1995 平成7年12月21日(木)

平成2539日目

平成7年12月21日(木)

1995/12/21

【阪神・新庄剛志外野手】残留が決定

退団を表明していた阪神の新庄剛志外野手(23)の残留が21日、決まった。新庄は力の限界を理由に19日の2度目の交渉で退団を申し入れていたが、この日、甲子園球場内の球団事務所で行われた沢田球団代表らとの3度目の交渉で福岡在住の父親の病気を理由に退団の意向を翻意、年俸600万円減の4900万円で契約を更改した。

新庄は19日の交渉後に父親の病状が思わしくないことを知らされ考え直したことを明らかにし「ユニホーム姿を見せることが一番の薬になると思った。球団や応援してくれている方々に迷惑をかけて反省している」と心境の変化を説明した。

沢田球団代表は「意外だったが、野球をするのが一番と分かったようだった」と安心した表情。この日に旅行先の米国から帰国した藤田監督も、球団事務所に姿を現し「新庄にはどんな選手にも壁が絶えず待っている。それを乗り越えなくてはいけないと言った」と話した。

新庄は1990年、ドラフト5位で福岡・西日本短大付高から阪神に入団。92年から頭角を現し、人気選手になった。ベストナイン1度、ゴールデングラブ賞2度。今季は打法改造の失敗と相次ぐ故障のために出場87試合で打率2割2分5厘だった。(金額は推定)《共同通信》



【動燃】組織ぐるみで事故隠し

高速増殖炉原型炉もんじゅ(敦賀市)のナトリウム漏れ事故で、事故直後撮影したビデオの大部分を隠していた問題で、動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の大森康民もんじゅ建設所長が21日午後会見し、佐藤勲雄副所長に「分かりやすく編集しろ」とビデオ編集の指示をしていたことを認めた。

さらに、佐藤副所長が一部職員に口止めをしていたことも発覚するなど、同建設所ぐるみの事故隠しだったことが判明。動燃の体質があらためて問題になりそうだ。《福井新聞》

村山富市首相は21日昼、動燃の事故ビデオ隠しについて首相官邸で記者団の質問に答え「良くない。こういうことは全部公開しないといかん。こういうことをすると不信を買う。周辺住民の信頼を得ないとやっていけないことだから」と顔をしかめて強い不快感を示した。《共同通信》

【故・田中角栄元首相】遺産78億円申告漏れ

平成5年12月に75歳で死亡した田中角栄元首相の遺産について、長女で元科学技術庁長官の田中直紀子衆院議員(51)ら遺族が東京国税局の税務調査を受け、約78億3000万円分の申告漏れがあったとして修正申告することが21日分かった。

税務調査の結果、「田中金脈」と呼ばれる旧信濃川河川敷の土地面積を測って少なく申告したことが判明、土地などの遺産を支配する複数のファミリー企業株の評価額が連鎖的に大幅に増えたのが主な原因。ファミリー企薬の非上場株で遺産額を圧縮したとされる特異な相続方法が、巨額の申告漏れを招く形となった。

真紀子議員らは年明け後に遺産総額を約197億7000万円と修正申告する予定で、追徴税額は過少申告加算税や延滞税を含め約64億3800万円に上るとみられる。《共同通信》

【武村正義蔵相】住専処理「責任取る」

武村正義蔵相は21日、経団連の第49回評議員会であいさつし、政府与党がまとめた住宅金融専門会社(住専)の処理策で損失の穴埋めとして総額6850億円の財政資金を投入することになったことについて「自らの責任も厳しく問うていきたい」と述べ、年明けの通常国会で設置される住専特別委員会などでの責任追及の展開によっては蔵相として進退を含め責任を取る考えを示唆した。

蔵相は財政資金の投入について①5年に分けて順次投入する②財政事情を考慮して1、2年待って投入するなどいろいろ選択肢があったが、いずれも不透明感が残るとして来年度当初予算での一括計上を決断したことを明らかにした。

さらに蔵相は「関係者が責任をどう取るか。民事、刑事的に問題があれば厳しく問わなければいけない。(住専の債権を回収する)回収機関を通じて借り手の責任も追及する」とし、住専問題の責任の所在を明らかにしていくことをあらためて強調した。

その上で、政治と行政の責任について「バブルがなぜ出たのか、当時の判断に間違いがなかったか総括しなければいけない。大きな反省材料にし、自らの責任も厳しく問うていきたい」と述べた。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・村山富市首相は21日午前、首相官邸を訪問した西アフリカの内陸国・ブルキナファソのコンパオレ大統領から「日本の大使館を設置してほしい」と“陳情”を受け「財政上の問題もあり、今すぐに、とはいかないが(隣国の)駐コートジボワール大使を通じて友好を深めたい」と文字どおりの「外交辞令」。「コートジボワールの首都とわが国の首都は1000キロも離れている」と、なおも食い下がるコ大統領に首相は「千里の道も遠しとせず」とかわしたが、住専処理に巨額の公的資金投入を決断した直後だけに、大統領が財政上の理由に納得したか疑問。

