平成1361日目

平成4年9月29日(火)

1992/09/29

【PKO部隊】タケオ入り

国連平和維持活動(PKO)に参加した自衛隊派遣施設大隊の渡辺隆大隊長ら第一次先遣隊の19人は29日午後、活動拠点のタケオに入り、仮宿営地の陸軍兵舎跡地に国連旗と日の丸を掲揚、活動の第一歩を踏み出した。

これに先立ち渡辺大隊長らはタケオ州のスー・ピーリン知事を表敬訪問。同知事は「日本の部隊の到着はカンボジアに平和が訪れるあかしとなるだろう」と歓迎の意を表した。一行は宿営地を建てる旧飛行場跡地などを視察した後、兵舎跡地にキャンプを開設した。《読売新聞》

自衛隊による初一の本格的な国際貢献の第一歩は、国歌の演奏もない静かな国旗掲揚のセレモニーで始まった。29日午後、カンボジア・タケオ入りした自衛隊派遣施設大隊の第一次先遣隊。仮宿営地となる陸軍兵舎跡地での式典を、現地の子供たちが興味深げに見守った。

同跡地は牛が草をはみ、赤トンボが飛び交う原っぱだ。牛やアヒルの放牧場で子供たちの遊び場所。小学校の授業を終えた約200人の子供たちが次々と集まってきた。ほとんどがはだし。上半身裸の子も多い。しかし好奇心をむきだしにした表情は明るい。

通信機、非常用の食糧、ミネラルウオーターのボトル。部隊が持ち込むものすべてが子供たちにとって珍しい。隊員がテントを張ったり、機械をセットしたりすると、あっという間に数十人が群がってくる。興味深そうに見つめ、手伝おうとする。

サイム・スーン君(9つ)は「日本人を見るのは初めて。見たこともないような機械や道具があるんで、びっくりしたよ」と話す。牛をひいてやってきたウーン・ワンちゃん(11)は「日本人が来るのを、大人も子供も楽しみにしていた。遊び相手になってくれたら、毎日でも遊びにきたい」と目を輝かせた。

隊員にとって、この歓迎ぶりは予想外だったようだ。「言葉がわからなくても、だめなことはちゃんと聞き分けてくれる。みんな素直な子ばかりですよ。きっとうまくやっていけるでしょう」と一尉(31)は今後の交流に自信を示していた。《読売新聞》



【TBS ギミア・ぶれいく】最終回

【福島第一原発】緊急停止

29日午後3時31分ごろ、福島県双葉郡大熊町の東京電力福島第一原子力発電所2号機(沸騰水型、出力78万4000キロワット)で、原子炉に冷却水を送り込む給水ポンプが突然停止して炉内の水位が低下し、原子炉が自動停止した。緊急時の安全装置である緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動して炉内に水が注入された結果、水位は回復した。施設外部への放射能漏れなどはなかった。

国内の原発でECCSが作動したのは昨年2月の関西電力美浜原発2号機の蒸気発生器細管破断事故が起きて以来。《共同通信》

【中曽根康弘元首相】主要閣僚留任望ましい

中曽根元首相は29日午後(日本時間同)、北京市内のホテルで同行記者団と懇談し、東京佐川事件での金丸信・自民党前副総裁の略式起訴などで揺れる自民党竹下派の動向について、「練達の士の集まりだから円満におさまるものと確信している」と述べた。

また、来月中旬にも予想される内閣改造で焦点になっている渡辺美智雄副総理兼外相の去就については、「政治に小休止はない。このままずっとやるべきだ」と述べ、引き続き閣内ナンバー2として宮沢政権をささえるべきだ、との考えを表明。さらに、「外務、大蔵など対外関係閣僚はできるだけ長くやらせたほうがいい」と主要閣僚の留任が望ましいとの見解を示した。

一方、宮沢内閣に関しては、「私が予言したように低空飛行で長続きする。だんだん巡航速度に変わりつつある」との見方を示したが、来秋の自民党総裁選での再選の可能性については、「男心と秋の空。総理以下われわれの心がけ次第だ」と明言を避けた。《読売新聞》

【韓国・盧泰愚大統領】中国首脳と会談

中国を訪問中の盧泰愚韓国大統領は29日、李鵬首相、江沢民共産党総書記と相次いで会談し、経済・科学技術協力など二国間関係の強化や南北問題について意見を交換、経済を中心に両国関係を強化していくことで一致した。《共同通信》

【東京簡裁】金丸氏に罰金20万円の略式命令

佐川急便事件で、渡辺広康・元東京佐川急便社長(58)から5億円の献金を受けたとして政治資金規正法(寄付の量的制限)違反に問われた金丸信・前自民党副総裁(78)に対し、東京簡裁は29日、検察側の求刑通り罰金20万円の略式命令を出した。命令は同日、郵送された。

金丸前副総裁がこれに不服な場合、命令書を受け取ってから14日以内であれば正式裁判を調求できる。しかし、命令を受け入れる意向とみられ、罰金の納付によって、国会議員としては初めて、同法違反の有罪が確定する見通しとなった。

命令によると、金丸前副総裁は、平成2年1月中旬ごろ、東京都千代田区永田町のパレロワイヤル永田町で、渡辺元社長から政治活動に関する寄付として現金5億円を受け取り、同一の者からの年間150万円を超える寄付を禁じた同法の量的制限に違反した。《読売新聞》

【豊田商事事件】元社員57人に賠償命令

金のペーパー商法で約2000億円を集め、昭和60年に破産した豊田商事をめぐり、首都圏の被害者551人が「生活資金などをだまし取られた」として、同社の元取締役ら57人を相手に総額約17億8500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、東京地裁民事32部であった。

