平成1059日目

平成3年12月2日(月)

1991/12/02

【足利事件】県警、元保育園用務員を逮捕

栃木県足利市で昨年5月、パチンコ店従業員Mさん(35)の長女で保育園児Aちゃん=当時(4つ)=が他殺体で見つかった事件で栃木県警足利署捜査本部は2日未明、殺人、死体遺棄などの疑いで足利市の元保育園用務員S容疑者(45)を逮捕した。

Aちゃんの着衣に付いていた体毛などをDNA鑑定した結果、S容疑者のものとほぼ一致、1日朝から任意同行を求め取り調べたところ、夜になって犯行を認めた。捜査本部は、昭和54年から63年にかけて同市周辺で発生した3件の女児殺人事件との関連に注目している。《中日新聞》



【宮沢喜一首相】景気対策、早急に着手

宮沢首相は2日昼の政府、自民党首脳会議で、当面の景気対策について「大蔵省とも話し合って、これ以上景気が落ち込まないよう対応しなければいけない。施策は(効果が出るまでに)時間がかかるので対応を十分に考えなければならない」と述べ、経済界、自民党などから求められている景気対策に早急に取り組む決意を明らかにした。

経済界からは不動産融資への総量規制の年内解除や公定歩合の再引き下げを求める声が年末を迎えて高まっており、首相の発言はこれらに配慮したものとみられる。《共同通信》

【東京都、東京都江東区】“ゴミ戦争”トップ会談

東京都が打ち出した東京湾・江東区沖のゴミ新処分場建設計画を巡って都と同区が対立している“ゴミ戦争”で、鈴木俊一都知事は、2日、この問題で初めて同区を訪問、室橋昭区長とトップ会談をした。

鈴木知事はこの中で、新宿など清掃工場の建設計画がない都内3区でも検討を進めることなを確約して、同区に協力を要請。同区側はこれに一定の理解を示し、同区議会がこの日予定していた現処分場での清掃車阻止という最悪の事態は取りあえず避けられた。この結果、さる8月以来審議が宙に浮いていた都港湾審議会はあす3日、新処分場の最終答申を出す運びとなった。

会談では、鈴木知事がまず、「ゴミ処理で江東区にいろいろとご迷惑をおかけしていることは認識している」と、同区の立場に理解を表明した上で、ゴミ問題に対する都の取り組みを説明。これに対し、室橋区長が①都が先に決めた清掃工場未設置8区を含む10区での工場建設計画が実現する保証②同計画で建設が先送りされた新宿など3区での計画策定―などの点を尋ねた。

鈴木知事は「清掃工場の建設計画は公約と受け取ってほしい。早期に実現する」と確約。新宿など残る3区についても、「今後も建設適地を見つける努力を続け、なるべく早い機会に計画を出すようにする」と、前向きの姿勢を示した。

会談を終えた室橋区長は、「もどかしさも感じたが、知事としては精一杯の前向きのお答えではなかったか。これが、都区間の信頼回復につながるか、悪化するかは、知事が行動でどう示すかだ」と述べた。鈴木知事の「認識」発言を事実上の謝罪と受け止める向きも出ている。《読売新聞》

【土呂久公害】全面解決

国の公害病に指定されている宮崎県高千穂町・旧土呂久鉱山(昭和37年閉山)のヒ素汚染による慢性ヒ素中毒症の患者で作る「土呂久鉱害補償自主交渉の会」(小笠原徳一会長、88人、うち32人死亡)は2日午前、宮崎簡易裁判所(平島徹郎裁判官)で、補償問題をめぐって最終鉱業権者・住友金属鉱山(本社・東京)と即決和解の協議を行い、住友鉱側が一人あたり80万円、総額7040万円の見舞金を支払う、などの内容で和解した。

住友鉱を相手取った「土呂久鉱山公害被害者の会」(患者41人)の損害賠償請求訴訟も昨年10月、最高裁で和解しており、公害告発から20年目にして補償問題は全面解決した。

