平成1621日目
1993/06/16
この日のできごと(何の日)
【カンボジア・シアヌーク殿下】新憲法案提示
プノンペン政権(人民党)放送が16日伝えたところによると、カンボジア最高国民評議会(SNC)議長のシアヌーク殿下は15日、民族統一戦線、人民党、仏教自由民主党の3党首と会談した際、非同盟中立路線や仏教を国教とすることなどを盛り込んだ新憲法案を提示した。制憲議会筋によると、殿下は16日午前も旧王宮で前日に続き、3党の党首と会談した。
新憲法案や、殿下が前日提案した暫定連立政府の構成、閣僚ポストの配分について具体的な協議が進められたとみられる。
シアヌーク殿下の憲法案によると、国名は「カンボジア」。三権分立を確立し、外交路線は「非同盟中立」とし、中立を保つ意味から東南アジア諸国連合(ASEAN)への加盟は必要としないとしている。国家元首は議会で選ばれ、任期は4―5年、再選は可能。国家元首の権限については、議会決議を完全に拒否できないが、議会に修正を求めることはできるとしている。
国教は「仏教」だが、ほかの宗教も認め、国旗は、1970年のロン・ノル将軍によるクーデターで追放されるまで、シアヌーク殿下の統治時代に使用していた国旗を復活させたいという。《共同通信》
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カンボジアの民族統一戦線と人民党、仏教自由民主党の主要3党は16日、旧王宮内で党首会談を開き、最高国民評議会(SNC)議長のシアヌーク殿下が提案した民族統一戦線のラナリット党首とプノンペン政権(人民党)のフン・セン首相を共同議長(首相)とする「カンボジア暫定国民政府」の樹立で合意した。仏教自由民主党のソン・サン党首が制憲議会の議長に就任することも決まった。
人民党スポークスマンは「閣僚ポストの配分などで調整すべき問題が残っている」と話しており、暫定政府の発足までにはまだしばらく時間がかかりそうだ。しかし、最大の難問だった二大政党の指導者の処遇問題が解決したことで、一度は挫折したシアヌーク殿下の政府構想は実現に向けて大きく前進した。各党首は、17日以降も引き続き暫定政府問題に関して協議する予定である。《共同通信》
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【野党】宮澤内閣不信任案提出へ
今国会の会期末を4日後に控え、政治改革関連法案の取り扱いをめぐる与野党の攻防は16日、最終段階に突入した。自民党は党議決定に従って「単純小選挙区制」導入を柱とする自民党案を衆院政治改革特別委員会で採択することを正式決定、これに対し野党側は宮澤内閣不信任案を17日に提出することを確認した。《共同通信》
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自民党羽田派は16日の幹部会で、野党が提出する内閣不信任案に対して賛成する方針を固めた。17日の緊急総会で最終的な派閥の対応を決定する。この方針に基づき、羽田代表、小沢元幹事長ら幹部が電話連絡を取り派内の意見集約を進めているが、派内には、「欠席までは当然だが、野党案への賛成は自民党除名につながる」として慎重論もあり、一部メンバーは欠席という柔軟対応になる余地も残っている。
不信任案贊成を総会で正式決定すれば、中島科技庁長官と船田経企庁長官は閣僚の辞表を提出する見通しだ。同派幹部は、賛成した場合、「必ずしも離党につながるわけではない」としているが、党執行部は賛成すれば制裁措置で対抗するのは必至で、脱落も予想される。《共同通信》
【政界談話室】
○…宮澤首相は16日、政治改革をめぐり質問を連発する記者団にぴりぴりした雰囲気で受け答え。午後4時からの自民党総務会を前に「首相の腹積もりは決まったか」と聞かれると、「それはだいたい分かるわな」「基本はね」と言葉少な。「基本とは」と突っ込まれても、「4時になれば分かることじゃない、今聞かなくっても。それを聞いて下さい」とぴしゃり。政治改革について「まとまりますから心配しなさんな」と余裕たっぷりな発言を繰り返したころとは打って変わって、その話題には触れたくない様子がありあり。
○…社会党の山花委員長はこの日朝、労働組合関係者との会合に出席。大詰めの国会情勢について「丸太の上で大立ち回りをやっているようだ。足を滑らした方が落ちてしまう」と、政治改革を錦の御旗にした押せ押せムードを戒めるようなあいさつ。内閣不信任案については「自民党内の(政治改革推進派の)主張が、信念に基づくものなら可決の可能性が強い」と分析しながらも、18日告示の都議選と総選挙が「同時にくるかもしれず、緊張している」と心境を吐露。《共同通信》