平成2966日目

平成9年2月20日(木)

1997/02/20

【オウム裁判】妻も反旗

オウム真理教信者Oさん殺害事件で、殺人罪に問われた松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の妻知子被告(38)の公判が20日、東京地裁(仙波厚裁判長)で開かれ、弁護側は松本被告が実行犯される元信者Y被告(29)に「Oを殺せば助けてやる」と命じ、殺害後には「私の恐ろしさが分かっただろう」と知子被告に話していたとし、松本被告が犯行を指示した経緯を指摘した。

その上で、弁護側は松本被告を証人申請。知子被告は松本被告から繰り返し暴力を振るわれるなどしたため、一時精神に変調があったとし、暴行場面のビデオを証拠申請するとともに、知子被告の精神鑑定も求めた。採否は次回以降の公判で決定される。

冒頭陳述によると、知子被告はOさんへの制裁をやめさせようと「危険なこはやめてください」と松本被告に進言したが、元幹部井上嘉浩被告(27)や幹部新実智光被告(32)らとのやりとりの後、松本被告が殺害を指示したと指摘。殺害の場面は視線をそらしていたため、見ていないという。《共同通信》

度重なる暴力、恐怖心の植え付け−。松本知子被告側は20日の公判の弁護側冒頭陳述で、松本智津夫被告との「通常一般かけ離れた」夫婦関係を強調。Oさん殺害事件では教祖主導を行ち出して、夫の松本被告に対し初めてはっきりと反旗を掲げた。

冒頭陳述によると、昭和62年、教祖を名乗った松本被告は知子被告に修行を命令。知子被告が反発すると50回も殴りつけ独房にかぎをかけて押し込めた。この修行により知子被告は「正大師」になったが、教団内では村井秀夫元幹部=死亡当時(36)と、新実智光被告(32)らの教祖側近からは排除され、無視されることが多かったという。

松本被告は教団内で絶対者として君臨。知子被告は松本被告の女性関係にさいなまれ、神経症になった。松本被告は知子被告に対し怒鳴ったり暴力を振るったりを繰り返し、鼓膜を傷つけたこともあった。

知子被告は事件当時、恐怖から現場を見ないようにしていたが、殺害直後に松本被告に呼ばれ「これで私の恐ろしさが分かっただろう」と言われ、何も答えられなかったという。《共同通信》



【WBCジュニアバンタム級タイトル戦】川島郭志選手、7度目の防衛に失敗

世界ボクシング評議会(WBC)ジュニアバンタム級タイトルマッチ12回戦は20日、東京・両国国技館で行われ、チャンピオンの川島郭志(ヨネクラ)は挑戦者で同級1位のジェリー・ペニャロサに1-2の判定で敗れた。

川島は1994年5月に王座に就いて以来、日本ボクシング歴代3位となる世界タイトル6連続防衛を続けていた。連勝も16でストップ、戦績は24戦20勝3敗1分けとなった。

これで日本のジム所属の世界王者は外国人のWBCフライ級の勇利アルバチャコフ(協栄=ロシア)、同フェザー級のルイシト小泉(アベ=フィリピン)の2人となり、91年6月以来、日本人の世界王者がいなくなった。

ペニャロサは世界初挑戦で王座を奪取。戦績を37戦35勝(21KO)1敗1分けとした。

ペニャロサは1回から左ストレートで川島にプレッシャーをかけ、2回にはスリップダウンを奪った。川島も中盤は立ち直ったかにみえたが、7回あたりから息を吹き返したペニャロサが、チャンピオンに連打を浴びせ、終始攻勢。川島は最後まで相手の左ストレートに手を焼き、決定打を出せずに判定負けした。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】増税せずに財政再建

政府と自民、社民、さきがけ3党による財政構造改革会議(議長・橋本龍太郎首相)の第2回会合が20日午後、首相官邸で開かれ、橋本龍太郎首相は「財政構造改革を進める中では増税を考える状況にない」と述べ、橋本内閣では4月に消費税率を5%にした後は、あらたな税率引き上げなどの増税にたよることなく、歳出削減により財政再建を行う方針を表明した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は20日昼、首相官邸で自民党の当選一回の衆院議員と懇談。出席前の首相は「話し出すと長いので、今日は聞き役に徹しろと言われた」と殊勝な姿勢。ところが出席者によると、首相は結局、「国会では同じ質問でも繰り返して答えることが大切。委員会中は眠くてもこらえるしかない」などと、国会答弁の機会もほとんどない若い議員に長広舌で橋本流答弁術を伝授したとか。中曽根康弘元首相は在任中、同種会合で「一年生議員の最大の仕事は二回目に当選することだ」と檄を飛ばしたが、橋本首相は「守り」の方が得意か。

