平成2006日目

1994/07/06

この日のできごと(何の日)

【村山富市首相】サミットへ出発

村山首相は6日午前、先進国首脳会議(ナポリ・サミット)への出発に当たって、首相官邸で記者団のインタビューに応じ「今度の政権が急速にできたので、政権の政策、姿勢への理解を深めてもらい、外交が継続され、約束したことは実行していくことを訴えたい。信頼、安心してもらえるいい機会と思う」と抱負を述べた。

また首相は「円高が日本経済に与える影響は大きい。為替を安定させる条件をしっかりつくりたい」と述べ、サミットを通じて為替相場安定の成果を挙げたいとの考えを強調した。

さらに「あまり気負わず、自然体でありのまま率直に語り合いたい。個人的にも信頼される条件をつくるのが大事だ。日米会談でも率直に話せるいい機会と思ってやりたい」と述べた。

一方、五十嵐官房長官は同県前の記者会見で「首相の持ち味、人柄を通じて日本の考え、政策を深く知ってもらいたい。成功して帰国するよう期待している、と首相に伝えた」と語った。

村山首相は6日午後0時18分、羽田発の日航特別機でイタリアに向け出発した。《共同通信》

首相就任後わずか一週間で先進国首脳会議に出席することになった村山首相は、6日タ(日本時間7日未明)、日航特別機で河野副総理兼外相、武村蔵相、橋本通産相とともにサミットが開かれるイタリア南部の都市ナポリに到着した。

首相は「外交実績ゼロ、国際社会での知名度ゼロ」(社会党幹部)とあって逆に開き直ったのか、特別機内での同行記者団へのあいさつでも「私の初めての旅でいろいろ論評されているが、気負わずに自然体でやりたい」と、国内外にある村山政権に対する不安や懸念を意識して「無私」の心境を強調した。

東京で延べ十数時間の詰め込み勉強をしてきた首相は、早速機内でもソファに腰を沈めて3閣僚と打ち合わせに入った。蔵相として出席した経験のある橘本通相除く3党首はいずれもサミット初出席。具体的な話題には触れず「外交は継続、内政は改革」で臨むとの基本方針をあらためて確認したものの、準備不足の付け焼き刃が通用するか不安も残る。

しかし、首相はスチュワーデスや乗務員にも「気を使わず普通にしておいてくだい」と「普通の人」に徹し、「首相の大分弁のニュアンスをうまく通訳できれば」との声が出ると「それは無理じゃろ」と切り返すなど、周囲の心配をよそに終始リラックスしていた。

首相は7日は公式日程を一切入れず、時差調整と事前の勉強に充てる予定で、8日の日米首脳会談をはじめとする各国首脳との個別会談、さらに8日夜の首脳同士のディナーでいよいよサミットが開幕する。《共同通信》

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【政界談話室】

○…村山首相は6日、先進国首脳会議(ナポリ・サミット)に出発する際、記者団が質問攻め。日の丸の小旗がついた日航特別機に乗る心境を問われた首相は、「それは別に関係ありませんね」と、社会党がもはや日の丸に抵抗感を持っていないことをアピール。初めての大舞台を前に淡々とした応答でかわした。記者団が「うまくいけば最初で最後のサミットにならないかもしれませんね」と追い打ちをかけると「うん、率直にね…」と言いながらも、さすがにムッとした様子。

○…この日の新党さきがけの総務会に、官房副長官に就任、サミットに同行する園田前代表幹事が公務の合間を縫って姿を見せた、早速、前日の村山首相と宮澤元首相の会談が話題に。園田氏は「宮澤さんは首相の初記者会見をとてもほめてくれた」「サミットについてアドバイスが適切だし、スケジュールも全部頭に入っているようだ」などと披露、サミット指南役の宮澤氏から合格点が出たことにひと安心の様子。首相から特別補佐就任を求められ固辞している田中代表代行が「宮澤さんに村山さんの特別補佐をやってもらったらいい」と混ぜっ返したため一同爆笑。《共同通信》

【米・カーター元大統領】日本政府に金主席のメッセージ伝達

カーター元米大統領は6日、東京の米国大使館で記者会見し、6月に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問して金日成主席と会談した際、日本政府あてのメッセージを託され、同日朝、河野外相に既に伝えたことを明らかにした。

