平成3162日目

平成9年9月4日(木)

1997/09/04

【橋本龍太郎首相】中国・李鵬首相と会談

橋本龍太郎首相は4日午後、政府専用機で北京に到着し、夕方から人民大会堂で李鵬首相と2時間余り会談した。

懸案の日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の見直し問題で、橋本首相は(1)日本周辺有事は中国を含め特定の地域を前提にしていない(2)「台湾は中国の一部」とする日中共同声明を堅持する(3)(中台の)武力紛争は考えていない–などの見解を説明。

李鵬首相は「完全に同意する。その方向で進めていけば日中関係は順調に発展する」と基本的に了承する考えを示した。ただ「台湾を(周辺有事の範囲に)含むとすれば受け入れられない」と強くけん制。日米の見直し作業が終了後に「説明を聞いて判断したい」と最終評価を先送りした。

両首脳は日中両国が国交正常化25周年を機に両国の対話と協力を発展させるため毎年、首脳同士の定期相互訪問を行うほか、制服組を含むハイレベルな定期的防衛交流と安全保障対話の推進や、環境分野での協力拡大などで合意した。また、中国の世界貿易機関(WTO)加盟条件に関する協議の実質的進展を確認した。《共同通信》



【オウム・早川紀代秀被告】無性に悲しくなった

オウム真理教松本智津夫被告(42)=教祖名麻原彰晃=の第47回公判が4日、東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれ、元幹部早川紀代秀被告(48)は前回出廷した際、松本被告が退廷させられるのを見て泣いた心境について「無性に悲しくなり、自分でもよく分からないが、自然に涙が出た」と語った。松本被告への帰依については「全面的に信じているかと言えば、疑念がある。現在も混乱している」と述べた。

また、松本被告が坂本堤弁護士の殺害を指示した際「いまの世の中は汚れている。ヴァジラヤーナ(秘密金剛乗)を取り入れないと、救済は間に合わない」と述べていたと証言。検察側冒頭陳述によるとヴァジラヤーナは殺人を容認する教義とされる。

早川被告は坂本弁護士事件の検察側証人で、2月の主尋問では松本被告の犯行指示などを証言。この日は国選弁護団の反対尋問に答えた。《共同通信》

【エルサレム】自爆テロで6人死亡

エルサレム中心部の繁華街ベン・エフダ通りで4日午後2時(日本時間同9時)ごろ、イスラム過激組織のメンバーによるとみられる自爆テロが3件連続して起きた。イスラエル・テレビによると、自爆テロ犯3人を含む少なくとも6人が死亡、150以上が負傷した。

テロ発生直後、イスラム原理主義組織ハマスから外国通信社に犯行声明があり、イスラエル政府が14日までにメンバー14人の身柄を釈放しない限り、再び爆弾テロを実行すると予告した。

オルブライト米国務長官は9日から就任後初の中東歴訪を予定しているが、今回のテロ事件で、混迷の度を深める中東和平は、さらに泥沼化することが必至となった。イスラエルのネタニヤフ首相は4日、治安担当責任者を緊急招集、対策を話し合った。《共同通信》

【IOC・サマランチ会長】4選

国際オリンピック委員会(IOC)のフアン・アントニオ・サマランチ会長(77)=スペインの4選が4日、決まった。IOCは同日、役員改選の立候補受け付けを締め切り、会長選にはサマランチ氏人だけが立候補した。このためIOCは6日の総会での役員改選の予定を繰り上げ、同日の総会で、サマラニンチ会長の無投票での4選を承認した。

副会長選、理事選の候補者も1人だけで、副会長には理事のアニタ・デフランツ女史(44)=米国=の昇格、理事には金雲竜委員(66)=韓国=の復帰が決まった。デフランツ女史はIOC初の女性副会長となった。サマランチ会長は1980年のモスクワ五輪時の総会で初当選した。95年総会で、IOC委員の定年が75歳から80歳に延長されたため、4選が可能となった。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は4日、中国に向かう政府専用機内で記者団と懇談し、「公用、私用合わせて何回か分からないくらい訪れたが、ある意味では初めて行くのと同じくらい緊張している」と、首脳会談を前にした心境を吐露。日中の新漁業協定が3日合意されたことに「少しほっとしている」と表情を緩めたが、記者団から「日米防衛協力の指針(ガイドライン)」見直しに関する中国への対応について聞かれると「ここで話せる種類の話ではない。手を縛らないでいただきたい」と一転して厳しい表情に。中国側の警戒感が強いだけに神経質な様子がありあり。

○・・・新進党の小沢一郎党首はこの日、横浜市で開かれたゼンセン同盟大会であいさつし、「いろいろ党内で議論すると、党が分裂していると報道され、議論しないと気力がないと言われる。どうやってもなんだかんだ言われる」とマスコミ批判。政治家と支持者の関係に触れ「皆さんも有力な支持者だが、カネと票を出したら、信頼して任せていただきたい」「いちいち支持者に相談して文句を言われたら、ろくな政治家にならない」と述べると、会場から苦笑い。連携を模索してきた自民保保派が執行部人事で苦境に立ち、支持労組に八つ当たり?《共同通信》

【台湾・李登輝総統】中南米歴訪

台湾の李登輝総統は4日夜、中南米4カ国歴訪に向け台北を出発した。ハワイへの立ち寄りも含め日程は16日間。総統の外遊は、対中関係の悪化を招いた1995年6月の訪米以来で、台湾の外交活動に神経をとがらせる中国の反発が予想される。

訪問先は公式発表ではパナマ、ホンジュラス、エルサルバドル、パラグアイの4カ国。パナマではパナマ運河の将来像を話し合う国際会議に出席、エルサルバドルで中米6カ国との首脳会議に参加する。

中南米は台湾が外交関係を持つ30カ国のうち約半数が集中しており、総統は経済援助をてこに各国との関係強化を図る。総統には章孝厳・行政院副院長(副首相)ら主要閣僚が随行する。米政府はマスコミと接触しないことなどを条件に総統のハワイ立ち寄りを認めた。

台湾での報道によると、ハワイでは1936年の西安事件の立役者、張学良氏を訪れる予定。台湾のあらゆる外交活動に強く反対する中国は、総統歴訪に抗議、関係各国、国際機関に強い圧力をかけ続けた。パナマ運河国際会議には当初、フランス首脳や国連機関も参加予定だったが、中国の反対で出席を見合わせた。

中国は今月1日、台湾と外交関係のあった中米セントルシアとの国交樹立にこぎ着け、台湾は同国との断交に追い込まれている。だが、台湾指導部は「実務外交は顕著な成果を上げつつある」(連戦・副総統)と一歩も引かない構えで、総統訪問によって中国の圧力をはね返したい考えた。《共同通信》



9月4日のできごと