平成2931日目

平成9年1月16日(木)

1997/01/16

【ナホトカ号重油流出事故】船首部分の重油抜き取り開始

島根県沖の日本海で沈没したロシア船籍タンカー「ナホトカ」(13,157トン)の重油流出事故で、福井県三国町沖で座礁した船首部からの重油抜き取り作業が16日から始まった。作業はロシアの船主側から委託を受けた民間会社が行い、順調に行けば一選間で作業を終える予定。

第九管区海上保安本部(新潟市)によると、、能登半島沖の選流重油の東端は禄剛崎沖を越え、対馬海流に乗って速度を上げながら佐渡島方向に向かっているが、海流や風向きによっては富山湾に流入する可能性があり、同本部は警戒を強めている。

第八管区海上保安本部(京都府舞湾市)などによると船首部からの重油装抜き取りは、7室に分かれた船首のタンクの一室ごとに約50センチ四方の穴をあけ、ボンプで順次吸い上げる方法。天候が安定しているため、徹夜態勢で作業を進めた。

金沢市の陸上自衛隊第十四普通科連隊は16日、谷本正憲知事から新たに災害派遣要請を受け、約150人が17日朝から珠洲市大谷町に漂着した重油の除去作業を行う。航空自衛隊輪島分屯地からも16日、隊員30人が輪島市の海岸に派遣された。

石川県志賀町赤住の北陸電力志賀原発では16日、新たに取水口のある物揚げ場に平行して設置されている防波堤の周囲で油膜の漂着が見つかり、職員が吸着マットで回収した。志賀原子力総合事務所は「油膜は海面に浮いており、海面下の取水口に入り込む可能性は小さい」とし取水制限などの措置は取らず、24時間態勢の監視を続けている。《北國新聞》

ロシア大使、石川県知事に陳謝

アレクサンドル・パノフ駐日ロシア大使は16日、石川県庁を訪れ、タンカー重油流出事故について谷本正憲知事と会談した。パノフ大使は、県内の沿岸各地が大きな被害を受けていることに「予想した以上に損害が大きく、おわびしたい」と陳謝するとともに、船に対しては損害賠償に万全を期すようロシア政府としても指導していく意向を示した。

谷本知事は珠洲市長橋海岸の重油漂着現場を映し出すモニター画面や地図を示しながら、「漁協関係者や市民が総出で作業に当たっているが、岩場の漂着重油は回収が難しい。漁を休んで回収作業を続けている漁民や、多くの労力を費やしている県民の心情を十分理解してほしい」と述べ、回収作業への協力と事故の原因究明、損害賠償での船主への指導を強く求めた。

これに対して、パノフ大使は、被害の大きさをロシア政府に報告するとした上で、賠償問題については「石川県をはじめとする各地の損害を計算してロシア側に伝えてほしい」と協力する姿勢を見せた。

漂流重油の回収に関しては「ロシアから2隻の回収船を向かわせているが、もう1隻配置する用意がある」と述べ、事故原因の究明についてもロシア側の情報を提供する考えを明らかにした。《北國新聞》



【大相撲初場所】5日目

大相撲初場所5日目(16日・両国国技館)横綱貴乃花と大関貴ノ浪が連敗する波乱。貴乃花は栃乃和歌のはたきで前に落ち、横綱になって初の連敗を喫した。栃乃和歌は4個目の金星。貴ノ浪は北勝鬨の左すくい投げに敗れた。横綱曙は旭豊を上手投げで下し、大関武蔵丸は関脇琴錦を決め出し、大関若乃花は旭鷲山を押し出し、それぞれ全勝をキープした。琴錦は5連敗。関脇魁皇は小結武双山を寄り切って4勝1敗。武双山は4敗目となった。この日の結果、幕内は全勝が曙、若乃花、武蔵丸の3人。十両は全勝が消え、出島、栃乃洋ら5人が4勝1敗で並んでいる。《共同通信》

