平成2963日目

平成9年2月17日(月)

1997/02/17

【橋本龍太郎首相】沖縄県・大田昌秀知事と会談

橋本龍太郎
https://www.kantei.go.jp/

橋本龍太郎首相は17日夜、首相官邸で沖縄県の大田昌秀知事と約1時間会談した。米軍基地問題に関し、大田知事が海兵隊を含む兵力削減を求めたのに対し、首相は現段階で米側に削減を求める考えのないことを重ねて強調。政府と県の立場の違いが明らかになった。両者は3月中旬に再度会談することで合意した。

首相は米軍機による劣化ウラン弾誤射問題と政府の対応について「弁解の余地もなく県民に申し訳ない」と陳謝した。

大田知事は会談で「沖縄県としては在日米軍の兵力削減を求めていかなければならない立場にある」として、政府側の努力を要請。これに対し、首相は「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の事件(亡命)が起きたばかり。朝鮮半島問題は厳しい。米国は国防、国務長官も替わったばかりで、兵力削減に立ち入って話をするのは厳しい側面がある」と現段階では難しいとの認識を示した。《共同通信》



【山梨リニア実験線】初の自力走行

JR東海と鉄道総合技術研究所(JR総研)などは17日、超電導磁気浮上式リニアモーターカー山梨実験線で初めて実験車両を超電導状態にしてリニアモーターを起動し、自力走行実験を行った。

低速のため車両は浮上しない車輪走行だが、4月3日には本格的な走行試験を始める予定で、最高時速550キロ実現に向け、調整の最終段階に入った。

この日は山梨県都留市の実験センター付近で3両編成の実験車両のけん引用ディーゼル車を分離、車両に取り付けた超電導磁石とガイドウエー(車両走行路)側壁の推進用コイルを反応させて超電導状態で推進力を生み、低速用車輪で自力走行。

午後0時半ごろから同センター前の100メートル前後を、時速20−30キロの低速で往復。15秒ほど走っては約10分間停止し、車両内の測定係の職員が走行状態を細かくチェックした。

3月末まで調整を続け、不具合がなければ、完工した先行区間18.4キロ(大月市−都留市)で4月以降、徐々に速度を上げて車両を浮上走行させる。《共同通信》

【民主党・菅直人代表】与党との予算協議、行革対応で判断

民主党の菅直人代表は17日、都内で行った講演で、平成9年度予算案の歳出削減をめぐる自民、社民、さきがけ3党との協議について「橋本政権と与党が踏み込んだ形を出せるか、やはり無理だなとなるか判断の分かれ目になる」と述べ、19日の4党協議では行政改革を判断の基準にする考えを示した。

菅氏は民主党としては当初予算案での3兆円規模の減額修正が基本であることを強調する一方で、社民党などが主張している予算成立後の執行段階での減額案について「われわれも考え方をまとめていきたい」と検討する考えを明らかにした。《共同通信》

【北朝鮮】黄書記の亡命認める

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の外務省スポークスマンは17日、北京で韓国への亡命を申請した黄長燁労働党書記について「彼(黄書記)が亡命を追及したとすれば、それは変節を意味するもので、変節者はどこへでも行けというのが我々の立場」と言明、黄書記が韓国へ亡命申請したことを事実上初めて認めた。朝鮮中央通信が報じた。

北朝鮮はこれまで黄書記の亡命申請は韓国側による「ら致」としてきた。スポークスマン発言は、これを修正したもので、中国側が黄書記の亡命の意思を確認したと通告した可能性がある。

一方、北京では、銭其琛外相はシンガポールから帰国したのを受け、中国政府は同日、政府部内で本格的な対応の協議を開始。また北朝鮮の朱昌駿・駐中国対しが中国外務省を訪問、あらためて黄書記の引き渡しを求めたようだ。

