平成2930日目

1997/01/15

この日のできごと(何の日)

【ナホトカ号重油流出事故】

ロシア大使、三国を視察

タンカー重油流出事故で、ロシアのパノフ駐日大使は15日午後、タンカーの船首部分が座礁し、大量の重油が漂着した福井県三国町の海岸を視察し「大きな損害だ。ロシアは重油の収作業に参加する用意がある」と語った。

これに先立ち、福井県庁で栗田幸雄知事と会談したパノフ大使は「福井県の皆さんに経済」的、精神的な損害を与え、おわびしたい」と陳謝した。

漂着現場を約30分間視察したパノフ大使は「貝やカニへの被害はどうか」「作業はどれくらい時間がかかるか」と案内役の浜田武一・三国町助役に次々と質問。真っ黒な重油を回収していた人から「おまえも仕事をしろ」と話め寄られる一幕もあったが「その気持ちは分かる」と言葉は少はなかった。

栗田知事との会談では「ロシア政府としても責任がある」と述べたが、日本に賠償金を拠出するかどうかについては明言しなかった。栗田知事が「船主が責任全うするよう指導し、二度とこういう事故が起きないよう徹底的な対策を取ってほしい」と述べたのに対し、パノフ大使は「日本とは協定を結び、事故が起きた場合に緊密に連携できるようにしたい」と語った。

パノフ大使は福井県庁で記者会見し、ロシア政府の対応が遅いとの質問に「ロシアはすでに30万ドルを拠出して油回収船2隻を出したが、派遣前の準備に時間がかかった」と語り、船主に対し、ロシアの検察当局が調べを進めていることを明らかにした。《北國新聞》

輪島〜珠洲に漂着

島根県沖の日本海で沈没したロシア船籍タンカー「ナホトカ」(13,157トン)の重油流出事故で、能登半島北側沿岸の海域を東進していた漂流重油が15日、輪島市上大沢から珠洲市大谷にかけての海岸に漂着した。同日は石川県内灘町から高松町にかけての海岸でも油粒が確認され、重油漂着の被害は県内12市町に広がった。

第九管区海上保安本部は、珠洲市沖を漂流中の油帯は16日には能登半島先端の禄剛崎沖を越え、富山、新潟方面に向かう可能性が大きいとみて、巡視船を10隻増強して警戒を強めている。

輪島市上大沢の海岸では、15日午前0時45分ごろ、輪島署員が長さ5−10メートル、幅15−20センチの油塊が漂着しているのを見つけた。同日午後には千枚田で知られる景勝の白米海岸や、珠洲市の片岩町から大谷川河口にかけた約3キロの海岸線にも漂着した。同市長橋地区では長さ600メートル、幅20メートルにわたり厚さ10−20センチの油塊が打ち上げられた。

一帯の岩場は岩ノリやカジメ、モズクなどの海藻類やサザエの宝庫として知られ、漁業被害への懸念が広がっている。同市仁江の観光地・奥能登塩田村には被害はなかった。一方、国の天然記念物「カンムリウミスズメの繁殖地がある輪島市七ツ島でも、県警ヘリによって油塊の漂着が確認された。《北國新聞》

流出重油は5000キロリットル超

タンカー重油流出事故で、海上保安庁は15日、座礁した船首部分の潜水調査の結果、新たにタンクに亀裂が入っていたことが確認された、と発表した。このタンクには約1280キロリットルの重油が入っており、これまでに判明した分と合わせ、流出した重油の総量は少なくとも5000キロリットルに上るという。

船首部分が座礁した福井県三国町では、北風と約4メートルのうねりに見舞われ、重油抜き取りに向けた作業をこの日は中止した。詰め掛けたボランティアや地元漁民らによる漂着重油の回収作業も見送られた。

一方、第八管区海上保安本部(京都府舞鶴市)によると、島根県・隠岐島沖のタンカー沈没地点近くでは、依然、船体から漏れた重油が浮上している。15日午後には、約1キロの範囲に直径5−10メートルの油膜が幾つもあり、南西方向に約20キロにわたって油の帯が続いている。八管本部は新たに測量船1隻を現場調査に派遣した。