石川善則裁判長は「金のペーパー商法は、豊田商事が組織を挙げて展開した違一法な構造的詐欺行為」として、請求額全額の支払いを命じた。弁護団によると、豊田商事の元従業員だけを相手取った訴訟は35都道府県で約180件起こされたが、この訴訟が原告数や請求額で最大規模。

判決の中で、石川裁判長はまず「金のペーパー商法は、契約を無限に拡大していかない限り破綻することが容易に予見できた商法」と指摘。さらに同社のセールス商法は客の正常な判断力を奪って契約をするもので、その異常で反社会的な性格は明白」と述べ、「直接客にセールスを行った営業社員だけでなく、その上司の取締役や支店長なども損害賠償責任を免れない」と結論付けた。

この訴訟は、提訴当時には被告の従業員らが570人いたが、大部分の被告が和解で訴えを取り下げられた。《読売新聞》

【タイ・チュアン内閣】発足

タイのチュアン・リークパイ首相は29日、新内閣の閣僚48人の名簿を、タイ南部ナラティワート県で静養中のプミポン国王に奏上、チュアン内閣が発足した。多くの市民が犠牲となった5月流血事件後のアナン暫定内閣を引き継ぐ本格政権だが、連立政権を構成する5政党間に党利党略優先の動きが早くも見られるなど、民主化定着へ向けたチュアン新内閣の前途は必ずしも明るくない。

新内閣の顔ぶれでは、経済の立て直しのため、副首相に、軍部色の強いタイ・ミリタリー銀行頭取のスパチャイ・パニッチパク氏ら3人の銀行家や元銀行家を起用するなど、実務経験を重視しているのが特色。主要ポストは副首相兼内相にチャワリット・ヨンチャイユット新希望党党首、外相にプラソン・スーンシリ道義党顧問、蔵相に民主党のタリン・ニムマンヘミン氏、商業相にウタイ・ピムチャイチョン連帯党党首がそれぞれ就任。注目の国防相には、プレム元首相に近いとされるウイチット・スクマーク国軍副参謀長(陸軍大将)を任命した。

民主化要求運動の立役者、チャムロン・シームアン前道義党党首は最終的に入閣は見送られた。《読売新聞》

【ブラジル・コロル大統領】弾劾裁判決定

ブラジル下院は29日夜(日本時間30日午前)、汚職疑惑の追及を受けているフェルナンド・コロル大統領の弾劾に関する投票を行い、441票対38票の圧倒的大差で、上院での弾劾裁判開始を決定した。これにより、コロル大統領は、弾劾裁判終了まで最高180日間の職務停止となり、イタマル・フランコ副大統領が大統領代行に就任する。ブラジル政界を揺るがした「コロル・ゲート」事件はついに、現職大統領の政治生命を事実上奪う事態に発展した。

弾効裁判開始が決まったのを受け、下院議長は30日、上院議長に対しこの日の投票結果を通知、上院議長は同日にもコロル大統領の職務停止を宣言する。数日中には最高裁長官が上院議長となり、弾劾裁判を開始、約2か月間と見られている審議の後、3分の2の賛成で弾劾が成立すれば大統領は免職となる。

この日の投票結果は、大統領側にとって予想をはるかに上回る敗北で、野党、マスコミは、「大統領はもう、いかなる政治基盤も持たない」と述べて、即時辞職を強く求めた。しかし、投票後会見したボルジャ司法相は「コロル大統領は辞職しない」と述べ、大統領の徹底抗戦の決意を明らかにした。《読売新聞》

【NBA】マジック・ジョンソン選手が復帰表明

昨年11月にエイズに感染していることを理由に、米プロリーグからの“引退”を表明したバスケットボール界のスーパースター、アービン・マジック・ジョンソン氏が、29日、記者会見し、来シーズンから「ロサンゼルス・レイカーズ」に復帰することを表明した。

エイズウイルスに感染していったんは現役を引退した米プロバスケットボール協会(NBA)のスーパースター、アービン・“マジック”・ジョンソン(33)が、再びロサンゼルス・レイカーズに戻りプレーすることになったことに対して、バスケットボール関係者はもちろん、エイズと戦う人々からもその勇気をたたえる声が相次いだ。

昨年11月に悲しみの記者会見をしたロサンゼルス市の同じ会場で29日、「ジョンソンは何が起ころうとコートこそが私の居場所。プレーをすれば体に負担がかかるが、人生ではどこにも危険はあるもの」と復帰を宣言した。連続出場は避け、年間82試合のうち、50-60試合に出る予定。 復帰を決意した理由に、金メダルを獲得したバルセロナ五輪でドリームチームの一員として活躍し、体力に自信を得たことを挙げ、「激しいプレーをするうち、元のようにプレーできる目信がわいた」と語った。

かつてのライバルで6週間前に引退を表明したラリー・バードは「彼のプレーをまた見られるのは素晴ら一しいこと」。また自らも6年前にエイズに感染し子供も亡くした女性は「彼がプレーしてくれることは、この上ない贈り物。そして世界中にインパクトを与えるでしょう」と話した。

レイカーズは今月8日からハワイでキャンプに入り、1992-93年シーズンの初戦は11月8日。ジョンソンは過去12シーズンで通算9921アシストのNBA記録を持っているが、栄光の背番号「8」をつけてこの記録を再び伸ばしていくことになる。《読売新聞》



9月29日のできごと