平成2538日目

1995/12/20

この日のできごと(何の日)

【動燃】事故直後の映像隠す

高速増殖炉原型炉もんじゅの事故で、現場のビデオ映像をすべて公開したと発表していた動力炉・核燃料開発事業団(動燃)が、実際はナトリウム漏れの様子が分かる部分を大幅に削除したビデオに編集して公開していたことが分かった。

隠してい映像には漏れたナトリウムの様子が鮮明に映っていた。大石博理事長も「ナトリウム漏れが想像を超えて大きいために、そのまま出すのをためらい、意図的にカットしたものだ」と認め、謝罪した。

事故で反発を強めている地元自治体、住民の信頼感を決定的に失わせる不祥事で、今後の高速増殖炉開発計画に影響しそうだ。

動燃があらためて公開したビデオは、事故翌日の9日に事故現場の配管室に初めて入った際に撮影したもので、15分間分。

いずれも配管の漏えい個所とその周辺にナトリウム化合物が焼けついている様子や、溶けて穴の開いた空調ダクト、足場にたまった化合物など、生々しい現場の様子が克明に撮影されている。

動燃は11日、福井県が独自に現場のビデオを公表したのを受けて急きょ、4分間のビデオを示していたが、床に厚く積もったナトリウム化合物しか映っていなかった。

大石理事長の説明では、理事長らが公開していないビデオ映像があると分かったのは20日の夕方。現地の副所長はこのビデオがあることを知っていたが、動燃が公開すべき情報が残っているかの点検を始めた13日以来、未公開ビデオの存在を東京の動燃本社に報告していなかったという。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【アメリカン航空965便墜落事故】

コロンビア南西部カリの北方で20日夜、マイアミ発カリ行きの米アメリカン航空965便ボーイング757旅客機が墜落、炎上した。アメリカン航空当局者によると、事故機には乗客156人と乗員8人が乗っており、コロンビア軍当局が21日朝、全員の死亡を確認した。《共同通信》

【新党さきがけ】「円卓会議」を了承

新党さきがけは20日午後の総務会で、新たな政府勢力の結集を目指し、武村正義代表(蔵相)と村山富市首相(社会党委員長)の間で合意した「円卓会議」構想について協議した。

一部の議員から「これまでの党内議論の方向と違うのではないか」と異論も出たが、田中秀征代表代行が「新党に結びつくものではない」などと説明。党内で路線問題を協議している基本戦略委員会で円卓会議のメンバーや性格について議論を進めることで、基本的に了承された。《共同通信》

【平成8年度一般会計予算】大蔵原案内示

政府は20日午後の臨時閣議で、総額75兆1049億円の平成8年度一般会計予算と財政投融資計画の大蔵原案を了承した。大蔵省が各省庁に内示した。財政危機宣言を受けて政府開発援助(ODA)など政策的経費を厳しく抑制したが、国債の利払いなどに充てる国債費の急増や内示直前に決着した住宅金融専門会社(住専)処理に6850億円を計上したことなどで一般会計総額は本年度当初予算比5.8%増と5年ぶりの高い伸び率となった。

税収は景気停滞で低迷が続いたため、赤字国債と建設国債を合わせた新規の国債発行額は21兆290億円と過去最大の規模になった。赤字国債も11兆9980億円と過去最高。大幅な歳入不足を埋める本格的な赤字国債発行は7年ぶりで、財政危機を一段と深刻化させた。

政策面では「景気回復内閣」を掲げる村山内閣として、公共事業関係費を4.0%と6年連続の4%台とし比較的高い伸び率を確保した。また科学振興費や情報通信基盤整備に重点を置き、構造改革による日本経済の建て直しを目指した。

21日から大蔵省と各省庁の復活折衝が始まり25日に政府案が決まる。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・村山富市首相は20日、阪神大震災やオウム真理教事件のことし一年を「とにかくいろいろあった」と厳しい表情で振り返った。大正13年生まれの首相は来年で72歳の年男。記者団から「年賀状に特別な抱負を書くのですか」と聞かれて「来年は良い年にしたいということに尽きるね」としみじみ答えた。ただし「年賀状は送ってくれた親しい人にしか出さないから、まだ書いてない」とか。住専問題に区切りをつけたほかりで、来年どうやって村山カラーを出すかを考えると年内は年賀状を書く余裕もないと言いたそう。

○・・・新進党の羽田孜副党首はこの日、都内の事務所で自らパソコンを操作、おぼつかない様子ながらもインターネットで支援者の電子メールを呼び出した。長年「高度情報通信社会」に取り組んできたことを党首選でアピールする狙い。「こういう時代が来ると予測していた。首相時代に官邸でも準備をしていたんだ」と先見性を強調してみせた。しかし「直接民主制に近づき政治家は不要になるのでは」と記者団に聞かれて「そんなことはない。いろんな意見を集約して訴えていくのに政治家は必要だ」とあわてて反論、キャッチフレーズの「対話」を強調していた。《共同通信》

