平成2929日目
1997/01/14
この日のできごと(何の日)
【長谷川滋利投手】エンゼルス入団会見
米大リーグ、エンゼルスと大リーグ契約を交わしたオリックスの長谷川滋利投手は14日、アナハイムで記者会見に臨み「勝てるだけ勝ちたい。目標は無限大だ。日本のファンに大リーグを見る楽しみが増えたと言ってもらえるようにしたい」とあこがれの大リーグのマウンドに立つ心意気を披露した。
長谷川は数年前から大リーグでのプレーを希望してオリックスと話し合いを重ね、ようやく夢を実現させた。今回の移籍は金銭トレニードで、オリックスへの譲渡金、長谷川との契約金、年俸は併せて200万ドル(約2億3500万円)とみられている。
現役の日本選手大リーガーは野茂英雄投手(ドジャース)鈴木誠投手(マリナーズ)に次いで3人目で、いきなり大リーグ契約を結んだのは長谷川が初めて。大リーグでは今季からア、ナ両リーグの交流試合が実施されることになっており、リーグが違う野茂やパドレス入りが確実な伊良部秀輝投手(ロッテ)との対決も予想される。
記者会見にはエンゼルスのバベーシ・ゼネラルマネジャー、オリックスの井箟重慶球団代表らが出席。長谷川は日米の報道陣約60人を前に、英語で自己紹介し、時々通訳の手を借りることもあったが、英語で極力答えた。
今後は就労ビザを取得するために帰国し、2月14日のアリゾナ州テンピでのキャンプインに合わせて再渡米する予定。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【岐阜県御嵩町】住民投票条例可決
岐阜県御嵩町の臨時町議会は14日の本会議で、町民から直接請求のあった産業廃棄物処分場建設の是非問う住民投票条例案を12対5の賛成多数で可決した、来週早々にも公布、施行される。条例は「投票は施行から6カ月以内に実施する」としており、産廃処分場をめぐって全国で初めて住民投票が行われる見通し。
一般廃棄物を含め全国90カ所以上で処分場をめぐり紛争が続いているときれ、同様の問題を抱える自治体に少なからず影響後ぼしそうだ。産廃処分場をごる住民投票条例は高知県日高村で既に制定されているが、直接請求で制定されるのは初めて。条例は「町長は、予定地内の町有地売却などについて住民投票の結果の賛否いずれかの過半数の意思を尊重して行う」としている。
問題の処分場は、下流域500万人の水道水源となっている木曽川沿いに計画されていることから、水源汚染の可能性を指摘する反対運動が起きた。計画に慎重姿勢をみせていた柳川吾郎町長が昨年10月、二人組の男に襲撃されたことから、住民の間に産廃問題が事件の背景にあるのではとの見方が広がり、住民投票条例制定を求める機運が高まった。
住民グループは昨年12月、地方自治法に基づき条例制定を求める直接請求を行い、今月7日から条例案を審議する臨時町議会が開かれていた。《共同通信》
【プロ野球】近鉄、巨人がトレード発表
近鉄の石井浩郎内野手(32)と巨人の石毛博史投手(26)、吉岡佑弐内野手(25)の1対2の交換トレードが正式に成立し、14日、両球団から発表された。即答を避けていた石毛が、この日、東京・神田の球団事務所を訪れて受諾した。
今回のトレードは、契約交渉がこじれて退団を希望した石井の移籍先を近鉄が検討。獲得を申し入れた6球団のうち巨人とのトレードが13日に合意に達した。しかし、3人のうち巨人から通告を受けた石毛が態度を保留したため、発表を見合わせていた。《共同通信》
【大相撲初場所】3日目
