平成2370日目
1995/07/05
この日のできごと(何の日)
【福田赳夫元首相】死去
元首相の福田赳夫氏が5日午後0時6分、慢性肺気腫のため東京都港区の病院で死去した。90歳。群馬県出身。
福田氏は昭和51年12月、故三木武夫元首相の後を受けて第67代首相に就任、約2年間の在任中に日中平和友好条約を締結、新東京国際空港開港などの懸案を処理した。
自民党にあっては「党風刷新連盟」以来「40日抗争」に至るまで、反主流勢力の中心的存在であり続けた。特に田中元首相との間で十数年間続いた「角福戦争」は、その間の政局を揺り動かす最大の基軸となり、「おん念の対決」として戦後政治史に刻み込まれている。
61年に派閥を故安倍晋太郎氏に禅譲、衆院当選14回後、平成2年の総選挙に出馬せず、引退した。その後も名誉会長格として旧安倍派・旧三塚派に影響力を持ち続けた。
戦争直後の昭和23年、大蔵省主計局長当時、昭電疑獄に連座(のちに無罪確定)したが、27年に衆院旧群馬3区で初当選。岸政権で自民党政調会長、幹事長、農相などを歴任。池田政権下では党風刷新連盟を拠点に反池田を押し通したが佐藤政権で再び蔵相、幹事長、外相と重用された。
47年夏の総裁選挙で、田中角栄元首相と激闘を演じ、敗北した。田中内閣で蔵相となったが田中金脈問題発覚後に蔵相を辞任。三木内閣に対しても「三木おろし」に加わり故大平正芳元首相との提携で51年に政権の座に就いた。
53年に実施された初めての予備選挙方式の総裁公選で、田中元首相の支援を受けた故大平氏に大敗、「天の声にも変な声がある」と無念の言葉を残して退陣。これ以降、一段と角福のおん念は強まり「40日抗争」に発展した。
「昭和の水戸黄門」を自称し、派閥禅譲後は、各国の大統領、首相経験者の集まりであるOBサミット名誉議長として世界平和の問題や国際的な人口問題に力を入れていた。ことし5月の東京での会合出席が最後となった。ことし3月には「回顧90年」を出版した。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【フジ系連続ドラマ・王様のレストラン】最終回
【本田技研工業】新型エンジン、変速機を開発
本田技研工業は5日、低燃費で高出力の新型エンジン「3ステージVTECHンジン」(1500cc)と自動変速機「マルチマチック」を開発した、と発表した。
双方を装備した場合、従来タイプのエンジンと比べて出力で約4割、燃費で約2割向上。軽自動車並みの1リットル当たり17.2キロの低燃費を実現したという。本田は、今秋発売する新型車に新エンジンなどを搭載するが、価格は従来車と同水準に据え置く計画。今後本田の約3割の乗用車などに新エンジンを順次搭載していく。
新エンジンは、吸気バルブの開閉するタイミングや度合いを変えることにより、燃料の吸入量を自動的に調整。低速、中速、高速の3段階の走行状態で低燃費・高出力を可能にした。
新しい自動変速機は、燃費の向上などにつながる無段変速機タイプを採用。発進時や変速時のスムーズな走行を実現した。《共同通信》
【テニス・松岡修造選手】ウィンブルドン4強ならず
テニスのウィンブルドン選手権第9日は5日、ウィンブルドン(英国)で男子シングルス準々決勝などを行い、四大大会の男子シングルスで日本選手62年ぶりにベスト8入りした松岡修造(富士ゼロックス)は7−6、3−6、4−6、2−6で大会3連覇を狙う第2シードのピート・サンプラス(米国)に敗れ、準決勝進出はならなかった。
このほか、第1シードのアンドレ・アガシ(米国)はノーシードから勝ち上がったヤッコ・エルティング(オランダ)をストレートで下し、優勝した1992年以来3年ぶりのベスト4入りを果たした。《共同通信》