○・・・新進党の党首選を戦っている小沢一郎幹事長と羽田孜副党首はこの日、日本記者クラブの公開討論会で、互いの政策に質問をぶつけあった。小沢氏から羽田氏への質問は「規制緩和の段取りは」などと当たり障りのない内容に終始。一方の羽田氏は「10年後に消費税を10%にすると言っているが、それでは2005年には国債発行残高が500兆円となる。(国家財政は)大丈夫か」「国際貢献も現行憲法の枠内でできることがまだある」などと攻め立てた。選挙情勢は「小沢氏優勢」とささやかれているだけに巻き返しに懸命?《共同通信》

【韓国・全斗煥元大統領】反乱首謀罪で起訴

1979年の粛軍クーデターや80年の光州事件を捜査している韓国の検察当局は21日、全斗煥元大統領を反乱首謀罪などで起訴、既に収賄罪で起訴している盧泰愚前大統領を反乱重要任務従事の罪などで追起訴した。

検察当局は80年の光州事件についても内乱容疑で捜査しており、来年1月までに全元、盧前両大統領を追起訴し、関係者も司法手続きをする方針だ。また、検察当局は全元大統領の在任期間中の秘密政治資金についても「相当に多い金額」を確認したと発表、今後、追起訴する方針を明らかにした。

全元、盧前両大統領が起訴されたことで、韓国の「過去清算」「不正蓄財」は法廷で争われることになった。その経過は来年4月の総選挙など韓国政局にも大きな影響を与えることになる。

全元大統領はハンガーストライキで健康が悪化、同日未明に安養矯導所(刑務所)からソウルの警察病院へ移送されたが、治療も拒否しており、健康や世論の反応が注目される。

検察当局は起訴状で「全斗煥元大統領が保安司令官在任当時の79年12月12日、盧泰愚第九師団長と共謀、軍の主導権を掌握するため崔圭夏大統領代行の事前許可なく鄭昇和参謀総長を不法逮捕するなど軍事反乱を主導した」とし、粛軍クーデターを軍事反乱と認定した。

全元大統領に反乱首謀罪、上官殺害罪、同未遂罪など6罪を、前大統領にも反乱謀議参加を含む反乱重要任務従事罪、上官殺害罪、同未遂罪など6罪をそれぞれ適用した。《共同通信》

【ダイアナ妃】沈黙守る

工リザベス英女王に、チャールズ皇太子との離婚を勧告されたダイアナ妃は、21日も沈黙を守った。側近らによると「ひどく落ち込んでいる」らしく「予想外」(大衆紙サン編集長)の女王の“強権発動”は国民の「心の王妃」としての将来への設計を立てていたダイアナ妃にとっても大きな「誤算」だった。

1992年12月の皇太子夫妻の別居公表後、ダイアナ妃の巧みなマスコミ操作に振り回され、守勢に立たされていたバッキンガム宮殿側は、今回初めて主導権を握った。女王勧告という強烈な「平手打ち」を見舞われたダイアナ妃が、そのまま一気に追い詰められるか、それとも土壇場で持ちこたえて反撃に出ることができるか、これからが正念場となる。

ダイアナ妃が最も恐れているのは、女王勧告が独り歩きし、十分な協議ができないまま離婚に追い込まれ、将来の国王の母親としての地位も、親善大使としての役割も勝ち取れないまま、「過去」の存在になってしまうことだった。メージャー首相はコメントしていないが、各界の指導者らは女王の決断を評価、離婚支持の発言をしている。

「再婚の意思はない」というチャールズ皇太子の宣言も、ダイアナ妃には計算外だった。皇太子はスキャンダルの相手であるカミーラ・パーカーボールズさんとは再婚せず、国王が兼ねる英国国教会の「信仰の擁護者」にふさわしい後継者としてのイメージづくりに着手した。

ダイアナ妃の思惑は、チャールズ皇太子の次期国王としての芽をつぶし、長男のウィリアム王子を後継者にすることだったとされる。しかし、女王に尻をたたかれた格好の皇太子が王位継承者としての自覚を強めたため、これまで順調に進んできていたダイアナ戦略に狂いが生じた。

ダイアナ妃の良き理解者で、妃の親善大使案の提唱者でもあったハード前外相も、今は政権内にいない。ダイアナ妃は「孤独なクリスマス」を迎えることになる。《共同通信》



12月21日のできごと