平成1360日目

1992/09/28

この日のできごと(何の日)

【東京地検】金丸信前自民党副総裁を略式起訴

東京佐川急便事件の政界捜査を進めてきた検察当局は28日午前、「中央政界ルート」の金丸信・前自民党副総裁(78)と、「新潟ルート」の金子清・前新潟県知事(60)ら3人についての刑事処分を最終決定するため、検察首脳会議を開いた。

会議では、金丸前副総裁については政治資金規正法の量的制限違反で罰金20万円の略式起訴、金子前知事らについては同法の虚偽記入罪で在宅のまま正式起訴(公判請求)することが了承された模様。これを受けて、東京地検は金丸前副総裁を東京簡裁に略式起訴し、同日中に略式命令が出される見通し。金子前知事らについては、事件を新潟地検に移送したうえで同地検が新潟地裁に正式起訴し、規正法関係の捜査を終結する。国会議員本人が同法違反で処罰されるのは初めて。

佐川急便事件を捜査してきた東京地検特捜部は28日午後、金丸信・前自民党副総裁(78)を政治資金規正法の量的制限違反で略式起訴、金子満・前新潟県知事(60)ら3人を同法の虚偽記入罪で在宅起訴(公判請求)し、献金疑惑をめぐる一連の捜査を終結した。金丸前副総裁は一両日中にも、東京簡裁から20万円の罰金命令を受ける見通し。この事件では、金丸前副総裁に対する捜査が聴取抜きで決着したことや、金子前知事の処分とのアンバランスさが指摘されたが、同地検はこの日の発表に当たり、「不平等な処理ではない」と強調した。

起訴状によると、金丸前副総裁は平成2年1月中旬、東京都千代田区のパレロワイヤル永田町で、東京佐川急便の渡辺広康・元社長(58)から、5億円の現金を受け取り、同一の者からの年間150万円を超える寄付を禁じた規正法の量的制限に違反した。起訴状はまた、5億円の授受の場所が、パレロワイヤル605号室の金丸事務所だった、と指摘した。

特捜部の調べによると、授受の際、金丸前副総裁は事務所におらず、渡辺元社長と顔見知りの公設第一秘書が受け取ったが、前副総裁はこの日のうちに同秘書から報告を受けていた。5億円を受け取った秘書は、金丸前副総裁と共謀した被疑者として立件されたが、たんに金の受け取り役を果たしただけ、との理由から起訴猶予とされた。

一方、「新潟ルート」で、新潟地裁に起訴されたのは、金子前知事のほか、金子後援会のA代表(71)と、B統括責任者(66)。2人とも元県出納長。起訴状によると、3人は、金子陣営の政治団体「清新で活力ある県政をすすめる会」の収支報告書作成に当たり、実際には、元年5月10日に渡辺元社長から受け取った現金1億円を含め、約1億7100万円の寄付があったのに、報告書の収入総額欄に約1億1700万円と少なく記入。また、自民党県連からは寄付を受けていなかったのに、約5000万円の寄付があったように、うそを記入していた。

この起訴状で、これらの虚偽記入が、2年4月上旬から中旬にかけて、新潟市営所通二番町の知事公舎などで行われたことが初めて明らかにされた。

金丸前副総裁の「中央政界ルート」では、問題の5億円が前副総裁から竹下派の国会議員約60人に配られたことが明るみに出たが、東京地検は「捜査した結果、犯罪となるような事実を確認できなかった」と述べ、これ以上追及しない方針を明らかにした。

渡辺元社長が、計約17億円の献金先として供述したとされる他の11人の国会議員(うち3人死去)についても「立件できるだけの供述を渡辺元社長から得られなかった」とし、「新潟ルート」で佐川側から流れた先が特定されていない2億円も「犯罪の嫌疑は認められない」と述べた。《読売新聞》

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【宮澤喜一首相】インドネシア・スハルト大統領と会談

宮澤首相は28日、首相官邸で来日中のスハルト・インドネシア大統領と約2時間にわたって会談し、国連改革や経済協力問題などについて意見交換した。両首脳は国連改革の必要性で一致し、スハルト大統領は安全保障理事会の常任理事国に日本とドイツが加わるべきだとの考えを表明した。《共同通信》

【中国・楊尚昆国家主席】韓国・盧泰愚大統領と会談

中国を公式訪問中の盧泰愚韓国大統領と楊尚昆中国国家主席との初の中韓首脳会然が、28日午前10時(日本時間同11時過ぎ)から、北京の人民大会堂で行われた。両首脳は30分余り2人だけで会談、その後、両国外相らが加わった拡大会談を開いた。

朝鮮戦争で戦った両国の指導者が会談にこぎつけた意義は大きく、北東アジア地域の冷戦構造に終止符を打つ胎動を示すだけでなく、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を含め、この地域の新たな関係模索のきっかけになるとみられる。北朝鮮は最大の後ろ盾の中国が韓国との関係改善をスタートさせたことで、今後、日米両国との関係改善に向け具体的な対応を迫られそうだ。

この日午前10時(日本時間11時)、北京の人民大会堂に車で到着した大統領は、出迎えの楊主席と固い握手を交わし、公式歓迎行事の後、会談に入った。《読売新聞》

【パキスタン国際航空208便】ネパールで墜落

カトマンズからの情報によると、カラチ発力トマンズ行きのパキスタン国際航空208便(乗客155人、乗員12人、エアバスA300型)が18日午後3時30分(日本時間同5時45分)ごろ、ネパール南部上空で消息を絶ち、同日夕、カトマンズ南方約15キロのティカバイラブ付近の山岳地帯に墜落しているのが、ネパール軍捜捜索部隊によって発見された。ネパール内務省は、乗員・乗客全員が死亡したと発表した。

空港当局者によると、同機は着陸予定時刻のほぼ6分前、管制塔への無線連絡を最後に消息を絶った。墜落現場付近は標高5000メートル級の険しい山々が連なる山岳地帯で、天候が変わりやすい。カトマンズでは、7月31日、タイ国際航空のエアバスA310が墜落、113人が死亡したばかり。

先の事故では悪天候のため着陸を断念した機長が、同空港北部の危険な山岳地帯を飛行したというミスに加え、フラップの故障が原因とする見方があり、エアバスの構造的な欠陥を指摘する関係者も少なくない。《読売新聞》



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