平成1159日目

平成4年3月11日(水)

1992/03/11

【社会党・上野建一代議士】辞職会見

「私の不明、不徳」「今後は一兵卒として働きたい」―。ゴルフ場開発会社「真里谷」(東京・銀座)との密接な関係が指摘された社会党の上野建一代議士(千葉1区)は11日、党に議員辞職願を受理された直後、記者会見で深々と頭を下げた。

共和汚職、佐川急便事件など、今国会で与党追及の先ぽうとなるものとみられていた社会党。それだけに上野代議士の辞職の衝撃は大きく、党内でも「やむをえない」「唐突すぎる」の賛否両論が渦巻くなど、混乱が尾を引いている。

「私の不明、不徳のために国民の皆様に多大なご迷惑をかけ、誠に申し訳なく、深くおわびを申し上げます」。午前10時半すぎ、国会内で辞職会見に臨んだ上野代議士は、冒頭と最後に席を立ち、深々と頭をさげた。

会見場に山花書記長とともに姿を見せた上野代議士の表情はこわばっていたが、質問には淡々とした受け答え。

「古くからの友人ということに甘え、疑惑を生むことになった。公人としての資格に欠けていた」と反省の言葉を述べたあと、「おわびのほんの一部に代えたい」と議員辞職の意思を表明した。その上で、「真里谷」からの金銭の処置について、「詳細に調査し、返済したい」とし、党に対し、「佐川などの一連の追及の手を緩めないようお願いしたい。そのことのためにも辞職した」と、現在の心境を明かした。

また、上野代議士は次期衆院選への立候補は「考えていない」としたが、今後の「身の振り方を聞かれると、「一兵卒として働きたい」と言って声を詰まらせた。《読売新聞》



【大相撲春場所4日目】小錦関が4連勝

大相撲春場所4日目(11日・大阪府立体育会館)貴花田は頭をつけ、両まわしを引きつけて琴富士を破り、やっと初日を出した。しかし、若花田は4連敗。小錦は寺尾を巨体で圧倒し、役力士でただ一人の無敗を守った。

平幕の土つかずは三人。筆頭の琴錦と武蔵丸らに土がついたが、安芸ノ島は旭道山の立ち合いの変化に惑わされず、舞の海は連日の足取りから渡し込みで、それぞれ快勝。《読売新聞》

【東京高検】横手元代議士を上告

撚糸工連汚職で受託収賄罪に問われ、東京高裁の控訴審判決で逆転無罪となった横手文雄・元民社党衆院議員(56)について、東京高検は11日「控訴審判決には判例違反や重大な事実誤認がある」として上告手続きを取った。

この裁判では物証がなく、請託やわいろ授受を認めた贈賄側・撚糸工連幹部の供述や証言の信用性が最大の争点だった。しかし、その評価の違いから一、二審で全く逆の結論となり、検察当局としては最高裁の最終判断を仰ぎたいとしている。《共同通信》

【連合・山岸章会長】安恒議員も辞職を

連合の山岸章会長は11日、東京・内幸町の日本記者クラブで講演し、社会党の安恒良一参院議員が「東京佐川急便」献金疑惑に関与した疑いがもたれていることについて、「安倍さんの問題をいつまでもずるずるするのはよくない。社会党は自民党と違って、自浄能力のあるところを安恒さんのケースでも態度で示してもらいたい」と述べ、安恒氏は議員辞職すべきだとの考えを明らかにした。

山岸氏は、社会党の上野建一衆院議員辞職について、「議員辞職したのは当然だ。それなりに素直に受けとめればいい」としたうえで、安恒氏に言及した。

【連合・山岸章会長】連合への中傷は結社の自由侵害

連合の山岸章会長は11日の日本記者クラブでの講演で、自民党が参院宮城補選で連合候補に敗れたことを受けて連合参院や「連合の会」への攻撃を強めていることについて、連合と「連合参院」、「連合の会」を分けて考えることを強調。

そのうえで、「ユニオン(労組)としての連合を敵視し、中傷ひぼうする考えだとしたら、看過できない。結社の自由、言論の自由、表現の自由、労働組合権の侵害に当たる場合もなしとはしない。けんかを売るつもりはないが、売られたけんかは買う。重大な決意で臨む」と強く反発した。《読売新聞》

