平成2322日目
1995/05/18
この日のできごと(何の日)
【東京都議会】「世界都市博」開催を決議
青島幸男東京都知事の中止表明で揺れる世界都市博覧会をめぐり、開催の是非を協議していた臨時都議会は最終日の18日午後の本会議で「開催に向けて最善の結論を出すべきだ」とする決議を賛成100、反対23で可決した。
決議は青島知事の判断を拘束するものではないが「選挙公約を守りたい」との意思を貫けば、今後苦しい都制運営を強いられるのは必至だ。知事と議会の全面対決となる可能性もあり、決議を受けて知事がどのような決断を下すかが焦点になる。本会議後、青島知事は「民主的ルールを踏まえて結論を出したい」と語り、慎重な姿勢を見せた。
開催決議案に賛成したのは自民党、公明、新進党、民社・コア東京の4会派。社会・都民会議(13人)は自主投票となり、うち4人が反対に回った。賛成各会派は「開催を求める都議会の意見は圧倒的多数。これを尊重することを期待する」(自民)などの談話を発表。一方、反対の共産党は「知事に公約破りを強要するのは暴挙以外の何ものでもない」と反発している。
決議は「中止すればこれまでの経費が無駄になり、ばく大な損害賠償という大いきな負担が予想される。雇用不安や中小零細企業などへの影響も少なくない」と指摘。防災といったテーマでの見直し開催を求める公明などの意見も取り入れた内容になっている。
青島知事は16日まで3日間にわたった都市博特別委員会の中で「公約を守りたいとの気持ちに変わりはないが、議会の意思は決断の重要要素になる。都民の意向や私の信条などを総合勘案し、決める」と答弁。庁内調整を経て決断を示す姿勢を示していた。《共同通信》
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【大相撲夏場所】12日目
大相撲夏場所12日目(18日・両国国技館)横綱貴乃花は右四つで小結剣晃を寄り切って12戦全勝、トップを守った。1敗の2人も白星。横綱曙は隆三杉を押し倒し、大関武蔵丸は大関貴ノ浪を押し出して11勝1敗とした。貴ノ浪は3連敗で6勝6敗になった。
大関若乃花は栃乃和歌を押し出して9勝3敗。平幕の武双山も9勝目を挙げた。安芸乃島、魁皇の両関脇はともに勝って6勝6敗の五分に戻した。この日の結果、幕内は全勝の貴乃花を、1差で曙と武蔵丸のハワイ勢が追う展開は変わらず。十両は土佐ノ海が1敗守り、13日目に勝てば2度目の十両優勝が決まる。《共同通信》
【村山富市首相】「核持ち込みはない」
村山首相は18日の衆院予算委員会で、日本に寄港する米艦船の核登載問題について「そういう事態があれば必ず米国から(事前協議の)申し入れがあると思う。日米には信頼関係が確立しており、そういう疑念や心配はない」と述べ、これまでの政府答弁を踏襲、米側から事前通告がない以上、核持ち込みはないとの見解を表明した。
社会党は野党当時、核持ち込みの疑いがあると主張、政府を追及してきたが、首相答弁はこうした姿勢の転換を明確にしたものだ。
ただ首相は、「30年前は、米ソが対立し緊迫した状況を反映し、国民には核が持ち込まれているのではないかと言う人がたくさんいた」として、かつての社会党はこうした国民の声を反映して政府を追及してきたと釈明した。新進党の小池百合子氏の質問に答えた。
河野外相は、核拡散防止条約(NPT)の無期限延長決定直後に行われた中国の核実験について「核保有国が非保有国の信頼にこたえないのではないかという不安感、不満をもたらすとすれば、それが一番の問題点だと思っている」と述べ、NPT体制の動揺につながる重大な問題との懸念を表明した。《共同通信》
【政界談話室】
○…村山首相は18日の衆院予算委員会で、オウム真理教教祖の麻原彰晃容疑者が隠し部屋で逮捕されたことについて感想を求められ「オウムという宗教集団がどういう感覚で作り上げられているのか理解できない」と首をひねった後、「あんな所におって何の尊師か」と非難。その一方で「尊師だから、あんな所におったという見方もあるかもしれない」と、オウム真理教が「苦行」を売り物にしてきたことを皮肉った。余裕の答弁には、順調な捜査に気を良くした様子がありあり。
○…この日の新進党役員会で、首相公選制の実現を名目とした自民、新進両党議員の会合が開かれた余波とも取れる「結束」発言が幹部から相次いだ。まず、渡部幹事長代理が終盤国会について「政局流動が予想される事態なので、お互いに結束して事に当たろう」と団結を呼び掛けた。海部党首も「同感だ。いろいろな動きがあるが、自分たちが苦しい時は相手も苦しい。忍耐を持って結束していこう」と訴えたが、自ら「苦しさ」を認める結果にも。《共同通信》