大相撲初場所3日目(14日・両国国技館)横綱、大関陣はこの日も安泰。出場した横綱、大関がそろって3連勝したのは平成6年夏場所以来。横綱曙は元気者の旭鷲山を問題にせず寄り切り、横綱貴乃花も危なげなく剣晃を押し出した。綱とりを目指す大関武蔵丸はもろ差しから小結安芸乃島を送り出した。大関貴ノ浪は小手投げで小城錦を下し、大関若乃花は旭豊を寄り切った。大関昇進がかかる関脇魁皇は玉春日を押し倒し連敗を免れた。小結武双山は関脇琴錦を押し倒して初白星。琴錦は3連敗となった。《共同通信》
【ナホトカ号重油流出事故】
志賀原発付近に油粒
島根県沖の日本海で沈没したロシア船籍タンカー「ナホトカ」(13,157トン)の重油流出事故で、14日午後、石川県志賀町赤住の北陸電力志賀原子力発電所の取水口周辺にピンポン玉大の油粒が点在しているのが見つかった。北電は発電に支障はないとしているが、重油が二次冷却水に混入する最悪の事態を想定し、原子炉停止の対応も検討に入れた防御対策に全力を挙げている。
14日午後には歌仙貝で知られる増穂浦(富来町)や鳴き砂で有名な琴ケ浜(門前町)をはじめ、両町の周辺45キロの海岸でも重油漂着が確認され、岩ノリ採取の最盛期を迎えた外浦地区における水産物被害への懸念も深刻さを増している。しかし、同日の県沖は大荒れで、関係各機関による洋上の重油回収は進まなかった。
石川県災害対策本部によると、14日午後3時半ごろ、発電所から沖に突き出た物揚げ場、運搬道路の北側に油粒が点在しているのを警戒中の職員が見つけた。約1時間後には見えなくなったが、物揚げ場の西側には1平方メートル当たり1−3個程度のこぶし大の油粒が漂っているのも見つかった。
北電によると、志賀原発では原子炉内で発生した蒸気を水に戻すための二次冷却水として海水を利用しており、取水口は物揚げ場の下部の水面下3−6メートルに設けられている。取水口から重油が流入した場合、復水器内の細管内側に付着し、二次冷却水の循環が悪くなる。この結果、最悪、タービンが止まり、原子炉が自動停止する恐れもある。
志賀原子力総合事務所によると、志賀原発は現在、定期検査の最終段階で、同事務所は「油は少量であり、ただちに原子炉を停止する予定はないが、警戒には万全の態勢を取りたい」として、24時間態勢で職員が巡回している。取水口周辺に設置された五重のオイルフェンスは13日夜からの波浪と強風のため2カ所で破損、復旧のめどは立っていない。《共同通信》
陸から作業道を仮設へ
ロシア船籍タンカー「ナホトカ」の重油汚染事故で、三国町の海岸に座礁した船首について政府の対策本部は14日、現在地で油を抜き取る方法と、作業用道路を船首まで仮設する方法の二段構えで処理することを決めた。
県、地元漁協などの了承を得て同日、作業に着手した。船首の重油抜き取りは、海洋汚染防止法に基づき、海上保安庁長官の指示で実施するもので、同法を適用しての強制作業は17年ぶり。《福井新聞》
【政界談話室】
○・・・橋本龍太郎首相は14日(日本時間同)、滞在中のシンガポールのホテルで政策演説。質疑で両国の比較を求められて「シンガポールが日本に比べて小さいとは思わない。首相の背を比べてほしい」と指摘、約190センチという長身のゴー・チョクトン首相と自身を比べて聴衆の笑いを誘った。さらに「私の髪が少なくなってきたら、最初に発見するのは妻ではなく(背の高い)ゴー首相だ」と続けると会場は大爆笑。東南アジア歴訪の全日程をこなし、すっかりリラックスした表情だった。
○・・・新進党は同日の全議員会議で、党の基本政策案をめぐって2回目の討議をしたが、予想通りに議論百出。野田毅政審会長は「一から練り上げてきたものではないから」と述べながら「寄り合い所帯」の党運営の難しさをかみしめた様子。野田氏は政策案について「文化、スポーツ、司法、漁業について言及がない」と指摘する一方、自ちょう気味に「理念というのは哲学的なものではない」と漏らした。特に、国連多国籍軍への参加容認など党内意見が分かれるテーマが盛り込まれたこともあって、野田氏は「2月の党大会には政策を出さなくてはいけない。目指す方向については合意しておかないと」と全議員に理解と協力を懇願。《共同通信》
