平成2604日目

平成8年2月24日(土)

1996/02/24

【薬害エイズ事件】

厚生省、ミドリ十字を検査

大詰めを迎えた薬害エイズ事件に関連し厚生省は23日、血液製剤のトップメーカー「ミドリ十字」(本社大阪市)にエイズウイルス(HIV)汚染の疑いのある非加熱血液製剤の回収状況などを確認するため、薬事法に基づく立ち入り検査を抜き打ちで実施した。

血友病患者のうち約2000人をHIV感染させるなどみぞうの被害を出した問題で、製薬会社に検査のメスが入ったのは初めて。《共同通信》

安部氏が“エイズ死”隠し

厚生省エイズ研究班長だった安部英氏(現帝京大副学長)が昭和58年10月18日、血友病専門医を集めた「家庭療法委員会」で非加熱製剤で治療した血友病患者がエイズで死亡したことを認めながら、この事実を公表せず、事実上「工イズ隠し」をしていたことが共同通信社が入手した録音テープで24日分かった。

日本のエイズ患者第1号はこの血友病患者だったにもかかわらず、同省が別の男性同性愛者を61年3月に第1号と認定したため、血友病患者らへのエイズ対策は大きく遅れ、感染被害が拡大したといえる。

この血友病患者は安部氏が担当した患者で、58年7月上旬、帝京大病院で亡くなった。直後の7月18日に第2回エイズ研究班会議でエイズ症例として検討されたが、免疫抑制の薬を使ったことを理由に疑似症例とされエイズ認定は見送られた。

1カ月後の同年8月、米疾病対策センター(CDC)のエイズ専門家2人が国際免疫学会出席のため来日。安部氏らを交えて同じ症例を検討したところ、CDCの専門家は「米国の診断基準ではエイズ」と明確にエイズ認定した。しかし、厚生省がこの患者をエイズと認定したのは、家庭療法委員会から1年7カ月後の60年5月だった。

家庭療法委員会は安部氏が主宰したもので、テープの中で安部氏は「実は私のケースがあります。あのケースはCDCでは(エイズと)認めておる」とCDCによるエイズ認定の事実に触れた。だが「私が委員長でなければですね、とうに発表しているんですけど」と公表の意思のないことを明らかにした。 安部氏は研究班長の立場から、この患者が班内の検討会でエイズ認定を見送られたことに配慮したとみられる。

また安部氏はテープの中で「私どもが患者さんのためどんな対策がとれるか研究のチャンスにしたい」と発言したが、実際は研究班などで非加熱製剤による治療継続を強調、血友病患者の積極的なエイズ対策を取らなかった。

CDC専門家との検討会には、同省生物製剤課長だった郡司篤晃氏(現東大医学部教授)も出席していたが、研究班への報告や公表はしなかった。58年当時CDCは世界のエイズ症例研究の中心だった。《共同通信》



【新幹線500系】走行試験スタート

JR西日本が開発した新型新幹線車両500系の本格的な走行試験が24日午後、山陽新幹線博多ー小倉間で始まった。

試験は新型車両の基本性能の確認が主な目的。列車は16両のほぼ全車両にさまざまな測定機器を積み、技術スタッフら関係者200人を乗せ、同日午後1時前に博多総合運転所を出発。博多ー小郡間を時速230キロで1往復する。《共同通信》

【プロ野球】オープン戦開幕

プロ野球オープン戦は24日開幕。沖縄・北谷での中日−日本ハム戦は雨で中止になったが、ダイエー−西武(高知市営)広島−近鉄(日南)の2試合が行われた。

佐々木新監督が初さい配を振るった近鉄は、広島の新外国人ロペスに2点本塁打されるなど投手陣が打ち込まれて3−9で敗れた。西武は6−5でダイエーに逆転勝ち。三番捕手で先発出場したドラフト1位の高木大(慶大)は4打数無安打だった。《共同通信》

【千葉県船橋市】25歳巡査が発砲、姿消す

24日午前1時ごろ、駐車トラブル処理のため千葉県船橋市のマンション駐車場に出動中の道県警船橋署地域課の宮本交番勤務A巡査(25)から「頭がおかしくなって拳銃を2発撃った」という内容の無線連絡があった。

同署員が現場に駆けつけたがA巡査の姿はなく、出動に使ったミニバイクが残されていた。また、駐車中の乗用車の後部ガラスと左後輪から銃で撃たれた跡が2カ所見つかった。けが人はいなかった。同巡査は弾が3発残った回転式けん銃を所持しているとみられ、同署は周辺に緊急配備し、行方を追っている。《共同通信》

【台湾】初の総統直接選挙始まる

台湾初の総統直接選挙は前日の公示を受け24日午前7時(日本時間同8時)から選挙運動が正式に始まった。総統選挙を台湾独立運動の一環ととらえる中国が近く軍事演習を行うと伝えられる中、現職の李登輝総統ら4候補が来月23日の投票日まで、1カ月にわたり激しい戦いを展開する。

選挙戦は実質的には既に始まっており、昨年6月の李総統の訪米による中台関係悪化を受けて、対中政策が大きな焦点。李総統有利の情勢で、公言している「得票率5割以上」を実現できるかどうかが注目される。

李総統は3年ぶりの本格的な内外記者会見となった23日の会見で、統一をスローガンとしつつ、外交攻勢継続を進める方針を表明した。これに対し、国民党反主流派などを支持基盤に立候補した林洋港・前国民党副主席、陳履安・前監察院長の2候補は中国への刺激を避けるよう主張。独立を掲げる野党民主進歩党候補の彭明敏・元台湾大学教授は「既に独立しているも同然」と強調している。

選挙で5割以上の票を獲得すれば、「民意の支持を得た」として柔軟な対中政策を打ち出す余裕ができるとの見方が強く、李総統は23日の会見で「(台湾市民は)分裂すべきではなく、団結すべきだ。5割の支持によって今後の数十年間の台湾をめぐる情勢は安定する」と述べた。《共同通信》



2月24日のできごと