メッセージの内容は明らかにしなかったが、カーター氏は、このメッセージによって日本との外交関係が樹立するようになることを、金日成主席が希望して、いると述べた。

カーター氏はシンポジウム出席などのため2日来日した。

同氏はまた北朝鮮が既存の黒鉛減速炉から軽水炉ヘの転換について、コストや原料調達などの検討を始め、ロシアから導入すれば約10億ドル、スイスからだと約30億ドルなどと試算していることも明らかにした。

南北離散家族再会や相互訪問などの問題については、金主席が「好意的な」反応を示し、取りあえずテストケースとして70歳以上の人たちで始める案を示したという。《共同通信》

【大相撲名古屋場所】4日目

大相撲名古屋場所4日目(6日・愛知県体育館)4大関がそろって白星。横綱を目指す貴ノ花は2場所連続で不覚を取っていた小結寺尾に快勝し、1敗を守った。かど番脱出を目指し大関若ノ花は業師、舞の海を浴びせ倒し、武蔵丸は旭道山を小手投げに下しともに無傷の4連勝。貴ノ浪も智ノ花を小手投げに破った。この日の結果、幕内の全勝は武蔵丸、若ノ花と新入幕の大至の3人。十両は巴富士、立洸が勝ちっ放し。

【ヤクルト・山部太投手】プロ初勝利

ヤクルト3−0中日◇6日◇ナゴヤ

山部が力のある速球を武器に中日打線を2安打に完封しプロ初勝利を挙げた。いつもの制球難で苦しむ投球が影を潜め、ストライクを先行させた。直球だけでなくタイミングを外す縦の変化球も効果的に決まり、最後まで投げ切った。

打線は一回に一死三塁から遊ゴロの間に走者が生還し先制、四回にも安打、四球などで一死満塁とし秦の2点適時打で加点した。《共同通信》

【巨人・桑田真澄投手】通算100勝達成

巨人6−1阪神◇6日◇甲子園

巨人が11安打で6点を奪って快勝した。先制したのは三回。一死二塁で松井が遊撃内野安打し、久慈が三塁へ悪送球した間に二塁走者グラッデンが生還した(松井は二進)。さらに二死満塁から岡崎の左前打で1点。五回には二死から四球と3連打で2点、九回にも2点を挙げて突き放した。

桑田は序盤こそ不安定だったが、四回以後はコーナーに球を散らして力投。今季8勝目を完投で飾り、通算100勝を果たした。《共同通信》

【千葉】いたずらしたら女性警官だった

6日午後6時半ごろ、JR総武線下り快速電車内で、帰宅途中の警視庁向島署の女性巡査(19)にいたずらをした男が、強制わいせつ行為の現行犯で逮捕された。逮捕されたのは千葉市若葉区、会社員A容疑者(56)た。

調べによると、A容疑者は船橋ー津田沼駅間で、ドア付近にいた女性巡査の体に触れ、スカートの中に手を入れるなどした。女性巡査はA容疑者の手を押さえ付けて警察官であることを名乗り逮捕、稲毛駅で千葉西署員に引き渡した。《共同通信》

【皇太子同妃両殿下】東宮御所入り

皇太子ご夫妻は6日夕、静養先の神奈川県葉山町の葉山御用邸から帰京、新居になる東京・元赤坂の東宮御所(旧赤坂御所を名称変更)に入られた。これで東宮仮御所からの引っ越しが終わり、結婚2年目に入ったご夫妻はあらためて新生活をスタートさせる。

皇太子ご夫妻は今月4日から葉山御用邸に滞在していたが、この間、東宮仮御所から2トントラック延べ約60台でご夫妻や宮内庁職員らの荷物が運ばれた。引っ越し費用は約300万円。

東宮御所の玄関前で宮内庁職員ら約80人の出迎えを受けたご夫妻は、笑顔で職員らに一礼し、自分の部屋に向かわれた。ご夫妻は「東宮御所で2人の新しい生活を始めることに深い感慨を覚えます。心を新たにこれからの務めを果たしていきたいと思います」と、侍従を通じて感想を述べられた。

東宮御所の建物は昭和35年4月に建てられ、天皇、皇后両陛下と紀宮さまが昨年12月まで赤坂御所として使われた。その後、皇太子ご夫妻の新居とするため、内装や屋根のふき替えなどを中心に約3億800万円をかけて改修工事が行われた。

皇太子さまの注文で、ししおどしのある小さな日本庭園が造られたほか、照明器具や内装などをお二人の好みで決められたという。《共同通信》



7月6日 その日のできごと(何の日)