故から1年を経て、一転起訴という異例の展開となった。東京地検の斉田国太郎次席検事は「結果的に捜査が不十分だった。不起訴処分は誤りだったと言わざるを得ない」と述べた。また地検担当部の幹部が隼君の両親に謝罪したという。《共同通信》



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