【宮沢喜一首相】阿部元長官進退本人の意思で

宮沢首相は11日、社会党の上野建一衆院議員の議員辞職に関連し、共和汚職事件で起訴された阿部文男元北海道・沖縄開発庁長官の進退に影響するかどうかについて、「それは最終的にはご本人の意思だと思う」と述べ、改めて阿部元長官本人の意思にゆだねるべきだとの考えを示した。国会内で記者団の質問に答えたもの。《読売新聞》

【宮沢喜一首相】補選3連敗阻止に必死

宮沢首相は11日昼、官邸で故狩野明男議員の弔い合戦で茨城補選に立候補する夫人の安さんに自民党公認証を手渡し「お疲れと思いますがよろしくお願いします」と深々と5、6回頭を下げた。

これに先立つ政府与党連絡会議で浜田広報委員長から国連平和維持活動(PKO)協力法案の処理をめぐり「首相の決断の問題だ。(衆院)解散権を行使するぐらいのことをやったらどうか」と優柔不断さを指摘された矢先だけに、首相は地元県連幹部にも絞りだすような声で「頼みます」と奮闘を要請。奈良、宮城に続く補選3連敗阻止に必死の表情だった。《共同通信》

【大和証券】社長が引責辞任

含み損を抱えた有価証券を、企業間で高値で転売する「飛ばし」行為を巡るトラブルが相次いで表面化した大和証券は11日午後、臨時取締役会を開き、同日付で同前雅弘社長が経営責任をとって辞任し、後任社長に江坂元穂副社長を昇格させることを決めた。同前社長は取締役となる。同時に、石田譲副社長と伊予本宏取締役が3月31日付で辞任することを決めた。

大和証券の「飛ばし」に伴う実質損害額は、この日明らかになった東急百貨店グループとの調停を含めて、これまでに5件、720億円に上っているほか、さらに2件が係争中で、これを加えると最大で850億円の巨額に達する見込み。

昨年の損失補てんに続いて大手のトップ辞任にまで発展した「飛ばし」は、証券会社の経営を直撃するだけでなく、投資家の「証券不信」に拍車をかけ、冷え込みが続く株式市場に大きな打撃を与えることにもなりそうだ。

四大証券のトップが経営責任をとって辞任するのは、昨年6月、損失補てんや暴力団関係者との取引など一連の不祥事で引責辞任した野村証券の田淵義久社長、日興証券の岩崎琢弥社長に続くものとなる。

この日夕、東京証券取引所内で緊急会見した同前・前社長は、「会社の使用者責任、管理・監督責任を重大に受け止める。業界が信頼回復に必死の努力を続けている中でこのような不祥事を起こしてまことに申し訳ない」と陳謝し、大和証券の経営責任を全面的に認めた。同前・前社長はまた、「一取締役として再建に力を尽くしたい」と語り、会長や副会長、相談役などに就任する意思がないことも明らかにした。《読売新聞》

【ペルー・フジモリ大統領】訪日前に会見

ペルーのアルベルト・フジモリ大統領は11日、国賓として初の訪日を前に、リマの大統領府で日本人記者団と会見、日本からの技術協力、麻薬対策資金援助の拡大に期待を表明したほか、ペルーの経済改革の推進に強い自信を示した。

フジモリ大統領は今回の訪日について、「初の日系大統領として訪日することに、大変な誇りを持っている。これは日本・ペルー関係に歴史的な意味がある」として、訪日の実現を高く評価、「日本国民、政府から、特に技術協力の拡大に期待を持っている」と述べた。

ペルーは、フジモリ大統領の緊縮財政路線が評価されて、国際通貨基金(IMF)の承認を受け、国際金触界への復帰を果たすなど、順調に経済改革を進めているが、同時に公共料金の大幅値上げ、増税などで国民に強い負担を強いている。この点に関して大統領は「国民は今はある程度の犠牲を払う時だと理解している。同時に、将来の子供たちにはそのような犠牲の必要がないことを知っている」と述べ、経済政策は国民の理解を得ていることを強調するとともに「財政赤字は改善されなくてはいけない」と述べて、今後も一層の増税などを含め、現行の緊縮経済政策を強力に推進していく考えを示した。《読売新聞》



3月11日のできごと