平成1164日目
1992/03/16
この日のできごと(何の日)
【社会党・安恒良一参院議員】離党表明
「東京佐川急便」疑惑への関与をとりざたされている社会党の安恒良一参院議員(参院環境特別委員長)は16日昼前、国会内で同党の対馬孝且・参院議員会長、浜本万三・参院国会対策委員長と会い、「これ以上党に迷惑をかけたくない」として、離党する考えを表明した。同日午後に党本部で、田辺委員長と会って正式に伝える。離党届の提出は17日付の予定。
安恒氏は、平成元年6月に佐川急便と取引のある福岡県内の運送会社から500万円を借りたほか、渡辺広康・元東京佐川急便社長との関係に疑惑がもたれ、党執行部の事情聴取を受けた。13日には党規律委員会にかけられ、同委員会は、党規約93条第2項「党の面目を汚す行為」、および第3項「議員の品位を汚し、国民の信頼を損なう行為」に該当すると確認された。同委ではさらに17日に安恒氏本人から事情を聞き、19日に処分を決定する段どりになっていた。
田辺委員長ら党執行部は、安恒氏からの事情聴取や関係者らの調査によって、「不透明な部分が余りにも多すぎる」(委員長周辺)と判断、党規律委に調査と処分の検討を求める一方、安恒氏の出身母体である私鉄総連や、総評センター、連合などの意向を確かめたうえ、田辺氏自身が、16日午後に議員辞職を勧告する運びとなっていた。《読売新聞》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【東京株式市場】
週明け16日の東京株式市場は景気後退懸念を背景に、裁定取引の解消売りや決算を控えた法人の処分売りが出て急落、終値の平均株価(225種)は前週末比618円90銭安の1万9837円16銭と、2万円の大台を割って引けた。
1987年2月以来約5年ぶりの2万円割れで、89年12月29日に付けた過去最高値(3万8915円87銭)のほぼ半分の水準に落ち込んだ。《共同通信》
【大相撲春場所】9日目
大相撲春場所9日目(16日・大阪府立体育会館)優勝争いは混とんとしてきた。ただ一人全勝の安芸ノ島は霧島を土俵際まで追い詰めながら逆転負けを喫した。1敗の小錦は苦手の栃乃和歌の引き技に、豊ノ島も琴錦の速攻に敗れ2敗に。霧島ら2敗の5人がそろって勝ったため、安芸ノ島の単独トップは変わらないが、7人が2敗で追う大混戦となった。《読売新聞》
【宮澤喜一首相】政治改革に意欲
国会は16日、論戦の舞台を参院予算委員会に移して総括審議を行い、久保亘(社会)、井上吉夫(自民)両氏らが質問に立った。
宮澤首相は政治改革の必要性について「この国会で法案を成立させないと、国民の信頼を回復することはできない」と述べ、各党の合意可能な問題から今国会で立法化すべきとの考えを改めて強調した。
久保氏は一連の政治スキャンダルの真相解明のため、佐川清・佐川急便社長、阿部文男元北海道・沖縄開発庁長官ら6人の証人喚問を要求した。《共同通信》
【天皇、皇后両陛下】ペルー・フジモリ大統領と会見
国賓として来日中のペルーのフジモリ大統領は、16日午前、東京・元赤坂の迎賓館での歓迎行事のあと、皇居・宮殿「竹の間」で天皇、皇后両陛下と会見した。
天皇陛下がフジモリ大統領に会われるのは、平成2年7月、大統領就任直前の来日以来1年8か月ぶり。
陛下が「日系人最初の大統領を迎えて大変うれしく思います」と歓迎の言葉を述べられると「ペルー人は日本人に尊敬の念を抱いており、当選したのも日系人であることが理由のひとつかもしれない」と大統領。
陛下がペルー経済に話を向けられると、大統領は日本型の緊縮政策でインフレがおさまりつつあることを説明。「出口が見えてきました。アメリカと日本の援助を大変感謝しています」とお礼を述べた。
大統領は、昨年7月ペルーで日本人技術者3人が殺害されたことにも触れ、「申し訳ない。残念だ」と述べたという。
会見の席上、両陛下は大統領に有田焼の花びんを贈り、大統領からは羊毛の壁掛けと銀製のコーヒーセットが贈られた。また、勲章の交換も行われ、大統領に「大勲位菊花大綬章」が贈られた。《読売新聞》
◇
国賓として来日中のペルーのフジモリ大統領を歓迎する天皇陛下主催の宮中晩さん会が、16日午後7時半から、皇居の「豊明殿」で行われた。
天皇、皇后両陛下とフジモリ大統領はじめ、皇太子さまなど皇族方、宮澤首相ら三権の長夫妻、ペルー側公式随員など142人が出席した。
