平成2385日目

平成7年7月20日(木)

1995/07/20

【五十嵐広三官房長官】仏に核実験中止を要請

フランスが核実験を再開した問題で、五十嵐広三官房長官は20日午前、首相官邸にジャン・ベルナール・ウブリュー駐日フランス大使を呼び、核実験再開に抗議するとともに、取りやめるよう要請した。外国政府に対する抗議のため政府が在京大使を首相官邸に呼ぶのは極めて異例。

この中で、五十嵐官房長官は「今年は被爆50周年でもあり、日本国民には(核実験反対の)強い気持ちがある。これはわが国国民の総意だ」と強調するとともに、「核実験の再開は、核保有国が非核国に負っている核軍縮、核実験停止についての義務を誠実に履行することを要件としたNPT(核拡散防止条約)の枠組みを崩すことになる」と述べ、核実験の停止を求める村山首相の意思を伝えた。また、秋の国連総会で、核実験の停止を求める決議案を提出する意向を伝えた。

これに大使、ウブリュー大使は「村山首相の言葉をシラク大統領に正確に伝える」と述べるとともに、「来年の全面核実験禁止条約成立までの間になお数回実験を必要としている事情も理解してほしい」などと述べ、理解を求めた。《読売新聞》



【筑豊じん肺訴訟】国の責任認めず

福岡県筑豊地方の炭鉱で働き、じん肺にかかった元炭鉱労働者や遺族計480人(原告患者170人)が、国と炭鉱を経営していた大手企業6社に総額約55億円の損害賠償を求めた「筑豊じん肺訴訟」の判決で福岡地裁飯塚支部(川畑耕平裁判長)は20日、最大の争点だったじん肺発生に関する国の責任について「企業への監督指導上、裁量権を乱用したまたは逸脱したとまでは認められない」と否定、国だけを訴えた原告患者43人の請求を棄却した。

しかし企業の安全配慮義務違反は認め、企業6社に対し、原告患者104人に1人当たり2420万ー1100万円、総額19億7000万円を支払うよう命じた。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・村山首相は20日午後、JR名古屋駅前の街頭演説で、新進党の細川護煕元首相が「細川内閣当時、社会党に一番手を焼いた」と発言したことに触れ「それは間違いだ」と強く反論。社会党の反対などで撤回された国民福祉税構想を持ち出して「国民のためにならないことに抵抗するのが社会党の仕事」と強調。さらに自らの内閣について「この一年間ひとつもスキャンダルはなかった。私はスキャンダルは許しません」と、1億円借入金が国会で問題となった細川氏へのあてつけ発言も。普段温和な首相も参院選終盤の“舌戦”ではボルテージは上がりっ放し。

○・・・新進党の小沢一郎幹事長はこの日、遊説先の水戸市内で記者会見。交付されたばかりの政党助成金の使い道を聞かれると「今日出たばかりなのでどうしようもない。今は選挙に全力を傾注しているので、その後質問してください」。新進党が政権を取った場合、小沢氏が入閣するかとの質問にも「参院選の勝利を勝ち取るのが今の最大の眼目だ。衆院選でも過半数を取り、内閣を組織できるようになったらまた質問してください」。目下、参院選で頭がいっぱいのようで、それ以外の質問は「選挙後」を連発してシャットアウト。《共同通信》

【自民党・森喜朗幹事長】3党で過半数が目標

自民党の森喜朗幹事長は20日午後、京都市内のホテルで記者会見し、与党3党の勝敗ラインについて「改選議席126の過半数を超えるのが一つの目標で、それを超えれば国民から3党の連立内閣が理解を得たと考える」と指摘、合計64議席が連立容認の基準との見方をあらためて表明した。

政党への公的助成金の党内での配分について「政党支部への活動資金が本旨と思う」と述べ、議員個人の資金管理団体への配分には消極的姿勢を示した。《共同通信》

【新進党・小沢一郎幹事長】「自民から首相が筋」

新進党の小沢一郎幹事長は20日午後、遊説先の水戸市内で記者会見し「参院選では、数で政権を奪い返すことはできないが、多数を持っている人は国民の厳正な審判をきちんと受け止め、自らの見識で判断すべきだ。選挙の結果にかかわらず、本来は第一党の自民党が首相を出すべきだ」と述べた。

本来、衆院の第一党から首相を出すのが筋で、村山富市首相が掲げた社会党の議席獲得目標22に達しない場合、首相は退陣すべきだとの考えを示したものだ。《共同通信》

【ボスニア・ヘルツェゴビナ】ジェパ陥落

英BBC放送などによると、ボスニア・ヘルツェゴビナのセルビア人勢力報道官は20日、陥落したとされる同国東部の国連安全地域ジェパからの住民の移送作業が始まったと語った。同勢力は国際社会の強い非難にもかかわらず、先週のスレブレニツァからの3万人に続き、ジェパからも1万人を超えるイスラム系住民を追放するのは確実となった。

