1995 平成7年3月20日(月)

平成2263日目

平成7年3月20日(月)

1995/03/20

【地下鉄サリン事件】

Embed from Getty Images

20日午前8時20分ごろ、東京都内の地下鉄日比谷線や丸ノ内線など地下鉄3線の16駅の駅構内や車内で、刺激臭が立ち込め、出勤途中の利用客らが次々と倒れている、と110番があった。東京消防庁によると、おう吐やのどの痛みなど体の異常を訴え、出勤途中の日本たばこ産業社員Aさん(29)や霞ケ関駅助役高橋一正さん(52)ら計6人が死亡。約10人が重体になり、病院に運ばれたのは909人に達した。

警視庁は、築地駅構内の残留物などの分析から原因は有毒ガスの「サリン」の可能性が強く、同時多発の無差別殺人事件とみて捜査本部を設置、殺人などの容疑で本格捜査を始めた。

病院の医師によると、患者者はひとみが収縮、たんが出るなど、昨年6月に長野県松本市で起きたサリン事件の被害者の症状と酷似しており、警視庁は組織的に車内などに有毒ガスがまかれたとみて、発生源を調ベている。警察庁は刑事、警備局合同で総合対策室を設け、全国の警察本部に対し公共交通機関などの警戒を強化するよう指示した。東京消防庁も同時多発救急対策本部を設置した。

運輸省は緊急対策本部(本部長・戸谷博道鉄道局一長)を設置、亀井運輸相は鉄道、航空、海運など全国の交通機関に対し、厳重に警戒するよう指示した。

この影響で日比谷線は全線がストップ、丸ノ内、千代田線は霞ケ関駅を通過運転するなど、週明けの朝のラッシュアワーの地下鉄各駅は大混乱となった。《共同通信》

通勤客で混雑する首都の地下鉄を、突然強い刺激臭の有毒ガスが襲った。「息苦しい」「目がかすんで見えない」。込み合う車内は、乗客が悲鳴を残し次々と倒れパニック状態に。週明けの20日、猛毒ガス・サリンを使ったとみられる「薬物ゲリラ」事件が発生した。被害者は900人を超え、死者も増え続ける。官庁街を、オフィス街を救急車が慌ただしく行き交い、目や口を覆った乗客らであふれた。だれが何の目的でー。昨年6月の松本サリン事件の悪夢が再びよみがえる。東京の地下を走る巨大な交通網は、無差別殺人の恐怖に震え上がった。

車内に置かれた弁当箱のようなものに近づいた駅職員が突然、バタバタと倒れた。顔色を変えた乗客らが、どっと階段を駆け上がって地上に飛び出した。

国の省庁が立ち並ぶ官庁街の地下鉄霞ケ関駅。「突然、目がかすんで胸が詰まった」と同駅互助会売店のAさん(29)。「午前8時40分ごろ、商品の仕分けをしていたら、倒れた人たちが続々とタンカで運ばれてきた」。大半の乗客らが、口を押さえておう吐を繰り返していた。

「電車を止めろ、降ろしてくれ」と悲鳴が上がった。地下鉄日比谷線では、六本木駅を過ぎたころから刺激臭がひどくなった。乗客らは窓を開け、ほとんどの人が車内にしゃがみ込んだ。有毒物質の置かれた車両の1両目に乗っていた会社員Bさん(23)は「弁当箱のような物から透明な液体が出てきて、胸がむかむかするような強烈なにおいがした」。

地下鉄丸ノ内線中野坂上駅では「怪しげなビニール袋から強い異臭が出ている。窓を閉めてください」との車内放送が繰り返された。築地駅では東京都下水道局の職員数人がガスマスクと酸素ボンベを装着し、有毒ガスを調べるなど各駅は異様な雰囲気に包まれた。《共同通信》

東京都心部の地下鉄構内で有毒ガスが発生した事件で、異常を訴え病院に運ばれた被害者は20日午後11時半現在、3227人に達したことが警視庁築地署捜査本部の調べで分かった。東京消防庁によると、うち6人が死亡、15人が重体。同時多発テロでは前例のない大量殺傷事件となった。

捜査本部は営団地下鉄日比谷線、千代田線、丸ノ内線の3路線5車両で有毒ガスの発生源とみられる容器計6個を発見。複数の残留物の分析から、主成分を猛毒の神経ガス「サリン」と断定。また、現場1カ所からはマスタードガスとみられる「びらん性ガス」を検出した。

複数の現場で不審な男が目撃されている上、複数の猛毒ガスが検出されたことで、捜査本部は毒ガス精製に通じた組織による無差別殺人とみて、捜査一課を中心に刑事、公安、生活安全各部から捜査員300人を動員、全庁的な異例の態勢で本格捜査に着手。昨年6月、7人が死亡した長野県松本市のサリン事件との関連を調べている。

一方、日比谷線小伝馬町に出動した自衛隊が現場の毒物を中和させる作業中、付近の有毒ガス検知で、マスタードガスとみられる「びらん性ガス」を検出した。警視庁科学捜査研究所で鑑定を急いでいる。

小伝馬町駅などから病院に運ばれた3人の患者は、サリンによる症状のほか、発疹や気管支炎などびらん性ガスの症状が出ているという。

事件直前、日比谷線恵比寿駅で目撃されたサングラスにマスク姿の3、40歳の男など複数の現場で、容器を車内に放置して逃げた男が目撃されており、捜査本部は複数の犯人が午前8時ごろを期して一斉に毒物を仕掛けたとみて不審人物の割り出しを急いでいる。

