平成2381日目
1995/07/16
この日のできごと(何の日)
【松本サリン事件】麻原被告ら12人を再逮捕
昨年6月の松本サリン事件で、警視庁と長野県警の合同捜査本部は16日、殺人、同未遂容疑で教祖の麻原彰晃被告(40)=本名松本智津夫=をはじめ教団幹部ら計12人を一斉に再逮捕した。
教団幹部らが「麻原被告から直接、犯行を指示された」と供述したことから、捜査本部は麻原被告が指示したと断定。犯罪史上初めてサリンを使い、死者7人を出した大量殺人事件は、発生から一年余で解決に向かった。
また「自治省大臣」新実智光被告(31)が「裁判官の殺害が目的だった」と供述していることが新たに判明。捜査本部は、教団絡みの訴訟を妨害するため長野地裁松本支部の裁判官を狙った犯行とみている。
12人のほとんどが地下鉄サリン事件でも起訴されており、同本部はサリンによる教団のテロ計画の全容解明を急ぐ。
再逮捕されたのは麻原、新実両被告のほか、事実上の「法皇内庁長官」中川智正(32)、「化学班」責任者土谷正実(30)、「科技省次官」W各被告(36)ら。麻原被告は調べに対し「何を言っても仕方がないでしょう」と供述しているという。
調べでは、麻原被告らは、サリンを使用して不特定多数の殺傷を計画、山梨県上九一色村の教団施設でサリンやサリン噴霧車を製造した。
昨年6月27日午後10時40分ごろ、松本市北深志1丁目の住宅街の駐車場からサリンをまいて住民7人を殺害、155人に重軽症を負わせた疑い。幹部らの供述などから麻原被告が犯行を指示し「科学技術省大臣」だった故村井秀夫元幹部=当時(36)=が計画。土谷被告らがサリンを、W被告らが噴霧車をそれぞれ製造し、村井元幹部と新実、中川両被告らが現場でサリンをまいたこととが分かっている。
現場から約300メートル離れた長野地裁松本支部では教団の用地取得に絡む訴訟が係争中。新実被告は「当初松本支部で裁判官を殺害する計画だったが、到着が遅れ裁判官がおらず、官舎に狙いを変更した」と供述。W被告らは「サリンで人が死ぬことを知った上で犯行に関与した」と供述しており、捜査本部は周辺住民に被害が及ぶことを知りながら、官舎に向けサリンをまいたとみている。
逮捕状が出ている残り4人のうち、地下鉄サリン事件で特別手配中の「科技省」幹部林泰男(37)、「自治省」所属T(35)の両容疑者は、松本事件でも、指名手配し、行方追及に全力を挙げる。
また殺人容疑などで9日に逮捕した「自治省」所属の端本悟(28)、N(28)の両容疑者は地下鉄事件の調べが終わり次第、再逮捕。故村井元幹部は容疑者死亡で書類送検する方針。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【プロ野球・巨人】6点差守れず
巨人7−8横浜◇16日◇横浜
横浜は六回、ローズの満塁本塁打で2点差。さらに九回、二死一、二塁から鈴木が逆転3ランを放ち、2試合連続のサヨナラ勝ちで4連勝。
巨人はマック、松井の本塁打などで五回まで6点差をつけたが、二番手の木田がリードを守りきれず、4連敗。《読売新聞》
【大相撲名古屋場所】千秋楽
大相撲名古屋場所千秋楽(16日・愛知県体育館)既に2場所連続10度目の優勝を決めていた横綱貴乃花は結びの一番で横綱曙のはたき込みに屈し、13勝2敗で場所を終えた。曙は11勝4敗。関脇武双山は浪乃花を寄り切り10勝目を挙げ、初めての技能賞を獲得した。平幕で11勝をマークする大活躍の剣晃が初の、優勝した貴乃花に土をつけた琴錦が5度目の殊勲賞をそれぞれ受賞。10場所ぶりの小結で9勝の琴の若が敢闘賞を初めて手にした。秋場所は9月10日から東京・両国国技館で開催される。《共同通信》
【村山富市首相】「水俣病の被害拡大は国の責任」
村山富市首相は16日午後、参院選遊説先の福岡市で記者会見し、水俣病未認定患者の救済問題に関連して「(病禍の拡大や第二水俣病発生の)経過を考えると段階、段階で企業と行政が手を打っていれば、拡大して繰り返すことはなかった。そういう意味の責任を反省せざるを得ない」として述べ、歴代首相として初めて水俣病の拡大に対する国の責任を事実上認めた。
首相は水俣病の公式発見から40年近く経過したことに関連し「多くの方に多年にわたり、筆舌に尽くしがたい苦労を掛けたことを考え、私は救済が遅れたことに心から遺憾の意を表したい。痛惜の念でいっぱいだ」と、首相個人としてあらためて遺憾の意を表明した。ただ具体的救済策については与党3党合意に基づいて調整の上、正式表明したいと述べたにとどまった。
会見冒頭の発言で首相は「発生から今日までを振り返って見る時、残念ながら新潟で第二の水俣病が発生したことも含め、反省する点もある」と、重ねて反省の意を表明したが、「首相として私の思いを述べた。正式な態度表明は(政府与党で)検討を加えた上で申し上げたい」と付言し、政府の公式見解ではないことを強調。水俣病発生そのものやその後の救済対策に関する政府の責任については言及を避けた。解決のめどについては、「詰めを急いで早期解決を図りたい」と述べた。
水俣病問題では、与党3党が6月、解決案を作成。政府はこれを踏まえて全面解決を目指し、一時金の額など細部の調整を進めている。
与党案では国・県について「遺憾の意など責任ある態度を表明する」と明記。首相も既にこの線で了承し、解決が長引いていることに対して「遺憾の意」を再三表明してきた。《共同通信》