【梶山静六官房長官】海上ヘリポート「シュワブ沖で合意」

梶山静六官房長官は16日夕の記者会見で、沖縄の米軍普天間飛行場返還に伴う海上ヘリポートの建設について「日米のおよその目安でキャンプ・シュワブ沖になっている」と述べ、日米両政府が同沖建設で基本合意していることを明らかにした。政府首脳が日米間のキャンプ・シュワブ沖建設合意を公式に認めたのは初めて。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・太陽党の畑英次郎幹事長は16日、鳩山邦夫民主党副代表と通常国会への対応について初協議し、開口一番「親戚以上にひとつよろしくお願いします」と笑顔で呼び掛け、握手を交わした。14日の西岡武夫新進党幹事長との会談では「新進党とは兄弟党だ。これをベースに協議を進めていきたい」ときずなをことさらに強調したばかり。「改革大連合」の実現に向けて新進、民主の橋渡し役をアピールしたい太陽党は、両党との等距離関係を築く方針だが、「親戚以上」「兄弟」と表現にも苦心の跡がありあり。

○・・・芦田甚之助連合会長はこの日、都内で開かれた拡大中央闘争委員会で「連合は消費税率引き上げの前提として、2兆円規模の特別減税の継続などを求めてきたが、無視され予算案が提出されようとしている」と政府を批判した。非自民連立政権の仕掛人といわれた山岸章前会長とは対照的に政治的発言を控えてきた芦田氏だが「自民党は絶対多数でなく、野党が足並みをそろえれば、予算案修正も可能。応じなければ内閣は総辞職せざるを得ない」とボルテージは上がる一方。突然の変身ぶりに会場からは、10月の会長選挙をにらんだ「再選意欲の表れ」との声も。《共同通信》

【在ペルー日本大使公邸占拠事件】

ゲリラ側、欧州亡命を希望

日本大使公邸人質事件で、ペルー政府は16日未明(日本時間同日夕)までに、極左ゲリラ、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)武装グループのリーダー、ネストル・セルバ容疑者らが欧州への亡命を希望していることを確認、日本政府にも伝えた。複数の外交筋が明らかにした。

日本政府の問い合わせに対し、ペルー政府は「欧州のどの国かセルパ(容疑者)自身決めていない」と回答。今後、ゲリラ側と直接対話を再開するか、赤十字国際委員会ペルー事務所のミニグ代表らを通じて複数の候補国を同容疑者に打診することになるとの見通しを示した。

このため日本政府は、セルパ容疑者の母と息子が亡命しているフランスなどを中心に非公式に接触し、協力を事前に要請する準備に入った。このほか、同容疑者がこれまでに解放された人質に「脱出先として関心がある」と語っていたスウェーデン、デンマークなどにも接触する方針。

セルパ容疑者は15日の声明で、保証委員会のメンバーに「ある欧州の国」とグアテマラの代表者を入れるよう要求。グアテマラは駐ペルー大使を充てる用意があることを既に表明したが、欧州については詳細が分からず注目されていた。

ペルー政府が日本側に説明したところによると、セルパ容疑者は欧州亡命を希望しているほか、昨年12月29日に反政府ゲリラと包括的和平協定を結んだグアテマラ政府に倣い、MRTAの合法化も最終的に求めることを含んで保証委のメンバー構成を示したとみられる。《共同通信》

ペルー政府、要求を拒否

ペルー政府は16日午後(日本時間17日朝)、日本大使公邸で七十四人の人質を取るトゥパク・アマール革命運動(MRTA)武装グループが求めていた保証委員会へのグアテマラ政府代表の参加を拒否すると発表した。

これに対し、邸内のMRTAリーダーのネストル・セルパ容疑者は同日夕、共同通信との無線交信で「グアテマラ政府は自らの意思で参加を表明していた。それを拒否する(ペルー)政府との合意は難しい」と態度を硬化させ、MRTA受刑者の釈放要求を繰り返した。 双方がかたくなな姿勢を崩していないことで、人質の新たな解放に結びつくと期待されている直接交渉再開がさらに遅れる見通しとなった。

セルパ容疑者は「解決は政府の意欲次第だ。教育相と話す」と述べ、交渉が決裂していないことも表明した。《共同通信》



1月16日のできごと