平成2323日目

平成7年5月19日(金)

1995/05/19

【オウム真理教】陸自幹部宅を盗聴

陸上自衛隊第一空てい団幹部宅に盗聴器を仕掛けたとして、警視庁公安部は19日、有線電気通信法違反の疑いで元陸上自衛官のオウム真理教信者、A容疑者(26)を再逮捕、別の信者1人を指名手配した。

犯行には、目黒公証役場事務長拉致事件の逮捕監禁容疑で逮捕されたM容疑者(29)も加わっていたことが判明。警視庁はM容疑者の逮捕状も取っており、近く再逮捕する方針。また地下鉄サリン事件の殺人容疑などで逮捕された教団の事実上の「諜報相」井上嘉浩容疑者(25)も犯行を指示していたという。

調べでは、A容疑者らは3月7日、千葉市美浜区内に住む陸上自衛隊第一空てい団幹部宅に設置されたNTT電話回線に盗聴用発信機を取り付けた疑い。盗聴器は5日後に見破られて失敗に終わったが、仕掛けられた時期が教団に対する警視庁の強制捜査の準備が始められた時期で、教団が組織ぐるみで捜査情報や空てい団の動向を探っていた疑いが強いとみて調べている。

A容疑者は昨年12月に東京都小金井市の警視庁運転免許試験場に忍び込んだとして住居侵入の疑いで4月28日に逮捕、19日に起訴された。事件当時、陸自第一空てい団に所属する三曹だったが、事件発覚後に依願退職している。

目黒公証役場事務長拉致事件で東京地検は19日、M容疑者をかくまった犯人隠匿隠避罪でオウム真理教「治療省大臣」で教団付属医院院長の林郁夫容疑者(48)を起訴した。また警視庁などの合同捜査本部は同日、地下鉄サリン事件の殺人・同未遂の疑いで林容疑者を再逮捕した。

地下鉄サリン事件の殺人容疑などで逮捕状が出ているオウム真理教最高幹部の「建設省大臣」早川紀代秀容疑者(45)=犯人隠避教唆容疑で再逮捕=が、教団から脱会する意思を示す上申書を警視庁に提出していたことが、19日分かった。早川容疑者は、信者の拉致やサリン事件、銃器密造事件でカギを握る重要人物とされ、教団の活動の全体像を把握しているとみられている。警視庁は、脱会を表明したことで具体的な供述を始める可能性があるとして重視している。《共同通信》



【オウム真理教】サリン製造は3ルート

地下鉄サリン事件を捜査している警視庁などの合同捜査本部は19日までに、オウム真理教のサリン製造が、教団「科学技術省次官」W(36)、「化学班」責任者土谷正実(30)、「厚生省大臣」遠藤誠一(34)の3容疑者=いずれも殺人・同未遂容疑で逮捕=によって、3つのルートで行われていたと断定した。

サリン製造は、殺人・同未遂容疑で逮捕した教団代表で教祖の麻原彰晃容疑者(40)の指示を受け、「科学技術省大臣」だった故村井秀夫氏=当時(36)=が全体を総括。最終的に山梨県上九一色村の「第7サティアン」で量産を目指していたとみられ、捜査本部は麻原容疑者らを追及している。

調べでは、サリン製造の化学プラントと判明した「第7」の実質的責任者はW容疑者。W容疑者は、東京工業大生産機械工学科を卒業、電機メーカーでコンピューター周辺機器の設計に携わった。この経歴を生かし、サリンの量産プラントの稼働を目指したが、事故が重なり、昨年末までに稼働を断念した。「第7」プラントの運用には林泰男容疑者(37)=殺人・同未遂容疑で指名手配=ら「科技省」のメンバーもかかわったという。

土谷容疑者は教団のサリン研究に実験段階から携わり、「第7」裏に専用の研究棟「クシティガルバ棟」を与えられていた。昨年6月の長野県松本市のサリン事件の以前からサリンを作ったと供述。村井氏に渡し、余ったサリンは分解処理していたという。