日本に向かっていたロシアの油回収船「ネフチェガス5」は、荒天のため予定より一日遅れて函館港に寄港。海上保安庁の通訳を乗船させ、18日にも現場海域に入る予定。《共同通信》

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【全国大学ラグビー】明大、V2

ラグビーの第33回全国大学選手権最終日は15日、東京・国立競技場で前回と同じ顔合わせの決勝、早大−明大を行い、明大が32−22で勝ち、2年連続優勝を飾るとともに、自らの最多優勝回数を12度に伸ばした。明大は2月11日の日本選手権(同競技場)で社会人の優勝チームと日本一を懸けて対戦する。

明大は前半、2PGを取り合った後の20分以降に強力FWが地力を発揮、3トライを挙げるなど19点差と大きくリード。後半は動きが鈍り、早大の猛反撃に3点差まで追い上げられたが、終了間際に認定トライ(ゴール)を奪って突き放した。《共同通信》

【大相撲初場所】4日目

大相撲初場所4日目(15日・両国国技館)横綱貴乃花と大関貴ノ浪に土がつく波乱。初日からの横綱、大関白星そろい踏みは3日間でストップした。

貴乃花は土佐ノ海のタイミングのいい引き落としに不覚を取った。土佐ノ海は3個目の金星。貴ノ浪は苦手の剣晃に寄り切られた。横綱曙は小結武双山を押し出して4戦全勝。横綱を目指す大関武蔵丸は貴闘力を落ち着いて送り出し、若乃花は速攻で玉春日を寄り倒してともに全勝をキープした。

大関昇進をかける関脇魁皇は小結安芸乃島を下手投げで破り3勝目。関脇琴錦は元気なく初日から4連敗となった。幕内の全勝は曙、若乃花、武蔵丸の3人。《共同通信》

【池田行彦外相】訪韓

池田行彦外相は15日、日帰りで韓国を訪問、ソウル市内で金泳三大統領、柳宗夏外相と個別に会談した。韓国側は元従軍慰安婦への償い金支給を中止するよう公式に要求したほか、大統領は自民党の江藤隆美元総務庁長官の植民地支配をめぐる発言を強く批判、25日の日韓首脳会談(大分県別府)の下準備を目的とした外相訪韓は思惑違いの展開となった。

金大統領は日本の「女性のためのアジア平和国民基金」が11日、韓国人の元従軍慰安婦7人に償い金200万円の支給を開始したことについて「韓国民に望ましくない影響を与え、遺憾だ。このような措置を再び取ることのないよう願う」と強調。柳外相も事業の中止を強く迫った。

これに対し、池田外相は「基金の決定は(元慰安婦)当人の意思を尊重し、人道的観点から決定したもので、撤回できない」と理解を求めた上で、同問題について政府間で協議する考えを伝えた。元慰安婦問題は政府間では決着済みというのが韓国政府の立場だが、償い金支給に対する韓国内の強い反発を考慮し、日本側に強い姿勢を示したものとみられる。

一方、江藤氏の韓国併合と町村合併を同一視した発言について、金大統領は「この発言は残念だ。このような発言が繰り返される。ことを阻止してほしい」と不快感を示した。池田外相は「日本政府の立場を表す発言ではない」と釈明した。

池田外相は柳外相に対し、韓国との連携を維持しながら1992年11月以降中断している日朝国交正常化交渉再開を模索する意向を表明。竹島の領有権問題での歩み寄りは見られなかったが、二国間関係に悪影響を及ぼさないよう漁業協定交渉などは切り離して処理すべきだとの認識で一致した。両国の民間有識人による歴史共同研究開始を後押しすることも確認した。《共同通信》

【イスラエル・ネタニヤフ政権】和平交渉で初の進展

ネタニヤフ・イスラエル首相とアラファト・パレスチナ解放機構(PLO)議長は15日未明(日本時間同日午前)、パレスチナ自治区ガザのエレツ検問所で2時間近く会談し、ヨルダン川西岸ヘブロンからのイスラエル軍部分撤退交渉で最終合意した。続いて双方の実務交渉代表が、撤退協定に仮調印した。