調べによると、毒物が入っていた容器は、霞ケ関駅で2つ、中野坂上、本郷3丁目、築地、小伝馬町の各駅で1個ずつ回収された。中野坂上で見つかった自いビニール袋には縦横10センチの箱2個が入っており、1つは空だったがもう1つには白い液体が入っていた。それ以外は、新聞紙にくるまれた縦横約20センチの弁当箱大の容器で、液体が漏れていた。

日比谷線車内ドア近くや丸ノ内線車内シート下の床などの残留物をガス成分分析器で解析したところ、複数の残留物からサリンを検出した。中野坂上駅の残留物からは「アセトニトリル」と呼ばれる劇物のシアン化合物を検出、捜査本部はサリンとシアン化合物の混合物の可能性があるとみている。

捜査本部は、長野県松本市で起きたサリン事件との関連を調べる一方、15日早朝、丸ノ内線霞ケ関駅構内に放置されたかばんから白煙が噴出した事件についても関連があるかどうか調べている。《共同通信》

五十嵐官房長官は20日の記者会見で、地下鉄サリン殺傷事件について「政府としては警察、消防で被害者の救助と捜査に全力を挙げて取り組むことと、全国の公共交通機関や人々が集まる場所での警戒を全国の警察に指示した」と表明。官邸で対応策を緊急協議した。

また、同長官は村山首相から「被害者の救助の徹底を期すとともに、警戒を強化し、再発防止に全力を挙げるように」との強い指示があったことを明らかにした上で、「何の関係もない善意の大衆の被害は憎むべきことだ。この際、徹底して捜査し、原因を究明したい」として、徹底究明を強調した。《共同通信》



【オウム真理教】国家権力による諜略

地下鉄サリン殺傷事件に絡み、宗教法人「オウム真理教」(総本部静岡県富士宮市、麻原彰晃教祖)は20日、「国家権力は、オウム真理教が非道な行為を行ってはばからない一団体であると印象付けるために、東京サリン事件という謀略的犯罪を引き起こしたと考えられる」などとする見解を発表した。

見解は「一部情報によると、不当にも東京サリン事件と当教団を結び付ける動きがある」などとした上で「(事件は)教団への弾圧を行いやすくするために計画的に仕組まれた」などとしている。

さらに「国家権力は、大阪における当教団に対する強制捜査によって、当教団を(信者である大阪大学生の)逮捕監禁犯人と印象付け、マスコミはその情報をそのまま横流しし、いっそうあらぬ疑惑を拡大させている」などと述べている。

こうした見解を発表した理由について、同教団外報部の広末晃敏氏は「事件発生直後から、報道機関数社の取材が相次ぎ、当教団が事件とかかわりがあるかのようにみられている印象を受けたので、先んじて事件と無関係であることを宣言した」などと話している。《共同通信》

【横山ノック氏】大阪府知事選出馬表明

23日告示の大阪府知事選で、タレントの横山ノック参院議員(63)=大阪選挙区、無所属=は20日夜、大阪市内で記者会見し「(非共産)オール与党は知事後援会ヤミ献金事件の反省がないまま、談合で天下り候補を誕生させた。勝敗はともかく知事選に挑むことが私の使命」と述べ、正式に立候補を表明した。

大阪府知事選は自民、新進、社会、さきがけ、光栄推薦の前科学技術事務次官・平野拓也氏(60)と共産推薦の弁護士小林勤氏(62)による事実上の一騎打ちとみられたが、非共産オール与党による中央官僚OBを批判するノック氏の出馬表明で相乗り対共産の構図が崩れ選挙戦は混とんとしてきた。《共同通信》

【政界談話室】

○…村山首相は20日、首相官邸で科学技術庁の村上事務次官から気象衛星「ひまわり5号」が円軌道に乗ったと報告を受けた。首相の在職日数が細川元首相を超えたこともあって、記者団が「村山政権も軌道に…」と水を向けたが、「今、それどころじゃない」と、地下鉄サリン殺傷事件で頭がいっぱいの様子。さらに朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への与党訪問団派遣をめぐる調整難航、次期衆院選に向けた社会党の候補者選びもままならないなど問題山積の状態で「政権の来し方、行く末に思いをめぐらす暇がない」(首相周辺)のが実情のよう。

○…与党「行政改革プロジェクトチーム」はこの日、規制緩和に関する省庁ヒアリングを報道陣に公開した。もっともカメラ撮影は冒頭の数分だけで、水野清座長(自民党)のあいさつの後は、撮影禁止に。当初は規制緩和を求める同プロジェクト側を「原告」、抵抗する官僚らを「被告」に見立てて、「徹底的に締め上げる」(自民党政調幹部)と張り切る声もあったものの、結果は肩透かし。報道陣からは「裁判形式でも何でもいいから、最後まで撮影を認めて国民に実態を見てもらうべきだ」とさらなる取材の規制緩和を求める声が出ていた。《共同通信》

【大相撲春場所】9日目

大相撲春場所9日目(20日・大阪府立体育会館)大関若乃花に土がつき、9連勝の横綱の曙が単独トップに立った。若乃花は土俵際、右下手投げを打ったが、琴の若に上手投げを打ち返され一瞬早く落ちた。曙は関脇安芸乃島に突き、押しを残されたが、豪快に押し倒した。横綱貴乃花は小錦を左上手出し投げに仕留め、大関武蔵丸は左四つから関脇魁皇を寄り切りともに1敗を守り勝ち越し。大関貴ノ浪は大至をはたき込み5勝4敗。この結果、幕内は全勝の曙を1敗で貴乃花、武蔵丸、若乃花の3人が追う展開となった。十両は時津洋と力桜が7勝2敗で並んでいる。《共同通信》



3月20日のできごと

シェアする

フォローする