【新進党】多国籍軍参加を大筋了承
新進党は14日午後、所属国会議員による「全議員会議」を続行、国連決議に基づく多国籍軍への自衛隊の参加容認などを盛り込んだ基本政策案を大筋で了承した。これを受けて小沢一郎党首は通常国会の代表質問で新進党の基本姿勢として打ち出すとともに、具体的な法案化作業に着手する。
小沢氏は会議後の記者会見で「反対意見はあっても、政党として最大公約数をまとめるのは当然だ」と述べ、党内のおおかたの理解は得られたとの認識を強調した。しかし異論が相次いだ18兆円減税や多国籍軍参加問題で党内の足みが乱れたまま「基本的な方向性」を確認した形となっており、来月26日の党大会に向けた運動方針案の取りまとめや法案化作業で党内調整が難航するのは必至だ。
多国籍軍参加をめぐっては「憲法解釈上できることを総合的に勘案している」などの賛成意見に対し、細川護煕元首相が「憲法は外国での武力行使を禁じている」と反対論を展開。海部俊樹元首相も「武装部隊の派遣を初めから想定しないでほしい」と注文したほか、「時間をかけて議論すべきだ」「憲法改正を伴う重大なテーマだ」と慎重な対応を求める声が相次いだ。
小沢氏は国会決議が多国籍軍参加の前提であることを指摘、さらに国民投票で国民の意思を問うこともあり得るとして理解を求めた。
会議には約160人が出席し約6時間にわたって討議。小沢氏が採決を提案したのに対し、最終的に拍手で了承された。《共同通信》
【橋本龍太郎首相】ASEAN歴訪終了
東南アジア諸国連合(ASEAN)5カ国首脳会談を終えた橋本龍太郎首相は14日午前、シンガポール市内のホテルで「日・ASEAN新時代への改革より広くより深いパートナーシップ」と題してアジア太平洋政策に関する政策演説を行った。《共同通信》
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橋本龍太郎首相は14日、8日間にわたる東南アジア諸国連合(ASEAN)5カ国歴訪を終えた。ペルーの大使公邸人質事件の動きをにらみながらの訪問だったが、ASEAN重視の姿勢をアピールしたことで「首脳同士の信頼関係の構築」という目的はほぼ達成されたといえる。
首相は、ASEANとの関係を、経済中心から政治・安保など幅広い分野に拡一大することを目指し、定期首脳協議の開催にめどをつけたい意向だったが、一部の国から「時期尚早」と慎重論も出され、実現に向けて課題を残した。また行政改革など6つの改革は、半ば国際公約になった形だ。
一方、首相は過去の歴史認識にほとんど触れず、インドネシアのスハルト大統領との会談で「女性のためのアジア平和国民基金」を取り上げた程度。「二度と軍事大国にならない」と強調した93年の宮澤喜一首相、「反省とおわび」を基調とした94年の村山富市首相らと違いを見せ、未来志向に軸足を移した。
政治・安保対話の拡大では、ベトナムとの間で防衛担当者交流に向け合意したり、日米安保条約を「一種一の公共財」(シンガポールでの政策演説)と位置付けて警戒を解く努力を払うなど、安保重視の姿勢が目立った。人権問題では、ミャンマー問題に関し「ASEANへの加盟が圧制の隠れ蓑になってはならない」とミャンマー軍事政権をけん制したのに対し、東ティモール問題はインドネシアの情勢を見守る姿勢に終始、腰の定まらない対応を見せた。
首相は14日、シンガポールでの政策演説後、質問に答え「(国内改革は)地味な改革だ。長い戦いが続くかもしれないし、中央官僚から猛烈な反発があるだろう」と決意を示した。