【日銀・松下康雄総裁】バブルは政策にも責任

松下康雄日銀総裁は20日の会見で、住専処理における責任問題について「具体的な融資や回収に携わった経営者の責任と、バブルの発生と崩壊過程に対する政策上の責任がある」と述べ、バブル経済を生んだ財政や金融政策に対しても責任追及が必要との認識を示した。

総裁は、バブル当時の金融緩和策について「国際通貨価値の安定が目的としてあったが、今後の政策運営に教訓を与えた」と発言し、行き過ぎがあったことを認めた。一方で日銀としての「具体的な責任の取り方には「単なる印象論ではなく、当時の経済運営の全体的な分析をした上で判断すべきだ」とも語り、詳しい言及を避けた。

また住専処理計画で、日銀が預金保険機構の住専勘定に資金供与を要請されたことには「住専勘定から処「理機構への支出に関連して損失が生じた場合は、政府一が適切な措置を講じるとされている」と語り、日銀の資金拠出は、政府保証がつき、損失穴埋めに使われないことが前提になるとの考えを示唆した。

財政資金の投入を余儀なくされたことについては「関係者がぎりぎりの努力をしても、補てんすべきロスが残ってしまえば金融機関の経営にはね返り、金融システム安定の阻害要因になりかねない」として、やむを得ない措置だったとの見方を示した。《共同通信》

【宣銅烈投手】中日入りが決定

中日は20日、韓国プロ野球ヘッテの宣銅烈投手(32)の中日入りが決まったと発表した。この日午後、ヘッテがソウルで同投手の移籍先を中日と発表。これを受け、名古屋市内で佐藤球団社長と伊藤球団代表補佐が会見した。

契約は23日、ソウルのヘッテ本社で行われる。中日は契約期間2年で、移籍金を含めた契約金は推定4億5000万円とする意向。

宣投手は1985年にヘッテに入団し、速球を武器に最優秀選手に3度選ばれた韓国球界のスーパースター。今季は5勝33セーブをマークするなど近年は抑えで活躍しており、ストッパー不在の中日にとっては大きな戦力になる。

宣投手の争奪戦は、中日はじめ巨人、オリックス、米大リーグのレッドソックスが名乗りを挙げた。事実上、中日と巨人の争いとなり、一時は巨人優位の情勢となったが、最終的にヘッテは、親会社が日韓親善野球を主催するなど両国関係に力を入れていた中日に譲渡することを決めた。《共同通信》

【WBAミドル級王者・竹原慎二選手】「ホッと一息」

19日の世界ボクシング協会(WBA)ミドル級タイトルマッチでホルヘ・カストロ(アルゼンチン)に判定勝ちし、日本人では、史上最重量級の世界チャンピオンになった竹原慎二(沖)が一夜明けた20日、東京都板橋区の沖ジムで記者会見した。

前夜は「試合のビデオを繰り返し見て、一睡もしなかった」と言う。「ディフェンスが甘くて、ガードの大切さを痛感した」としきりに反省したが、顔にはれもなく、激戦の後とは思えないほどきれいだった。

今回のファイトマネーは600万円。使い道を聞かれた23歳の新王者は、「老後のために貯金します」と言って周囲を笑わせた。初防衛戦の日時と対戦相手は未定。《共同通信》

【英・エリザベス女王】皇太子夫妻に離婚勧告

英バッキンガム宮殿は20日夜、声明を発表し、エリザベス女王が別居中のチャールズ皇太子とダイアナ妃のそれぞれに、離婚手続きを即時開始することを勧告する書簡を送ったことを明らかにした。宮殿当局者によると、女王の勧告に対するダイアナ妃の意思表示はないものの、皇太子は離婚に同意しており、1992年12月の別居公表から約3年で離婚手続きが開始される見通しになった。

夫妻の子息で王位継承順位2、3位のウィリアム、ヘンリー両王子の親権や慰謝料、ダイアナ妃の将来の役割などをめぐり難問が山積し、離婚成立には曲折が予想される。皇太子夫妻が、離婚に踏み切った場合でも、現在筆頭であるチャールズ皇太子の王位継承順位に影響はない。

同当局者によると、女王しと夫のエディンバラ公フィリップ殿下は、皇太子夫妻がテレビのインタビューなどを通じて泥仕合を演じたことに「怒りといらだち」を感じ、英王室の権威と2人の子供の立場を考慮した上で、2人の離婚を求める書簡を送った。

英君主は英国国教会の「信仰の擁護者」の立場にもあるが、国教会最高位のカンタベリー大主教も書簡の内容に合意しており、教会サイドの問題もないという。英首相府筋はメージャー首相が20日、ダイアナ妃の住むケンジントン宮殿で、約1時間にわたり同妃と会談したことを明らかにした。

ダイアナ妃は先月20日放映された、BBC放送とのインタビューで、ヒューイット元近衛将校との不倫を認めたものの、離婚問題については「私は離婚はしたくない。夫の決断を待っている」と述べていた。

皇太子夫妻は81年7月、「世紀の結婚」として世界の注目を集める中で結婚。しかし、結婚直後から皇太子とカミーラ・パーカーボールズさんとの親密な交際、ダイアナ妃とヒューイット氏との不倫などで結婚生活は破たんしていた。《共同通信》



12月20日 その日のできごと(何の日)