平成1459日目

1993/01/05

この日のできごと(何の日)

【あかつき丸】茨城・東海港に帰港

来世紀の原子炉として期待される高速増殖炉の燃料となるプルトニウム約1トンを積んだあかつき丸(4800トン)は5日午前7時前、フランスを出港以来58日、日本を出てから134日ぶりに茨城県・東海村の東海港に帰港した。港付近では国際環境保護団体グリーンピースなどが抗議行動を繰り広げ、茨城県警や海上保安庁は約2000人を動員、空や海、陸上で厳戒態勢を敷いた。

核防護上厳しい管理が求められるプルトニウムが1トンも大量輸送されたのは日本では初。今回の輸送を契機に、本格的なプルトニウム利用に向け、歩み始める。

入港の様子は国内外の報道陣に公開された。しかし、接岸後は再び報道陣を締め出して、核ジャック防止のために厳重に封印された四つの船のふたを開ける作業を開始。午前10時前には、岸壁に据え付けられた巨大なクレーンでプルトニウムの入った最初のコンテナが陸揚げされた。

次々と姿を見せた灰色のコンテナは、待機した10台のトレーラーに積み込まれた。岸壁では、作業員らがトレーラー周辺の放射線量に異常がないかチェックした後、約2キロ離れたプルトニウム燃料工場に向かった。トレーラーは6日までピストン輸送され、全部で15個のコンテナを運び込む。

運ばれたプルトニウムは、動力炉・核燃料開発事業団(動燃)が今秋に臨界を予定している高速増殖炉原型炉もんじゅ(敦賀市)の取り換え燃料用。フランス核燃料公社(COGEMA)で使用済み核燃料から取り出された後、昨年11月8日にフランス・シェルブール港であかつき丸に積み込まれた。133個の輸送容器に格納し、さらに15個のコンテナに収納されて輸送された。

あかつき丸はシェルブール港を出港後、南アフリカの喜望峰からオーストラリアの南を回り太平洋を北上、地球を4分の3周して、到着した。この間、政府は核ジャック対策を理由に航路や日本到着日時などを極秘にしてきた。

日本は国内の原子力発電所から出された使用済み燃料を再処理して得られるプルトニウムを軽水炉や高速増殖炉で燃やす計画を進めている。しかし青森県・六ケ所村に建設する商業用再処理工場の本格操業は2000年以降。一方で、日本は英国とフランスにプルトニウム約30トンを取り出す再処理を委託しており、今後も今回のような厳戒態勢での輸送が繰り返される。《共同通信》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【名古屋市】宝石店が「1億円の福袋」発売

イメージ不況を吹き飛ばせと、名古屋市内の貴金属・宝石販売店「美宝堂」(野々垣学社長)が新春セールの目玉商品として「1億円の福袋」を5日から売り出した。

同店の福袋は今回が初めてだが「今の不景気はイメージが先行。せっかく福袋を出すならこの不況イメージを壊す起爆剤になるようなでっかいも」のを」(同社長)というのが狙い。

福袋の中身は20カラットのダイヤモンドをちりばめた腕時計やエメラルドのネックレスなど合計時価計約2億3000万円相当の8点。同店によると、このところ40−50万円の中級品の売り上げは伸び悩んでいるものの、数百万円台の高級品は好調なことから「十分成約の可能性はある」(野々垣敬専務)と強気だ。

セールは20日までだが、このほか、1000万円2個、100万円5個、10万円10個の福袋も同時に売り出している。《共同通信》

【大相撲・貴花田関】技に力強さ

大相撲の東京開催場所前恒例の横綱審議委員会(上田英雄委員長)によるけいこ総見が5日午前、東京・両国国技館内の相撲教習所で行われた。

三役以上では右足の古傷が悪化した大関の曙と、大関から転落した公傷の関脇、霧島が欠席。けいこではともに大関昇進を目指す貴花田と琴錦の両関脇が好調さをアピールした。貴花田は技に力強さを増し、琴錦も持ち前の速攻のさえを披露した。

昨年九州場所で途中休場したかど番の大関小錦は貴花田、若花田らを相手に7勝3敗と復調の兆しを見せた。《共同通信》

【プロ野球・阪神】松永浩美内野手の入団を発表

阪神は5日、大阪市内のホテルで、野田投手との交換トレードでオリックスから獲得した松永浩美内野手(32)=180センチ、78キロ、右投げ左右打ち=の入団を発表した。背番号は未定。

記者会見には、三好球団社長とともに中村監督も出席。監督から「悲願達成のために必ずや大車輪の活躍をしてくれると思う」と期待された松永は「自分の力を出し切って阪神の優勝に貢献したい。(監督を)男にしたい気持ちはある」と力強く抱負を話した。

個人の記録としては、打率3割、20本塁打、20盗塁を今季の最低ラインに掲げた。年齢的に十分射程圏内にある2000安打(あと459)には「2000本と言わず、2500本が目標。両リーグで1000本打ちたい」と大きな夢。《共同通信》

【経済4団体】首脳が会見

平岩外四経団連会長ら経済4団体首脳は5日午後、都内のホテルで新年恒例の共同記者会見をし、政権交代可能な保守2党体制を展望した政界再編成の動きが促進されることに積極的な期待と支持を表明した。また、景気回復の見通しでは「先行きは真っ暗」(石川六郎日本商工会議所会頭)などと厳しい見方を示した上で、第六次公定歩合下げや来年度予算成立後に赤字国債発行による所得税減税など追加的景気対策を求める声が相次いだ。