【自民党・小渕恵三副総裁】衆参同時選挙「ないと思う」
自民党の小渕副総裁は18日午後、都内で講演し、夏の参院選と衆院選の「同時選挙」の可能性について「ないと思う」と否定した。その上で衆院解散・総選挙のタイミングについて①9月か10月の7年度第2次補正予算案審議のための臨時国会②来年1月の8年度予算成立後の三月③来年秋―などのケースを指摘。「最近は再来年の正月まで延ばしてもいいと考えているが、消費税率を引き上げる再来年の4月以降には延ばせない」として、早ければ今年秋にも総選挙の可能性があるとの見方を示した。
小渕氏は「選挙をやる立場からいえば今やった方が勝つという誘惑にも駆られるが、一方、地道に評価を仰ぐべきだとも考えると7月に(参院選と)一緒にとはいかない」と述べた。
村山政権について小渕氏は「今の時点では本人が政権を担当する意欲を持っているなら自民党は支えていく」と強調。同時に「参院選の後どうなるか。与党3党(の議席)を合わせて過半数を超えればいいという議論もあるが、合算していいのかという議論もある。その数字を社会党内や世間がどう受け止めるかだ」と述べ、参院選で社会党が大敗すれば社会党委員長としての村山首相の責任が問われる可能性を指摘した。《共同通信》
【坂本弁護士一家失踪事件】オウム元信者「幹部6、7人で拉致」
平成元年11月に発生した横浜市の坂本堤弁護士一家失跡事件について、地下鉄サリン事件で強制捜査を受けているオウム真理教の元幹部信者が、捜査当局の事情聴取に対し「教団最高幹部ら6、7人が一家3人に薬物を使い拉致した」と犯行の模様を詳細に供述していたことが18日明らかになった。
供述や捜査当局の調べによると、地下鉄事件や教団絡みの一連の事件で逮捕されている教団最高幹部の「建設相」早川紀代秀(45)、「自治相」新実智光(31)、「法皇内庁副長官」中川智正(32)の3容疑者のほか、刺殺された「科技相」村井秀夫氏=当時(36)=らが事件に直接かかわったという。
現場に教団のバッジが残されていたことなどから、発生当初から教団の関与が指摘されていたが、拉致にかかわった教団幹部を特定した供述が得られたのは初めて。警視庁や神奈川県警は、解明につながる重大供述とみて本格捜査に乗り出すとともに、関与したとされる一幹部らを追及、弁護士一家一の所在、安否の確認に全力を挙げる。
調べによると、供述したのは、教団発足当時からの信者で、現在はすでに脱会している元幹部の一人。当時早川容疑者らと極めて近い関係にあり、犯行の事実関係を知る立場にあったことから、捜査当局はこの元幹部信者から今年に入って数回にわたって事情を聴き、供述の裏付け捜査を急いでいる。
供述や捜査当局の調べでは、早川容疑者らは事件当日、6人で車2台に分乗し坂本弁護士宅に乗りつけ、坂本弁護士と妻都子さん、長男竜彦ちゃんの3人に薬物を使用、ぐったりしたところを拉致し、静岡県富士宮市の教団総本部に運び込んだという。3人はその後別の場所に移されたとみられるが、行方は分かっていない。
中川容疑者と故村井氏以外は、当時教団内で「警備班」と呼ばれていたグループのメンバーで、うち一人が犯行現場の坂本弁護士の自宅で教団のバッジを落としたという。早川容疑者は当時、教団「警備班」の班長を務めており、事件の主犯格とみられる。《共同通信》
◇
「教団はどう喝してきた」と坂本弁護士は同僚に打ち明けた。失踪前の同弁護士とオウム真理教側との交渉は1時間半に及び、物別れに。警戒感を強めた坂本弁護士は「気を付けようね」と「オウム真理教被害者の会」メンバーに忠告。しかし、標的となったのは、自身と妻子だった。
平成元年5月からオウム教の問題に携わるようになった坂本弁護士は、入信した子供を心配する肉親側の先頭に立ち、10月には被害者の会を組織。ラジオ番組で教団のトラブルについて発言した。
そして10月31日後、教団顧問弁護士の青山吉伸容疑者(35)が、幹部の上祐史浩外報部長(32)=当時=と、抗議行動の中心だった早川容疑者とともに坂本弁護士の事務所に現れた。坂本弁護士は「せめて未成年者はいったん家に帰したらどうか」と提案したがはねつけられ、帰り際「信教の自由がある」と言う上祐氏に同弁護士が「他人を不幸にする自由は許されない」と応じるなどやりとりは緊迫した。
「念のため、かぎをもう一つ付けた方がいい」と被害者の会の仲間を気遣いながら、翌日も被害者の相談に乗り、教団相手の訴訟を提案したがー。《共同通信》