この日の北朝鮮外務省スポークスマン発言は黄書記を肩書なしで呼び捨てにしており、「変節者」として位置付けることで、黄書記の亡命問題に決着をつけようとする狙いがあるとみられる。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は17日午前、首相官邸を訪れた自民党の村岡兼造国対委員長に「沖縄県の大田昌秀知事ときょう会うが、予算委員会の審議が詰まっていて考える時間がない」と国会審議に忙殺されていることを嘆いた。実弟の橋本大二郎高知県知事の公邸に右翼の街宣車が突っ込んだ事件について記者団に聞かれても「そりゃ心配さ。でも、時間がないから電話できない」ともどかしさを訴えた。午後の衆院予算委で、官邸執務室での過ごし方を問われ「もっと思いをいたす時間をつくっては」と注文を付けられると「先週は審議が詰まっていてほとんど執務室にいなかった」。

○・・・自民党の加藤紘一幹事長はこの日の記者会見で「今年秋の自民党総裁選では橋本竜太郎総裁の再選を支持すると発言したが、考えに変わりはないか」とあらためて尋ねられ「はい。それで結構です」ときっぱり。続けて最近活発化している旧派閥横断の中堅や若手の勉強会発足の動きに触れ「いま、党内でいろんなグループが動いているとか言われていますが、私はグループはあっていいと思う」と容認する一方で「総裁選に絡んで準備されているものではない」。自らも「YKK」の活動再開で党内から批判が出た経緯があるだけに巧みに釈明。《共同通信》

【トヨタ自動車】減産は7万台

トヨタ自動車は17日、系列部品メーカー、アイシン精機の工場火災の影響で、先週末までの減産規模が約7万台に達したことを明らかにした。組立ライン停止の原因となったブレーキ関連部品のプロポーショーニング・バルブ(PV)は海外生産向けを含め一日2万2000個を確保、同日、国内の生産は火災前の一日当たり1万5500台のフル生産態勢に復帰したという。

当初減産が10万台に達するとの見方が有力だったが、グループ各社の総力を挙げた協力で予想以上の早さで停止前の水準に回復し、減産幅の圧縮に成功。先週末には一日当たり1万3000−1万4000台の生産レベルにまで戻っていた。

トヨタは、減産分のばん回に向け、休業を予定していた3月の3日間の土曜日を昼間稼働させ、もともと昼間稼働だけの予定だった2日間の土曜日については、昼夜稼働させることで同社の労働組合と同日合意した。《共同通信》

【在ペルー日本大使公邸占拠事件】発生から2カ月

リマの日本大使公邸人質事件は発生から17日で2力月を迎え、中南米のゲリラによる占拠・人質事件としては最長の記録となった。ペルー政府とトゥパク・アマル革命運動(MRTA)の予備的対話はこれまで3回行われたが、平和的解決に向けて急展開する可能性はまだ小さく、事件はさらに長期化の様相を帯びている。

シプリアニ司教ら保証人と日本政府現地対策本部の寺田輝介顧問は現在作成中の議題案を、今週前半にも開かれる第4回予備的対話で、ペルー政府とMRTA側に提示する予定だ。政府側がMRTAの求める仲間の服役囚の釈放などの要求をどのように扱い、どこまで譲歩を迫れるかが今後の交渉での最大の焦点。

しかし、服役囚の釈放についてフジモリ大統領は断固拒否の姿勢で、MRTAを長期戦で消耗させて追い詰める戦略を取っている。MRTAも「一年でも公邸にとどまる覚悟」(地元紙ラレプブリカ)で、解決を急ぐ日本政府の期待とは裏腹に双方ともじっくりと構え、今のところ互いに譲歩の気配はない。

中南米で解決までに最も日数を要した占拠・人質事件は、1980年2月にコロンビアで起きたドミニカ共和国大使館占拠事件。占拠グループは61日目にキューバに亡命したが、今回の事件はこれを既に上回った。事件長期化の中で、人質の家族や関係者らの人質の健康への不安は募る一方だ。邸内には青木盛久大使ら日本人二十四人を含む七十二人が人質となったままである。《共同通信》



2月17日のできごと