平成1158日目

平成4年3月10日(火)

1992/03/10

【政府】在外邦人の緊急時救出に自衛隊機活用

政府は10日午前、国会内で安全保障会議を開き、国際紛争など緊急時の在外邦人救出に、政府専用機や自衛隊機の活用を可能にするための自衛隊法改正案を了承、引き続き開かれた閣議で正式に決定した。近く国会に提出する。

改正案は、邦人救援機の海外派遣にあたり、外相が防衛庁長官に出動を要請することを前提条件とする一方、救助に使う輸送機は、政府専用機に限定せず、国際的に軍用機とみなされる自衛隊航空機全般の使用を認めているのが特徴だ。これに対し、社会党などは自衛隊の海外派遣として反対する構えで、継続審議となっている国連平和維持活動(PKO)協力法案の行方とも絡んで論議を呼びそうだ。

改正案は、自衛隊法第八章「雑則」にある101条の中に、「在外邦人等の輸送」として新設。外国での緊急事態に際し、生命、身体の保護を要する邦人を航空機で輸送できると規定している。「緊急事態」には、自然災害のほか、「騒乱之の他」との表現で戦争も想定。

また、同様の状況に置かれた外国人の同乗を認め、現地結婚などで外国籍を取得した邦人やその家族などにも対応できるよう配慮している。

輸送手段は、自衛隊の保有する航空機全般を認めている。これは、①政府専用機は現在、2機しかなく、使用機を政府専用機に限ると、要人輸送などで使用中の場合には対応できない②政府専用機はジャンボ機のため、場所によっては離着陸が困難なケースも予想される―などの理由によるものだ。

政府専用機の管理・運用は、4月以降、総理府から防衛庁に移管されるが、これに伴う自衛隊の任務について、現行の自衛隊法では、要人輸送しか規定がないため、在外邦人救出についても明文化するため、今回の同法改正となった。《読売新聞》



【自民党・綿貫民輔幹事長】「補欠選挙見直しを」

自民党の綿貫幹事長は10日午前の党四役会議で参院補欠選挙が相次いでいることについて「補欠選挙を次々にやることがいいのか、ある程度まとめてやることはできないのか」と述べ、補欠選挙の実施方法を検討する必要があるとに認識を明らかにした。

補選の在り方をめぐっては、以前から自民党の参院側で「検討の必要がある」との声が出ていた。奈良、宮城の後、衆院群馬2区補選を挟んで、茨城と参院補選が続くため、選挙費用を含め物心両面で負担が重くなるとの理由が背景にある。

しかし実施にあたっては公職選挙法の改正が必要になるため野党側とも意見交換しながら慎重に検討していく構えだ。《共同通信》

【大相撲春場所3日目】若貴そろって3連敗

大相撲春場所3日目(10日・大阪府立体育会館)好調の大関小錦が、落ち着いた取り口で3連勝した。小錦は上手に手が届かなかったが、起利錦を左四つから寄り切った。もう一人の大関霧島は再小結の水戸泉を寄り切り、初白星を挙げた。

両関脇は明暗を分けた。曙は久島海に快勝し2勝目をマークしたが、貴花田は平幕の元気者、武蔵丸に押し倒されて3戦全敗。再小結の若花田も3連敗を喫した。

この日の結果、幕内の全勝は小錦に、琴錦、武蔵丸らの平幕8人を加えた計9力士となった。十両は旭豪山と魁皇がトップに立った。《共同通信》

【のぼりべつクマ牧場】ヒグマ95頭を処分

北海道登別市の「のぼりべつクマ牧場」(登別温泉ケーブル経営)で、一昨年12月から昨年2月にかけて、増え過ぎて危険との理由で飼育していたヒグマ95頭を殺していたことが10日、分かった。同牧場の説明によると、昭和50年代後半に、登別温泉ケーブルの親会社の加藤観光(本社・札幌市)が栃木県藤原町の鬼怒川温泉に新たにクマ牧場の建設を計画。同59年ごろから鬼怒川に約100頭を送り込むためにヒグマの繁殖を始め、一昨年には総数は約280頭まで増えた。

しかし、その後、鬼怒川温泉での計画が地元住民の反対運動などで一時中断状態となり、管理上も危険な状態となったことから処分したという。

いずれも四歳以上の成獣で、遠軽町までトラックで運び、同町内の個人がクマの頭部に特殊な針を打ち込む方法で殺した後、同町内の業者に解体処分を依頼。肉は同業者らに購入してもらったという。

同牧場では、昭和41年に脱走したクマ10頭を、同42年にも塀を乗り越えて脱走の恐れのあった55頭を射殺している。《読売新聞》

【カンボジア】PKF第一弾が到着

カンボジア国連暫定行政機構(UNTAC)配備の平和維持軍(PKF)の第一陣となるインドネシア陸軍の部隊250人が10日、軍用船でカンボジア南部のコンボンソム港に到着した。

UNTAC本部は15日、明石康特別代表のプノンペン到着により正式発足するが、この日の同部隊の到着はそれに先立つもので、今後各国のUNTAC部隊が増強され、最終的には1万5000人以上の軍事要員で各派の武装動員解除、停戦監視などの任務に当たることになる。

インドネシアから直行してきたインドネシア海軍の軍用船は午後3時過ぎ、コンボンソム港に着岸した。デッキに並んだインドネシア兵たちが覚えたてのカンボジア語で港湾職員に話しかけるなど、友好的な雰囲気の中、将校たちが手続きのため陸に降り立った。またこの日さらに2隻の軍用船が同港に到着、兵士590人がカンボジアの地を踏む。《読売新聞》

【米大統領選挙・スーパーチューズデー】クリントン氏、南部制覇

米大統領選前半の最大のヤマ場、「スーパー・チューズデー」の10日、全米8州で予備選が、また2州で党員集会が行われた。予備選の即日開票では、民主党では南部が地盤のクリントン・アーカンソー州知事(45)が、フロリダ、テキサスを含め南部諸州を制覇し、民主党指名獲得に大きく近づいた。

共和党では、プッシュ大統領(67)が次々に勝利したが、不況の厳しいマサチューセッツ、フロリダ両州では、ブキャナン候補(53)が大量の批判票を集めた。

南部及びその周辺7州が一度に予備選・党員集会を行うため「南部決戦」と形容されるこの日の決戦では、クリントン候補がテキサス(本選の選挙人では全米3位)、フロリダ(同4位)の両大州のほか、テネシー、オクラホマ、ミシシッピ、ルイジアナの予備選と、ミズーリの党員集会で勝利した。《読売新聞》



3月10日のできごと