ザグレブの国連報道官は「ジェパは陥落、戦闘は終わったもようだ」「文明社会の価値観を侮辱する、民族浄化という冷酷な政策を実施するセルビア人勢力を非難する」と述べた。

セルビア人勢力のムラデイッチ司令官は国連防護軍に対し、最初に負傷者の搬送を実施し、その後に女性や子供、老人の移送をすると通告した。18歳から55歳までの男在は捕虜として拘束される。同勢力が移送のために用意したバス50台が現地に着いた。

ジェパには1万7000人が住んでおり、移送されるのは1万人を超えるとみられる。スレブレニツァ制圧の際と同様、西方のイスラム教徒地域のクラダニ経由でツズラに向かう。

スレブレニツァからの移送の際、一部の女性が乱暴されたり、男性が殺害されたとの報告があり、防護軍報道官は「脱出を希望する住民全員の安全移送ができるか、憂慮している」と述べた。移送作業を監視するため防護軍当局者がジェパに向かった。

さらに、捕虜として拘束されているスレブレニツァの数千人への面会が許可されておらず、赤十字国際委員会は懸念を深めている。《共同通信》

【ボスニア紛争】米英仏、空爆強化で合意

フランスのシラク大統領は20日、クリントン米大統領との電話会談で、ゴラジュデなどボスニア・ヘルツェゴビナの国連安全地域へのセルビア人勢力のこれ以上の攻撃を阻止するため、大規模な空爆実施を求める米提案に同意することを伝えた。マカリー米大統領報道官が同日、発表した。

メージャー英首相も米案を支持しており、報道官はロンドンで21日開かれる連絡調整グループ(米、英、フランス、ドイツ、ロシアで構成)などの外相・国防相会議に、3国が空爆強化を共同提案として提出する見通しを明らかにした。

次々と安全地域を攻略するセルビア人勢力への軍事作戦をめぐって、フランスはこれまで1000人程度の自国地上部隊の投入を主張、空爆強化だけでは効果はないとして、米提案に反対ししていた。

ロンドン会議で空爆強化案が承認されれば、北大西洋条約機構(NATO)は直ちに、スレブレニツァを既に制圧、ジェパも完全包囲しているセルビア人勢力に対し、安全地域への進撃をやめなければ空爆すると警告するとみられる。

CNNテレビは、クリントン大統領が承認した空爆案について、セルビア人勢力が警告を無視すれば、これまでのNATO軍の空爆の枠を越えた「大規模な空爆」を数日中に実施する計画と伝えた。

しかし、国連防護軍に兵員を派遣しているロシアや、英、フランス以外の欧州諸国が、空爆により自国兵士がセルビア人勢力の人質になることを恐れ空爆強化案に反対する可能性もあり、ロンドン会議が空爆強化ですんなりまとまるかどうか流動的な要素もある。《共同通信》

【日米航空交渉】決着

難航していた日米航空交渉は、米国ロサンゼルスで開かれた20日(日本時間21日)の亀井静香運輸相とペニャ米運輸長官による閣僚協議で本合意に達し事実上、決着した。合意の主な内容は①米フェデラル・エクスプレスの日本経由アジア行路線を21日付で認める②現行日米航空協定の貨物分野の見直し交渉を9月に開始し、6カ月以内で終了する③日本の航空会社に関西新空港発シカゴ行き貨物路線の新設を認める−などとなっている。

5月から対立が続いていた交渉が決着したことで、心配された日米両国の制裁合戦も回避されることになった。

大きな物送力格差が残る現航空協定の旅客分野の見直しについては、貨物分野の交渉後始めることで合意したが、米側は来春に開始するかどうかは現時点では未確定としている。

日本の航空会社のシカゴ行き貨物便の新設に関しては、現地時間21日に亀井運輸相とペニャ長官が再度協議して詳細を詰めることになった。閣僚協議は約3時間続けられた後いったん休憩、同日夜再開され短時間で終了した。

日米両国は今年5月から、米貨物航空会社フェデラル・エクスプレスの日本経由アジア向け7路線の新設をめぐって、4回にわたり次官級協議を開催。「以遠路線の新設は協定上の既得権」とする米側に対し、日本側は輸送力格差の拡大を警戒して対立していた。先月21日には米政府が対日制裁案を発表し、日本側も報復措置を準備するなど緊張が高まっていた。《共同通信》

【岡田茂さん】死去

元三越社長の岡田茂氏が20日午前2時12分、腎不全のため東京都新宿区の病院で死去した。80歳。京都市出身。

昭和47年社長に就任。創業300年記念式典などを開催して話題を呼ぶ。しかし、57年に東京・日本橋の本店で開いた「古代ペルシャ秘宝展」の偽物騒ぎをきっかけに、愛人の経営する会社との情実取引などワンマン経営に対する批判が高まり、同年9月の取締役会で解任された。この時の「なぜだ」という言葉は当時有名になった。

その後、特別背任罪で逮捕、起訴され、一審、二審とも実刑判決を受け、上告していた。死亡によって公訴は棄却され、判決が確定しないまま裁判は終結する。《共同通信》

7月20日のできごと