昨年6月に右派・ユダヤ教勢力のネタニヤフ政権が、和平推進派のペレス前政権を倒して発足して以来、和平交渉で初の大きな進展。西岸の主要都市で唯一イスラエル軍の占領が続いていたヘブロンからの部分撤退は、当初の予定より約10カ月遅れで実施されることになった。しかし、イスラエルとパレスチナの和平方針の隔たりと相互不信は大きく、今後の和平交渉は難航必至。

共同通信が入手した撤退協定によると、協定は昨年3月のヘブロン撤退などを定めたパレスチナ自治拡大協定(1995年9月調印)の付属文書の形を取る9ページの議定書と、合意履行を米国が保証する2ページの覚書などから成り、①ユダヤ人入植地などを除くヘブロンの約80%からの軍部分撤退②西岸の大半をためる「非居住地域」からの三段階撤退―などを規定した。

合意に伴い、クリストファー米国務長官がネタニヤフ首相にあてた手紙の中では、三段階撤退は、98年半ばまでに入植地とイスラエル軍地域を除く地域で完了することを求めている。しかし、撤退の範囲をめぐり今後も厳しい交渉が続きそうだ。また、昨年5月の開始直後に中断したエルサレムや入植地の将来などを協議する恒久的地位交渉は、ヘブロン撤退完了後、2カ月以内に再開することが決まった。《共同通信》

【在ペルー日本大使公邸占拠事件】

ゲリラ側が「保証委員会」受け入れへ

日本大使公邸人質事件で、公邸を占拠する極左ゲリラ、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)は15日朝(日本時間15日夜)、地元のアメリカ・テレビと無線交信し、「政府の提案した直接交渉再開のための保証委員会設置を受け入れた」と伝えた。

ゲリラ側が委員会設置で歩み寄りを見せたことで、人質の新たな解放も含め事件は直接交渉の再開に向け大きく動き出した。

無線交信を傍受したAP通信などによると、ゲリラ側は無線で「保証委員会のメンバーとしてカトリック教会のシプリアニ司教と赤十字国際委員会の受け入れ、後に中米グアテマラと欧州の一カ国が加わることを求める」と伝えた。

また、MRTAメンバーは無線で「人質を処刑する考えはないし、最後通告を突き付けることも考えていない」と表明した。

MRTAは15日午前8時半(日本時間15日午後10時半)前、公邸の窓に「カーナル4(アメリカ・テレビ)、周波数144000」と大書した紙を掲げ、テレビ局側との交信を求めていた。アメリカ・テレビは直ちに無線で交信を開始、ゲリラの一人と話した。

ペルー政府は交信の事実について確認を急いでいるが、同日朝にも交渉役のミニグ赤十字国際委員会ペルー事務所代表が公邸に入り、MRTAに直接確かめる意向だ。確認できれば、直ちに開催場所の選定作業などを開始することになる。

政府は12日、昨年12月28日以来、中断したままのゲリラ側との直接交渉を再開するため、交渉のテーブルに着く顔触れをシプリアニ司教、赤十字国際委員会のメンバーと「対話者」(ペルー政府とゲリラ代表)と具体的に示した上、で「保証委員会」設置を提案した。《共同通信》

ペルー政府、対応を検討

ペルーの日本大使公邸人質事件で、極左ゲリラ、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)の武装グループが直接交渉再開に向けた「保証委員会」設置を受け入れたことで、ペルー政府は15日夜(日本時間16日午前)、緊急閣議を開き、MRTAからの回答を詳細に分析し、同意すべきかどうかなどについて検討した。

閣議に先立ち、カスティジョ・ペルー国防相は歓迎を表明。仲介役のシプリアニ司教も「大変喜ばしい」とMRTAの歩み寄りを評価した。ゲリラ側は保証委員会構成メンバーの追加などを求めているが、政府が同意すれば直接交渉が再開され、事件は平和的解決に向け大きく踏み出す。

ペルー政府の交渉担当者であるパレルモ教育相は同日夜、国営テレビを通じて、MRTAの回答を公表し、MRTAが保証委設置を受け入れたことを確認した。《共同通信》



1月15日 その日のできごと(何の日)