地下鉄事件では、直前に新たにサリンが作られ、この際は遠藤容疑者が自分の研究棟で、土谷容疑者の協力の下に作っていたことが判明。土谷ルートと遠藤ルートが相互に補完する形になっていたのが分かった。

3人の担当者の製造指示は村井氏が行っていたが、麻原容疑者が直接に指示を与えていた疑いもあることから捜査本部は教団内の具体的な指示系統について3容疑者を追及している。《共同通信》

【きんさん、ぎんさん】初の海外旅行で台湾訪問

名古屋市の102歳の双子姉妹、成田きんさんと蟹江ぎんさんが19日、台北の中正空港に到着した。台北からの報道によると、和服姿のきんさん、ぎんさんは、初の海外旅行にもかかわらず非常に元気で、50人以上の報道陣に囲まれながら、歓迎の人に手を振っていたりしたという。《共同通信》

【1995年度第一次補正予算】成立

阪神大震災の復旧・復興事業費や円高対策を盛り込んだ1995年度第一次補正予算は19日夕の参院予算委採決を受けて、同日夜の参院本会議に上程され、自民、社会両党などの賛成多数で可決、成立した。関連4法も成立した。《共同通信》

【政界談話室】

○…村山首相は19日、記者団から米大リーグ・ドジャースの野茂英雄投手の活躍ぶりについて感想を求められ「最近はテレビを見ていないから…。でもいろいろ人づてに聞いている」とあまり興味のなさそうな様子。でも「総理も野茂投手と同様に全力投球か」と水を向けられると「そうじゃ、全力投球じゃ。いろいろ課題があるからな」と、山積みとなっている政策課題や社会党内の問題解決に全力で取り組んでいることを強調した。この夏には就任後初の本格的な国政選挙となる参院選も控えているが、野茂投手ばりに三振奪取のヤマを築けるか?

○…この日の参院予算委員会で自民党の吉川芳男氏は、スポーツ平和党の江本孟紀氏がラジオのプロ野球解説のために16日の本会議を欠席したことを取り上げ「院の名誉を損なった」と非難、野中自治相の見解を求めた。吉川氏は「タレント政治家がマスコミを通じ売名行為をしていることをどう思うか」と憤まんやるかたない様子だったが、自治相は「タレント政治家のテレビ出演と選挙の公平さを一概に論じるのは困難」。さらにやはりタレント出身の西川潔参院議員を例に挙げ「まじめに足でかせいで質問する政治家もいる」と一蹴した。《共同通信》

【郵便番号】10年2月から7けたに

大出郵政相は19日、郵便物の機械処理を進めるため、郵便番号を「7けた」に増やすことを郵政審議会(会長・石井威望慶応大教授)に諮問した。それによると、新しい郵便番号は原則として現行の郵便番号を踏襲、現在3けたの郵便番号には4けた、5けたの番号には2けた末尾に追加する。夏までに答申を受け平成10年2月から新番号に移行する計画だ。

現行の郵便番号では、配達する郵便局単位まで区分している。これに対して、7けたにすれば特別区や市町村区域内の町、字単位まで番号化できる。さらに、あて名書きから町名の下の住所番地を機械で読み取る仕組みを組み合わせ、郵便物を配達順に並べるところまで機械化する計画だ。

新しい郵便番号は、正確に記載されていれば、あて先の市区町村名の記載を省略できることになり、郵政省ではどこまで省略できるか具体的方法を検討している。住所を完全に省略できる大口利用者も拡大され、新郵便番号簿は、現在の約3倍の厚さとなる。新番号簿は大口利用者には8年4月から、一般利用者には9年8月から配布する予定だ。

郵政省は7けた対応の機械を10年計画で全国に1500システムを配置する。11年目には8000人以上の人員が削減でき、年間600億円以上のコストダウンになると試算している。《共同通信》

5月19日のできごと