平成1204日目
1992/04/25
この日のできごと(何の日)
【尾崎豊さん】死去
25日午前5時10分ごろ、東京都足立区千住河原町の路上で、若い男性が裸で座り込んでいるのを近くの人が見つけ、警視庁・千住署に110番通報した。同署で調べたところ、この男の人は、持っていたキャッシュカードなどから、人気ロック歌手の尾崎豊さん(26)とわかった。
尾崎さんは名前を呼んでも答えられないほどの泥酔状態だったため、救急車で墨田区内の病院に運ぶとともに、家族に連絡をとった。同病院では、家族に対し専門的な病院での治療をすすめたが、午前時、いったんは帰宅。その後容体が急変し、家族の通報で救急隊員が駆けつけたものの、すでに呼吸が止まっており、午後0時6分、搬送先の文京区の日本医科大学付属病院で死亡した。
同署で詳しい死因を調べているが、尾崎さんが見つかったのは自宅から約1キロの場所で、争ったような様子もなく、事件に巻き込まれた可能性はないとみている。
尾崎さんが社長を務める事務所「アイソトープ」によると、前日の24日は仕事が休みで、高校時代の友人と飲みに行く、と話していたという。
尾崎さんは青山学院高等部在学中の昭和58年、CBS・ソニーのオーディションに合格したのをきっかけに歌手生活に入り、シングル「15の夜」、アルバム「十七歳の地図」で鮮烈なデビューを飾った。その後も、同世代の孤独や自由をテーマにした歌で、高校生らを中心に人気を集め、「若者の教祖」「反逆のヒーロー」にまつり上げられた。最近は、先月25日にアルバム「放熱への証」(5月10日発売予定)のレコーディングを終えたばかりだった。
また、6月10日から大阪、名古屋、東京など全国50か所で全国縦断コンサートも予定されており、チケットの前売り券が売り切れているところもあったといい、関係者は突然の死に対応に追われている。告別式などの日取りは未定。《読売新聞》
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【フィギュア・伊藤みどり選手】引退会見
アルベールビル冬季五輪フィギュアスケート女子シングルで銀メダルを獲得した伊藤みどり選手(22)=プリンスホテル=が25日、東京都内のホテルで記者会見し、競技の第一線から退くことを正式に表明した。今後は同ホテルに残る予定で、プロのアイスショーにも出たい意向も明らかにした。
伊藤は今月10日に日本スケート連盟の久永勝一郎副会長に口頭で引退の意思を伝え、15日には文書による「引退届」を提出。当初は慰留に努める方針を明らかにしていた久永副会長も同選手の気持ちを尊重し、19日の同連盟フィギュア委員会、25日の理事会、評議員会でその引退を報告、了承された。
伊藤は「精神的に大きなプレッシャーの中でスケートをするのは限界と感じた。今後はアイスショーでも滑ってみたいし、いろんなことがしたい」と笑顔を交えて語った。《共同通信》
【WBAフェザー級タイトル戦】松本好二選手、戴冠ならず
世界ボクシング協会(WBA)フェザー級タイトルマッチ12回戦は25日、韓国・安山で行われ、世界初挑戦の日本フェザー級王者松本好二(ヨネクラ)は、チャンピオンの朴永均に11回45秒KO負けし、タイトル奪取に失敗した。朴は4度目の防衛。《共同通信》
【山口県大畠町】タンカー、護岸に激突
25日午前5時50分ごろ、山口県大畠町神代の大畠瀬戸海岸のコンクリート製護岸に、愛媛県伯方町、Aさん所有のタンカー=(497トン、船長ら6人乗り組み)が激突、座礁した。衝撃で、厚さ80センチの護岸が長さ12メートルにわたって5か所にヒビが入って一部が崩れ、すぐわきのJR山陽線下り線路も長さ42メートルにわたって曲がり、まくら木48本が約30センチ浮き上がった。
東京発熊本・長崎行き下り寝台特急「みずほ」が約6分後に現場を通過予定だったが、目撃者からJR大畠駅への通報で、同特急は3キロ手前で停車、難を逃れた。タンカーは約25分後に自力で離れた。油の流出はなかった。
岩国海上保安署は、自動操舵の針路設定ミスの可能性もあるとして、航海士から業務上過失往来危険罪の疑いで事情を聞いている。航海士は「自動操舵に切り替え、コーヒーを入れていた。気付いた時には陸地が迫っており、急いで操船したが、間に合わなかった」と話しているという。
JR西日本は曲がったレールを交換、山陽線下り線は同10時30分、復旧した。
「みずほ」は現場に約2時間停車した後、JR神代駅まで引き返し、約200人の乗客と、後続の東京発南宮崎行き下り寝台特急「富士」、博多行き同「あさかぜ1号」の乗客約550人は、それぞれ広島駅で新幹線に乗り換えた。《読売新聞》
【アフガニスタン】ゲリラが首都掌握
アフガニスタンの首都カブールを包囲していた反政府ゲリラ各派は、25日午後(日本時間同日夕)、次々とカブール市内に無血で入り、大統領宮殿周辺を始め大半の省庁をそれぞれ支配下に置いた。
一方、アブドゥル・ワキル外相は同日、カブール市内で記者会見し、反政府ゲリラ指導者がパキスタンで発足させた「50人評議会」に政権を全面的に委譲することを公式に表明した。
武装したゲリラ各派が、政治指導者らのカブール入りに先立つ形で市内の要所を押さえたことで一触即発の可能性もあり、平和的な政権委譲が行われるかどうか、瀬戸際の局面を迎えた。
当地での情報を総合すると、首都北部に陣取っていた「イスラム協会」主力部隊約100人は、同日、チャリカルからヘリコプターでカブール国際空港に着陸、空港を支配下に置いた。同部隊によると、マスード前線司令官は同日中にも部隊の陣頭に立ちカブール入りするという。
大統領宮殿には、イスラム協会部隊に続き、対抗する「イスラム党ヘクマチヤル派」のゲリラ部隊が同旦昼過ぎ、広大な宮殿の主要ゲートの一部を占拠、他のゲートを押さえるイスラム協会派のゲリラ部隊と対峙した。散発的な銃声が響くなど小競り合いはあったが、約3時間後、イスラム協会派が宮殿を支配下に置いた模様。
しかし、イスラム協会派が大統領宮殿、国防省などを占拠したのに対し、イスラム党派は内務省、議会などの重要拠点を支配下に置いたとの情報もあり、対立する両派が首都の拠点を奪い合っており、市内中心部の各省庁のほとんどがゲリラの支配下に入ったようだ。《読売新聞》
【自民党・綿貫民輔幹事長】法案修正、弾力的に
自民党の綿貫民輔幹事長は、25日、党北海道・東北ブロック会議などに出席のため訪れた札幌市内のホテルで記者会見し、週明けから参院で審議が始まる国連平和維持活動(PKO)協力法案について、「この法案は、自公民でやるというのが原点だ。その中で、各党のニュアンスの違いが出てきた。しかし、小異を捨てれば大同につける性質のものと理解している」と述べ、法案修正に弾力的に応じることにより、成立を目指す考えを示した。
中国側から申し入れのあった天皇陛下の訪中については「(党内で慎重論があることは)政府にきちんと伝えてある。しかし、これは政府が検討すべきもので、政治問題にすることではない」と述べ、今後は政府の判断にゆだねる意向を表明した。
これに先立つ党北海道連の定期大会のあいさつで綿貫幹事長は「7月の参院選はわが国の命運がかかる大事な選挙だ。逆風をはね返し、清新でフレッシュな党になるために、あしきものを改善していく」と政治改革にかける決意を述べた。《読売新聞》