○・・・新進党の西岡武夫幹事長はこの日、社民、さきがけ、太陽3党との統一会派の協議に入るという民主党の方針転換について「菅直人、鳩山由紀夫両代表が立ち話をしただけでしょう」「正確な情報ではない」と、ことさら過小評価したい様子。「(民主党とは)予算案共同修正について引き続き協議する」と強調し「他党の考えについて仮定に基づいて答えることはできない」とも。だが民主党を引き戻す戦略を聞かれると「政権を取らなけりゃ。そりゃ与党になりたいのはやまやま」と言うあたり、党内のごたごたに加え、他党からもそでにされたぼやきか?《共同通信》

【中国・江沢民国家主席】鄧路線踏襲を表明

中国の江沢民国家主席(共産党総書記、中央軍事委員会主席兼任)は、20日発表の鄧小平氏死去についての党中央委員会などの訃告を通じて、鄧氏の功績を前面に出し、今後も鄧路線を踏襲、改革・開放路線を堅持するとともに、共産党の指導など4つの基本原則や自主独立の平和外交を維持する方針を表明した。

第一世代指導部の中核の毛沢東主席、第2世代の鄧氏とは異なり、カリスマ性のない第3世代の江主席は自らの権威付けに鄧氏の威光を借りる必要がある。

このため、訃告は「鄧氏は中国の特色ある社会主義という柔軟な理論を創造しや。これはマルクス・レーニン主義を実際の状況と結合、毛沢東思想を継承した現代のマルクス主義だ」と絶賛。鄧氏が指導者の終身制を廃止し、江主席への指導県移譲を順調に行ったとして、江政権が鄧時代を引き継ぐ正当政権であることを訴えた。《共同通信》

橋本首相が談話

政府は20日朝、鄧小平氏の死去を悼む橋本龍太郎首相の談話を発表した。全文は次の通り。

鄧小平閣下のご逝去の報に接し、深い悲しみに堪えません。鄧小平閣下は、改革・開放政策を内容とする中国の近代化政策の策定に当たられ、これを強力に推進されたばかりでなく、日中平和友好条約の締結を始めとして、日中両国間の友好協力関係の発展に大きな功績を残されました。特に、1978年および79年の2回にわたってわが国を訪問され、また、わが国より訪中した各界の多数の人々と親しく会談されたことは、まさに閣下ご自身がわが国との関係の発展や相互理解の増進を重視しておられたことの表れにほかなりません。

国際情勢が大きく変動する中、良好なる日中関係は、アジア太平洋地域ひいては世界の平和と安定にとり、ますます重要となっております。私は、中国の指導者の方々と相協力して日中友好関係の長期にわたる安定的発展のために、今後とも一層の努力を続けてまいります。ここに謹んで鄧小平閣下のごめい福をお祈りするとともに、ご遺族の方々、中国政府および国民に対し衷心より哀悼の意を表する次第です。《共同通信》

【在ペルー日本大使公邸占拠事件】4回目の予備対話

ペルーの日本大使公邸人質事件で、ペルー政府とトゥパク・アマル革命運動(MRTA)武装グループとの4回目の予備対話が20日午後(日本時間21日午前)開かれ、保証人らが作成した議題を最終確認した上で初めて具体的項目について協議、実質交渉がスタートした。

対話には、MRTA指導者のセルパ容疑者が初めて出席、前面に立って政府側との交渉に取り組む構えを見せ、発生から66日目を迎えた事件は解決に向け大きく動き出した。

保証人のシプリアニ司教とビンセント駐ペルー・カナダ大使は、終了後「双方は実質的なテーマの協議を開始した」との声明を発表し、ペルー政府とMRTA双方が初めて中身のある話し合いを始めたことを確認。また、次回対話を24日に行うと発表、交渉を定期的に続けることも明らかにした。

対話は同日午後3時20分(日本時間21日午前5時20分)すぎから3時間半にわたって行われ、刑務所の待遇改善などの司法改革、MRTA出国問題を含む議題のうち、解決が容易な問題から取り組んだもようだ。

政府側から交渉担当のパレルモ教育相と同相補佐官、MRTA側はセルパ容疑者とともに3回目までの対話に出たナンバー2のロハス容疑者が出席した。またこれまでと同様、保証人のシプリアニ司教、ビンセント大使、ミニグ赤十字国際委員会ペルー事務所代表とオブザーバーの寺田輝介・日本政府現地対策本部顧問も同席した。

11日に始まった予備的対話は、MRTA服役囚の釈放を議題に含めるかどうかなどでペルー政府とMRTAが対立。保証人2人と寺田顧問が仲裁する形で議題を作成し、釈放問題では決裂を避けるため「受刑者の服役に関する諸問題」といった大枠だけで議題を設定するにとどめた。19日までにペルー政府とMRTAの同意を得て、5日ぶりに対話が再開できた。《共同通信》



2月20日のできごと