平成2203日目

1995/01/19

この日のできごと(何の日)

【阪神大震災】立ち上がる被災者

がれきの下から、この日も、奇跡の生還と変わり果てた遺体の収容が続いた。兵庫県南部地震から3日目の19日。修学旅行先から戻った高校生は、わが家が崩壊し、家族が埋もれたままという知らせに言葉もなく立ちつくした。

被災者たちの不安が募る一方、復興への連帯の輪も広がり始めた。「店はなくなっても食べ物売るのは八百屋の義務や」と安い大根やイモを店の前に並べる青果商、敷地内のわき水を住民に分けるそば屋さん……。絶望に押し流されそうになりながらも、人々は暮らしの立て直しに力を合わせようとしている。《読売新聞》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

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【阪神大震災】死者が4047人に

神戸市などに壊滅的な被害をもたらした兵庫県南部地震の死者は19日、警察庁の調べで4000人を超え、1948年(昭和23年)6月に3769人の死者を出した福井地震を上回った。

日本の地震災害史上、都市部を直撃した地震としては23年(大正12年)の関東大震災以来の最悪の大惨事となった。600人近い行方不明者がいることから、犠牲者はさらに増えそうだ。

同日被災地を視察した村山首相は「想像を絶する被害だ」と述べ、復興のため新規立法を検討する考えを表明。政府は午後8時過ぎに「緊急対策本部」の初会合を開き、具体的な対応策を協議した。《共同通信》

【村山富市首相】「補正」編成の意向

村山首相は19日、兵庫県南部地震で被害を受けた神戸市などを視察、同日午後、兵庫県庁で記者会見し「復旧に入れば兵庫県、神戸市を中心に新しい街づくりが始まるが、今の立法で十分に対応できるかという問題も起こってくる」と述べ、復興にあたり、新規立法を検討していく考えを表明した。

また、災害の復旧作業を急ぐため、「補正予算を検討する必要がある」と語り、補正良さなんを検討する意向を示した。さらに「現地で判断して現地で決裁して取り組めることも必要ではないか」として、現地にも国の対策本部を設置、災害復旧を円滑に進める仕組み作りも検討する考えを明らかにした。《読売新聞》

神戸市に19日、防災服姿の村山首相が訪れ、生々しい災害のツメ跡を自分の目で確かめた。駆け足の首相の視察に被災住民は「(見舞いの)声より水と食料を」と冷めた反応だった。神戸市では変わり果てた街の姿をバスから視察した後、長田区の西市民病院に到着。同病院は五階部分の壁が崩れて天井がずり落ち、入院患者40人以上が半日以上閉じ込められた。バスから降りた首相は、崩れた五階をじっと見つめながら市の担当者の説明を聞き、何度もうなずいていた。

続いて同区内の避難所になっている蓮池小学校を慰問。校舎に入り、「一生懸命やりますから頑張って下さい」と声を掛けた。しかし、同小で二晩過ごしたという女性は、わずか10分ほどの首相の訪問に冷ややかな反応。「声を掛けるだけならだれでもできる。それより水と食料を持ってきてほしい」と冷めた表情で話していた。《共同通信》

【大手私鉄14社】運輸省に運賃大幅値上げ申請

関東、関西、中部の大手私鉄14社と帝都高速度交通営団(営団地下鉄)は19日午前、運賃値上げを運輸省に申請した。輸送力強化のための設備投資に伴う鉄道部門の収支悪化を理由としており、申請値上げ幅は、大手私鉄が兵器19.7%、営団が16.1%となっている。《読売新聞》

【政界談話室】

○…自民党の森幹事長は19日、新会派「自民党・自由連合」届け出の記者会見で、自由連合メンバーの与党政策調整会議への参加について「社会党に相談する」としながらも、説得は成算ありと胸を張った。森氏は社会党「新民主連合」の山花会長らが会派離脱した場合の与党内での扱いが問題になったことに触れ「数日前には(今回と)逆のケースを(記者団から)聞かれた。社会党がオブザーバー参加を了承するなら、社会党の枠内でやるべきだ、と申し上げた」と、社会党への“貸し”を強調。今度は与党が増えるケースだけに、話はもうついたと言わんばかり。

○…この日の新進党役員会で、江田五月広報企画委員長は、兵庫県南部地震の党の現地視察について「17日に(「明日の内閣」の)担当閣僚の二階俊博さんが行き、18日には海部党首も行って、機敏に対応しているのに、国民に伝わっていない」。「役員は物資援助や義援金募集などとともに、街頭宣伝もやるべきだ」と広報貴任者としての反省もあったが、最後は村山首相、土井衆院議長の現地視察が大きく報道されるのを横目に「野党の悲哀でマスコミに出ない」と、ぼやき節。《共同通信》

【大相撲初場所】12日目

大相撲初場所12日目(19日・両国国技館)ハワイ出身の横綱、大関が1敗でトップに並んだ。横綱と大関の対戦は曙が突き、押しで若乃花を圧倒し、1敗を堅持。若乃花は3敗で優勝争いから後退。大関武蔵丸は貴闘力を突き出して1敗を守ったが、貴ノ浪は剣晃の右下手投げに屈し2敗。横綱貴乃花は栃乃和歌を寄せつけず、2敗をキープした。平幕の大翔鳳は小城錦に敗れ3敗となった。この日の結果、幕内は1敗が曙と武蔵丸の2人。2敗で貴乃花と貴ノ浪の二子山勢が追う展開になった。《共同通信》

【チェチェン紛争】ロシア軍、大統領府を占拠

ロシア政府は19日、ロシア軍がチェチェン共和国の首都グロズヌイで19日午後3時(日本時間午後9時)ごろ、ドダエフ共和国大統領の首都最大の拠点だった大統領府に突入、占拠したと発表した。大統領府を守っていた共和国側の部隊は大統領府を放棄、上部が砲撃で崩れ落ちた大統領府には、ロシア国旗が翻った。

エリツィン政権は、昨年12月11日の軍事介入以来、39日ぶりに、ロシアからの独立を掲げるドダエフ政権側の抵抗の象徴だった大統領府を陥落させた。しかし、数万人の勢力を維持するとみられる共和国側は、首都南部や山岳地帯になお拠点を構えており、チェチェン紛争はより広域ゲリラ戦へと移行する新たな局面に入った。

ドダエフ共和国大統領の所在は不明だが、既に大統領府を退去、態勢の立て直しを図っているのは確実とみられる。ロシア政府によると、大統領府に捕らわれていた数十人のロシア兵捕虜に関する情報はなく、共和国側が依然人質として確保している可能性がある。

大統領府の陥落によって、ロシア軍の首都制圧は確実となり、エリツィン政権は今後、かいらい政権の「民族再生政府」(ハジエフ首相)を基盤に、新議会選挙と、新共和国政府の樹立へ向け力を注ぐ。《共同通信》



1月19日 その日のできごと(何の日)