宴半ばのスピーチで、天皇陛下は、昭和42年5月にペルーを訪問した際の思い出を交えながら「わが国から移住した人々およびその子孫が、世界の各地において、その発展や福祉のために貢献しておられることは、誠に心強いものがあります」と日系初の大統領を歓迎された。これに対して、フジモリ大統領も「世界で初めての日本人移住者の子孫である大統領として、また、陛下にお目にかかる初のペルーの国家元首として、二重の誇りを感じています」と前置きし、ペルーで日系人を評価する言葉は「勤勉、知性、忍耐」で、その評価が、史上最高の得票での大統領当選につながったことなどを紹介した。
さらに、フジモリ大統領は「ペルー国民は、大戦後の復興にあたって日本国民が発揮した驚異的な努力の中に、ペルーの未来を確実なものとするような発展の見本を見ている」と、父の祖国への熱い思いを述べた。
料理は伝統的なフランス料理のフルコース。食事中の音楽は、大統領の両親が熊本県出身であることに配慮して、熊本民謡の「五木の子守唄」や「あんた方どこさ」が演奏された。両陛下と大統領は時折、日本語も交えてにこやかに談笑。大統領が両陛下にペンを差し出して、自分のスピーチ草稿に記念のサインを求め、両陛下が快く応じられる一幕もあったという。《読売新聞》
【UNTAC】閲兵式
15日、プノンペン入りした明石康・国連カンボジア暫定行政機構(UNTAC)特別代表とシアヌーク・カンボジア最高国民評議会(SNC)長が16日、王宮前広場のUNTAC兵による閲兵式に臨んだ。
プノンペン市中心部の王宮前広場には、インドネシア兵850人を始めとするUNTACの軍事要員1000人がそろい、午前8時(日本時間同10時)すぎ、明石代表とシアヌーク殿下が並んで王宮内から現れ閲兵式が始まった。
二人は、UNTAC兵の栄誉礼を受けた後、まず明石代表が「シアヌーク殿下を始め、SNC、各派の皆さん、それに国際社会の協力を得て、カンボジアに和平のプロセスをもたらすため、全力を尽くしたい」と力強くあいさつ。これに対し、シアヌーク殿下は明石代表の手をとり、がっちりと固い握手を交わし、ぼおずりで歓迎の意を表した。
殿下は「UNTACは歴史的使命とともにカンボジアにやってきた。この有益な使命によってアジアに民主主義がもたらされるよう、UNTACを政治的に支援し、十分協力したい」と述べ、UNTACの意義の重要性をとくに強調した。この後インドネシア兵は王宮周辺をパレードした。《読売新聞》
【警視庁】「ピンクチラシ」一斉警告
公衆電話に張られている出張売春勧誘のピンクチラシ一掃に力を入れている警視庁防犯部は16日から、チラシに掲載されている電話の持ち主を都内約40の警察署に呼び警告を開始した。ピンクチラシは「子供たちに悪影響を与える」などど環境悪化を訴える住民からの苦情が絶えないばかりか、印刷代など年間約20億円が暴力団への資金源にもなっているという。
同部では悪質なケースについては売春防止法と軽犯罪法を適用。今年に入り10人を逮捕、3人を書類送検し、ピンクチラシ33万枚を押収するなど強力な取り締まりを実施してきた。
同部では新宿、渋谷などを中心に、1月からNTTと協力して、公衆電話を巡回してチラシの取り外しを進めて来た。しかし、巡回後にすぐ張られるイタチごっこが続き、最近ではチラシに代わって小冊子まで置かれるようになった。
このため、今月1日から繁華街を抱える都内約40署に電話の持ち主を呼んで実態を調べてきた。これを受け、16日から順次警告に踏み切った。同部では電話の持ち主に、名義を貸しているだけなのか、実際に電話を自ら使用しているのかを確認したうえで、継続すれば売春防止法(誘引)や軽犯罪法で摘発する。《読売新聞》
【英・サッチャー前首相】政界に別れ
英下院議会は16日午後(日本時間17日未明)、解散した。サッチャー前首相ら著名政治家を始め82人の下院議員が、この日限りで政界を正式引退した。「32年間も慣れ親しんだ下院議会のフロアがもう歩けなくなると思うと、実に不思議な感じだ」―サッチャー前首相は正式引退に当たり、こんな言葉をもらした。
この日、正式引退した著名政治家の中には、サッチャー退陣ののろしを上げた。ジェフリー・ハウ元外相、ナイジェル・ローソン元蔵相らも含まれ、ドイツ脅威論で引責辞任を余儀なくされたニコラス・リドリー元貿易・産業相、サッチャー前首相の腹心だったセシル・パーキンソン元保守党幹事長らもいずれも引退した。
また野党・労働党側からは、デニス・ヒーリー元蔵相、マイケル・フート元党首らが引退。労働党からたもとを分かって、社会民主党を創設したデビッド・オーエン元外相もこの日を最後に英政界を去った。《読売新聞》