【日本ハム・西崎幸広投手】ノーヒットノーラン達成
西武0−1日本ハム◇5日◇東京ドーム
日本ハムの西崎幸広投手(31)が5日、プロ野球60人目(71度目)のノーヒットノーランを達成した。東京ドームで行われた西武14回戦に先発した西崎は制球が抜群で、伸びのある速球と切れ味鋭い変化球を武器に12三振を奪い西武打線をほんろうした。許した走者は1人で一回二死からジャクソンに四球を与えた。アウトの内訳は三振12、内野ゴロ8、内野飛球1、外野飛球6。打者28人、投球数119だった。
ノーヒットノーランは1994年5月18日の巨人・槙原寛己=完全試合=以来1年ぶり。パ・リーグでは5年ぶり、22人目23度目)。85年6月9日の田中幸雄、90年4月25日の柴田保光に続き日本ハムの投手が3人連続で、71年(当時東映)の高橋善正=完全試合=を含め4人目。西武が記録達成を許したのは初めて。《共同通信》
【大相撲名古屋場所】4日目
大相撲名古屋場所4日目(5日・愛知県体育館)2横綱、3大関がそろって白星。横綱貴乃花は、元気な剣晃を押し出して4戦全勝。前日初黒星を喫した横綱曙は本来の突き、押し相撲で栃乃和歌を一方的に突き出し、連敗を免れ3勝目を挙げた。大関陣は、武蔵丸が三杉里を寄り倒して4連勝。若乃花は小結琴の若を右下手投げで下し、貴ノ浪は北勝鬨を寄り切り、ともに連敗を免れた。両関脇は白星で、武双山が3勝1敗、魁皇が2連敗から五分に戻した。この日の結果、幕内の全勝は貴乃花、武蔵丸に平幕の旭豊の3人となった。《共同通信》
【村山富市首相】南ア・マンデラ首相と会談
村山首相と南アフリカのネルソン・マンデラ大統領との首脳会談が5日午前、東京・元赤坂の迎賓館で約1時間半行われた。
村山首相は「南アの安定と発展はアフリカ全体の発展に不可欠だ。南アの努力をできる限り支援していきたい」と述べ、積極的に支援していく姿勢を強調。両国間の経済交流、相互理解を深めていく考えを強調した。
また、首相は南アの黒人貧困層の生活改善を主な目的とした「復興開発計画」への支援策として、浄水場などの水供給施設整備、都市交通網近代化の2つのプロジェクトに対し総額1億1000万ドルの円借款などを供与する意向を伝えた。
大統領は、日本側の経済支援を評価するとともに、同国の人的資源の開発、技術革新の面について、日本への期待を表明した。《読売新聞》
【政界談話室】
○・・・村山富市首相は5日、参院選公示を前に、記者団から「心と体は万全か」と聞かれ「(準備は)しっかりできている。後は一生懸命やるだけだ」と胸を張った。しかし記者団が、社会党が大勝した6年前の参院選に触れ「土井たか子委員長の下ではマドンナ族風が吹いたが…」と水を向けると、首相は「ああいうような風にないね」と一転して弱気に。「非常に厳しい状況下で社会党の役割をしっかり訴え、国民に理解し支持してもらう。これ以外にないね」。首相自ら掲げた22議席の目標達成は絶望的との見方が強いだけに、首相の声も梅雨空のように湿りがち。
○・・・自民党の森喜朗幹事長は首この日、福田赳夫元首相死去の一報を自民党本部で聞き「大変残念だ」と絶句。福田改造内閣では官房副長官に就任、福田氏の右腕として働くなど「師弟関係」にあっただけにショックを隠し切れない様子。「たまたま私が(党改革を推進する)幹事長の時に亡くなったのは残念。自民党を再生するため、派閥解消などを率先して訴えられた」と元首相の功績を強調しながら「福田さんの指導で今日までやってきた」としんみり。最後には「遺志を体して党再建に取り組みたい」と決意を新たにしていた。《共同通信》
【日銀・松下康雄総裁】景気回復は「足踏み」
