平成3389日目

1998/04/19

この日のできごと(何の日)

【橋本龍太郎首相】ロシア・エリツィン大統領と会談

橋本龍太郎首相とエリツィン・ロシア大統領は19日午前、静岡県伊東市川奈のホテルで第2回の首脳会談を行った。会談で橋本首相は、北方領土帰属問題の決着を図るため新たな提案を行った。

これに対し大統領は「よく検討しなければならないが、楽観的な気持ちを抱いている」と述べた。提案内容は明らかにされていないが、ロシア世論を念頭に国境線確定論を柱とする提案をしたとの見方が強まっている。

共同記者会見で橋本首相は、日ロ平和条約について「東京宣言に基づき四島の帰属問題を解決することを内容とし、21世紀に向けての日口の友好協力原則を盛り込むことで一致した」と説明。四島の帰属解決を確認したうえで、経済協力や文化交流などを盛り込んだ「平和友好協力条約」(仮称)とするとの大統領提案を受け入れた。

両首脳は2000年までの条約締結を目指すクラスノヤルスク合意の「実質的前進」を図り、作業を加速する決意を表明、5月に次官級分科会を開くことで一致した。《共同通信》

ナイナ・ロシア大統領夫人と橋本久美子首相夫人は19日、晴れ上がった空の下、首脳会談場所の川奈ホテルの前庭で、日本の歌「さくらさくら」やロシア民謡「カチューシャ」の琴の合奏を聞きながら、野だてを楽しんだ。

和服姿の女性たちが琴を奏でる間、ナイナ夫人は目を細めてじっと聞き入り、時折、久美子夫人に説明を求め話し掛けるなど、終始和やかな雰囲気。演奏を終えた女性から琴のつめをプレゼントされた大統領夫人は、早速右手に付けていすに座り弾き方の手ほどきを受け、女性たちの「さくらさくら」の歌に合わせ、曲の一節を弾き、満足そうにほほ笑んだ。《共同通信》

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【競馬・第58回皐月賞】

第58回皐月賞(19日・中山2000メートル芝18頭、GI)二番人気のセイウンスカイ(横山典弘騎乗)が2分1秒3で優勝、賞金9700万円を獲得、四歳三冠レースの第一関門を突破した。横山騎手はクラシックレース初優勝、保田一隆調教師も初優勝。《共同通信》

【社民党・土井たか子党首】「与党離脱も」

社民党の土井たか子党首は19日午後、党本部で開かれた党都道府県連幹事長・選対委員長会議であいさつし、新日米防衛協力のための指針(ガイドライン)実効性を確保するための「周辺事態措置法案」に関し「日米安保条約の解釈を改変することにならないよう厳しく審査をしなくてはいけない。拙速は禁物だ。政府の対応いかんでは当然の結果として避けて通れない決意をすることもある」と述べ、法案の内容次第では与党離脱もあり得るとの考えを示した。

さらに「何が何でも与党にこだわり続けるつもりはない。問題は与党に参加し、努力することが国民の信頼にこたえることになるかどうかだ」と述べた。《共同通信》

【能越自動車道・田鶴浜道路】供用開始

能越自動車道田鶴浜道路(国道470号)の開通式は19日、石川県田鶴浜町の同自動車道田鶴浜料金所で関係者約700人が出席して行われ、能登有料道路徳田大津ICから国道249号七尾田鶴浜バイパス終点までの延長6.9キロの完成を祝った。輪島市から砺波市まで総延長約100キロを結ぶ能越自動車道のうち、德田大津ICから穴水町此木ICまでは能登有料道路として供用されているが、新規着工分では石川県側で初の開通となり、同日午後3時から供用が開始された。

田鶴浜道路の開通により、七尾市中心部や和倉温泉、能登島が七尾田鶴浜バイパス(国道249号)を経て能登有料道路と結ばれ、観光をはじめとする経済振興など周辺地域の活性化に期待が高まっている。《北國新聞》

【王丹氏】仮釈放

1989年の天安門事件の学生運動指導者の一人で、投獄されていた民主活動家、王丹氏が病気治療のため仮釈放され、19日午前、中国を出国、米中部夏時間同日午前(日本時間同日深夜)、米民間航空機でデトロイトに到着した。

王丹氏は、脳腫瘍の可能性があり、米国で入院、治療するとみられる。空港スポークスマンによると、同氏は今後、ニューヨークに向かう予定。

中国国営通信、新華社は同日、司法当局者の話として、王氏が「病気治療のため法に従って釈放され、出国した」と伝えた。

王丹氏は、昨年11月に仮釈放された民主活動家の魏京生氏とともに、米国が一釈放を強く求めてきた中国民主化運動のシンボル。中国政府は、6月末のクリントン米大統領の訪中を前に、人権面の改善をアピールし、両国関係を進展させるとともに、米国から他の分野で譲歩を引き出す狙いがあるとみられる。魏氏の場合も、昨秋の江沢民主席訪米直後に病気治療を名目に米国へ出国した。《共同通信》

【この日の民主党】

日ロ首脳会談が行われた19日、民主党は羽田孜新幹事長名で談話を発表。「内政面で失政の続く橋本総理が、外交的パフォーマンスで批判をそらそうとしているなら問題」としながら、「日ロ関係の実質的な進展に対しては積極的に支援したい」としている。

民主党幹事長 羽田 孜

エリツィン・ロシア大統領の訪日は、日ロ間の友好協力関係の発展に資する有意義なステップであり、民主党としても歓迎する。また、近年日ロ間において政治・経済・軍事など様々なレベルでの交流が活発化してきていることを評価する。

今回の日ロ首脳会談では、平和友好協力条約、領土問題、四島での共同経済活動や経済協力を含むいくつかの提案が交換されている。現時点でこれらの詳しい内容は明らかにされていないが、当然ながら我が国の主権を損なうものであってはならない。

一方で、経済政策を含め内政面で失政の続く橋本総理が、外交的パフォーマンスによって自らに対する国民の批判をそらそうとしているならば問題がある。我々は、橋本総理が今回の日ロ首脳会談を単なるパフォーマンスに終わらせることなく、両国間の真の友好関係の発展と我が国の国益の実現につなげていけるかどうかを注意深く見守りながら、日ロ関係の実質的な進展に対しては、民主党として積極的に支援していきたい。

以上。《民主党ニュース》



4月19日 その日のできごと(何の日)