不況下の今春闘に関しては、永野健日経連会長が「バブル時代に肥大化した設備と人件費のカットがリストラクチャリング(企業再構築)のかぎだ。ベースアップは無理で、定昇だけは何とか上げてやりたい」と厳しいベア・ゼロ論を展開した。日経連は近く臨時総会を開き、春闘に対する正式方針を決めるが、永野氏がペア・ゼロ論を公式に述べたのは初めて。

4団体首脳の保守2党体制への期待は、財界がかねてから要望している政治改革推進と、政界再編の動きとの関連で表明された。

平岩会長は「経団連は、議会制民主主義と自由主義に立った政党を支持していく。(政治改革の結果)日本も米国と英国のような保守2党体制になることが望ましい」と述べ、石川会頭は「自民であれ新党であれ政権交代可能な幾つかの党ができることが今後の方向」と指摘。

「小選挙区制の下で多数を取った方の政党が思い切り政策本位の政治をやるべきだ」(永野会長)と政策本位とカネのかからない政治を実現するためには、政界再編の現実の動きを加速して保守2党体制に行き着くことが妥当、との見方が示された。

追加的景気対策については、速水優経済同友会代表幹事が「大幅黒字国の日本は、国際的な視野に立って赤字国債を出してでもやっとていかないと欧米からの批判にさらされる」と内需拡大の国際的要請を踏まえた所得税減税の必要性を重ねて強調。

平岩会長も「第六次利下げや所得・法人税減税など財政、金融、税制の対応を準備しておかねばならない」と追加的景気対策に言及した。《共同通信》

【宮澤喜一首相】「5年度予算案早期成立を」

宮澤首相は5日午前の今年初閣議で内閣の課題として景気対策、政治改革、国際貢献の3つのテーマを挙げ各閣僚の協力を要請した。

特に景気対策については「昨年、成立した平成4年度補正予算の効果はこれから数ヶ月にわたって現れてくると思う。これに5年度予算の効果が加わることが期待される」として5年度予算案の早期成立を求めた。《共同通信》

【社会党委員長選挙】田辺氏、山花氏支持を表明

社会党の田辺委員長は5日午前、党本部の旗開きであいさつし、山花書記長が委員長選に出馬表明したことについて「山花という政治家が一歩前に出ようという決意と気概を受け止め、惑動し、頼もしく思った」と述べ、山花氏を支持する考えを公式に表明した。

続いてあいさつに立った山花書記長は「今日の社会党の現状と将来をしっかり見極めた上での(田辺氏の辞任の)決意を受け止めたい」と、田辺氏の党改革路線を継承することを強調。「自民党の一党支配を打ち破り、日本の政治を変えていくことに社会党は新たな前進を期さねばならない」と委員長選挙に臨む決意を述べた。《共同通信》

【カンボジア フン・セン首相】UNTACは武力行使を

プノンペン政権のフン・セン首相は5日記者会見し、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)に対し、武装解除を拒否すポル・ポト派から攻撃された場合は撤収せずに、国連軍として武力行使すべきだと要請した。

フン・セン首相は「カンボジア国民は、クメール・ルージュ(ポト派)を抑えきれないUNTACに失望感を抱いている」と指摘。「逃げ足は早い」とUNTACを批判した上で、「UNTACの実力と勇気を示してほしい」と訴え、パリ和平協定で規定されたUNTACの停戦監視中心の任務、権限を修正し、ポト派の威嚇に屈しないよう求めた。プノンペン政権側が、UNTACに対し、ポト派への軍事的な反撃を提唱したのは初めて。

ポト派が乾期攻勢を仕掛けているカンボジア中部コーンポントム州などでのUNTAC要員の連続拘束事件、バタンバン、シエムレアプ州でのUNTAC軍歩兵部隊の避難が、首相発言の背景にあるとみられる。

フン・セン首相は会見の冒頭、声明を発表し、ポト派が勢力拡大を続ける情勢下では「(ことし5月の)総選挙は、実施不可能を含め多大な困難に直面するだろう」と警告。国連安全保障理事会に対し、ポト派をカンボジア最高国民評議会(SNC)から除外するよう改めて呼び掛けた。《共同通信》

【米国】28年ぶりに絞首刑

米ワシントン州刑務所で5日未明(日本時間同日夕)、3人の男児を殺し死刑判決後、絞首刑を希望していたウェスリー・ドッド死刑囚(31)の絞首刑が執行された。米国で絞首刑が執行されたのは1965年のカンザス州での執行以来28年ぶり。

死刑反対派の市民らは「絞首刑は残酷な刑罰を禁じた憲法に違反する」と執行中止を求める訴えを起こしたが、州最高裁は4日にこの訴えを却下していた。

死刑になった元船会社従業員のドッド死刑囚は89年9月、公園で11歳と10歳の兄弟にいたずらして殺害、翌10月にも4歳の男児を誘拐、アパートの自室で暴行して殺したとして、死刑判決を受けた。

ドッド死刑囚は「自分は死ななければまた殺人を犯すだろう。死刑は怖くない」として控訴などの手続きを一切とらなかった。《共同通信》



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