松下日銀総裁は5日の記者会見で国内景気の現状について「景気回復の力は引き続き働いているものの、足元については回復は足踏み気味になっている」と述べ、平成6年秋以降「緩やかに回復している」としてきた基本的な判断を後退させた。
円高や株安が長期化している上、米国経済の減速傾向で悪影響が広がり、景気認識の下方修正に追い込まれた。今後の金融政策については「設備投資など好転が期待できるものもあって先行きを注視すべき時期にあり、公定歩合の引き下げが必要かどうか検討に入る状況ではない」と利下げに慎重な姿勢を示した。
政府も今月中旬の月例経済報告で示す景気判断を厳しい方向に修正する見通し。政府が「5年の第4・4半期以降続いてきた」とする景気回復局面が、2年足らずの短命で終わる可能性も出てきた。
総裁は景気回復が足踏みとなっている理由として「(4日までの)支店長会議で夏にかけ生産が一服気味で推移するとの報告があった」と説明。この背景には①非製造業や中小企業の設備投資の伸び悩み②住宅投資、公共投資の一服感③円高を受けた輸出の勢いの純化―など最終需要の不調があるとした。
景気を回復軌道に戻す方法として「規制緩和などにより構造問題の解決を図り、市場経済の力を引き出すことが重要」と指摘、金融緩和策以外の構造調整の必要性を強調した。《共同通信》
【オウム真理教・麻原彰晃被告】薬事法違反で再逮捕
オウム真理教が自白剤としても使われる麻酔薬「チオペンタール」を密造していた事件で、警視庁薬物対策課などは5日、密造を指示したなどとして薬事法違反の疑いで教祖の麻原彰晃被告(40)を再逮捕した。 麻原被告は、地下鉄サリン事件の殺人罪などで起訴された後、教団付属医院の薬剤師だったOさん=当時(29)=に対するリンチ殺人事件の殺人罪で5日、追起訴された。
教団は、目黒公証役場事務長Kさん(68)拉致事件で、Kさんにチオペンタールを投与、死亡させたのをはじめ、脱会信者の連れ戻しや“宗教儀式”で、密造した薬物を使用した疑いが持たれている。麻原被告の再逮捕で、警視庁はこうした教団の薬物密造、使用の全容解明を急ぐ。 麻原被告は、調べに対し黙秘している。
調べによると、麻原被告は教団「厚生省大臣」遠藤誠一被告(35)らと共謀。昨年10月から今年2月、山梨県上九一色村の教団施設で「厚生省」所属のT被告(40)=薬事法違反で起訴=らにチオペンタール約1.7キロを密造させた疑い。麻原被告は昨年9月ごろ、薬物密造を指示したとみられる。
教団施設「第2サティアン」からは、チオペンタール以外にLSD、メスカリンなど合成麻薬や覚せい剤など約10種類の密造薬物が見つかっており、警視庁はこれらの薬物についても麻原被告が密造を指示したとみて、覚せい剤取締法違反などの疑いでも追及する。
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警視庁が5日、薬事法違反容疑で麻原被告を再逮捕したのは、長野県警と合同捜査本部を組んだ松本サリン事件や目黒公証役場事務長拉致事件で、麻原被告の関与を決定付ける供述が得られていないため、関与の疑いが濃厚な事件に着手し、同被告の取り調べを徹底しようとの狙いがあるとみられる。
松本事件では来週にも殺人容疑で教団幹部を再逮捕するが、警視庁は薬事法違反容疑による麻原被告の取り調べを続け、松本事件などでの刑事責任追及を検討する。今後、捜査の重点を松本事件に移し、目黒公証役場事務長拉致事件の捜査を同時並行で行うのが警視庁の方針。
チオペンタールは目黒公証役場事務長拉致事件で自白剤として使われたとみられる一方、薬物密造がサリンなど毒ガス製造に発展したとされることなどから、薬物密造の解明は今後の捜査につながると警視庁は位置付けている。《共同通信》