平成1944日目

平成6年5月5日(木)

1994/05/05

【永野茂門法相】「南京事件でっち上げ」

毎日新聞は5日付朝刊で永野法相インタビューの要旨を報じた。このうち太平洋戦争と南京大虐殺に関する発言部分の要旨は次の通り。

[太平洋戦争] 侵略戦争という定義付けは、今でも間違っていると思う。戦争に伴う侵略的行為、いろいろな被害、残虐的なものを含めていろいろご迷惑をかける—これは絶対に悪いのであって、戦争そのものが悪だ。ただ日本で言う大東亜戦争(太平洋戦争)というものが、侵略を目的にやったか。日本がつぶされそうだったから生きるために立ち上がったのであり、かつ植民地を解放する、大東亜共栄圏を確立するということを、まじめに考えた。(日本の状況を)そこまて持ってきた諸外国が問題だった。戦争目的そのものは当時としては基本的に許される正当なものだった。

[南京大虐殺] (戦争に伴い)日本の軍隊があちらこちらでやった虐殺、放火、破壊をしたり、慰安婦問題とかは…。私は南京事件というのは、あれ、でっち上げだと思う。私は、あの直後に南京に行っている。いずれにせよ、そういうことは戦争に伴う悪であり、これは「絶対に悪い」というのはその通りだ。それを侵略的行為と言うなら、それはまあ言えるが、日本はそこを日本領土にしようとしたものでもないし、そういうところを占領したのでもない。《共同通信》



【中国・呉建民報道局長】永野法相発言「ショックと憤慨」

中国外務省の呉建民報道局長は5日、永野法相の南京大虐殺はでっち上げとの発言について「日本の閣僚が公然と歴史を改ざんして事実を否認し、日本軍国主義の侵略行為を弁護したことにショックを受け、憤慨している」と厳しく非難した。

呉局長はまた、羽田首相が永野発言が「適当ではない」と批判したことについて「留意する」と述べ、「日本政府が両国間の大局の見地からこの問題に厳粛に対応するよう求める」として日本側に抗議したことを明らかにした。

中国側は当面、日本側の永野法相に対する対応を見守る構えだが、法相の処分など厳しい対応が取られなければ、日中間の政治問題に発展する可能性が強いことを示したものといえる。

呉局長はまず「南京大虐殺は、日本軍国主義が中国で犯した重大な罪の一つであり、日本の対中戦争が侵略であり、南京大虐殺が歴史的事実であることは既に国際社会の定説となっている」と言明。さらに「歴史に正しく対応することは中日関係の政治的基礎である」と述べた。

また、今回の法相発言で対日賠償請求運動が再燃する可能性については「中日共同声明でこの問題は解決済みとの中国側の立場には変化はない」と国家賠償請求権の放棄を再確認。しかし「戦争が残した幾つかの複雑な問題についても日本政府が妥当に処理するよう一希望する」と述べ、民間賠償請求運動に日本が特段の配慮をするよう求めた。《共同通信》

【日本新党・高見裕一衆院議員】党執行部の退陣要求

日本新党の高見裕一衆院議員(兵庫1区)は5日、神戸市内の後援会事務所で記者と懇談し、連休明けにも細川前首相を含めた党執行部の退陣と統一会派「改新」からの離脱を求める党内改革を推し進める方針を表明した。

高見議員は「党は異論を排除する雰囲気になっており、民主的な手続きがなくなってきた」と執行部を批判。「新生党主体の政権の中に入っていくことに疑問を持つ日本新党の3分の2の議員と話し合いながら党内改革を進めていく」と述べた。《共同通信》

【柿沢弘治外相】イスラエル・ラビン首相と会談

柿沢外相は5日午前(日本時間同日午後)テルアビブのイスラエル国防省でラビン首相と約1時間会談した。

この中でラビン首相はカイロで4日に調印したパレスチナ暫定自治をめぐる先行自治協定での占領地からのイスラエル軍撤退について「パレスチナ解放機構(PLO)から協定では3週間以内となっているが4週間に送らせてほしいとの要請があった」ことを明らかにするとともに(1)イスラエルとしては早期撤退の用意がある(2)だが、パレスチナ側の撤退後に行政を担当する準備ができていない—などの点を指摘、これに応じる考えを示した。

また柿沢外相は中東地域への経済協力の推進を表明すると同時に多国間厚相の枠組みの中で和平プロセス定着に向け、日本も役割を果たす考えを強調した。《共同通信》

【羽田孜首相】ドイツ・コール首相と会談

ドイツ訪問中の羽田首相は5日午後、ボン市内の首相府でコール首相と会談した。この中でコール首相が欧州連合(EU)へのオーストリアなど4カ国の加盟について「16カ国、4億人以上の統合ができ、巨大な変化が起こることを理解するよう希望する」と日本がEUとの関係を強化するよう求めた。

これに対し羽田首相は「欧州統合の重要性を認識し、ぜひ関係強化に努めたい」と要請を受け入れた。《共同通信》



5月5日のできごと