和解の内容は①住友鉱側は、患者一人当たり80万円の見舞金を支払う②見舞金は、公害健康被害補償法(公健法)の補てんに当たらず、住友鉱側の鉱業法上の賠償義務を前提に支払われるものではない③患者側は今後、一切の請求権を放棄する―など6項目にわたる。

住友鉱側は、最高裁和解を受け、「鉱業法上の賠償責任を問わない」という前提で自主交渉の会に和解を打診。全体の六割を超える患者で構成する自主交渉の会は11月16日、宮崎簡裁に223人分の委任状を提出していた。

住友鉱側は、昨年の最高裁での「土呂久鉱山公害被害者の会」(41人)との和解で、総額4億6000万円を支払っている。

土呂久公害 土呂久鉱山が大正年間に始めた亜ヒ酸製造に伴い、亜ヒ酸粉じんなどで住民らが皮膚・粘膜障害や多発性神経炎などの中毒被害を受けた公害。昭和46年、水俣病、イタイイタイ病、四日市ゼンソクに次ぐ第四の公害病に指定され、認定患者は146人、うち67人が既に死亡している。《読売新聞》

【ウクライナ】独立確定

ソ連存続の命運を分けるウクライナ共和国の国民投票は、2日午後2時(日本時間同午後9時)の共和国中央選管中間発表で、「80%以上」が独立を支持、さる8月、共和国最高会議が採択した「独立宣言」に対する国民の承認が確定した。

また同時に行われた初の大統領直接選挙では、クラフチュク現最高会議議長が主要選挙区で、過半数以上の得票を確保、ボイコ同選管委員長が同氏の当選を宣言した。

ソ連第二の規模を持つウクライナの離脱決定は、「新連邦」構想に決定的な打撃を与えるもので、ゴルバチョフ大統領の進退問題にもかかわろう。《読売新聞》

【ロシア・エリツィン大統領】「ウクライナ独立」承認

ソ連のロシア・テレビは2日夜、「独立」を確定的にしたウクライナ共和国の国民投票をうけて、「エリツィン・ロシア共和国大統領が、国民の民主的な意思表明に基づくウクライナの独立を承認する意向を、ウクライナに通告した」と報じた。

ロシアによる「承認」は、ゴルバチョフ・ソ連大統領主導で進められてきた「新連邦」構想を破たんさせ、米国など西側諸国のウクライナの独立承認に拍車をかけるのは必至。また、ロシアによる「承認」は、ロシア、ウクライナ間の事前合意による可能性が強く、両共和国間の「協調」に、カザフなど他の共和国がどう対応するかなど、今後のソ連情勢も複雑さを増しそうだ。

同テレビによると、エリツィン大統領は通告にあたり、「ロシア、ウクライナの新パートナーシップは、欧州や世界の安全と安定維持への重要な要素」と強調。そのためにも、「ウクライナが、核兵器削減や核不拡散に関する国際条約を順守するとともに、自らも非核国家としての地位を確立すべきだ」との期待を表明した。

これは、フランス以上の面積を誇り、ソ連の戦略核兵器の約15%を抱えるウクライナの重要性を認める一方、連邦統一軍による核一元管理の確認を迫ることで、ロシアがウクライナの“後見役”的な存在であることを強調。西側に対し、ロシア・ウクライナの協調ぶり、また、ロシアの指導的立場を印象づけたもの、といえよう。

エリツィン大統領は、8月のクーデター後、当初は、新連邦条約調印に前向きの姿勢を示し、その場合のウクライナ参加の重要性を訴えてきた。しかし、先週、ソ連紙「イズベスチヤ」とのインタビューでは、「ウクライナが政治条約(新連邦条約)に調印しない限り、ロシアも調印を行わない」と述べるなど、姿勢の転換を鮮明化。一方、クラフチュク氏は、1日の国民投票の前後から、「ロシアのウクライナ独立承認は確実」と繰り返していた。《読売新聞》

【竹下登元首相】「安竹」今は昔

竹下元首相は2日、山口県油谷町に故安倍晋太郎・元自民党幹事長の墓を訪れ、改めてめい福を祈った。竹下氏は墓参後、安倍氏の支持者約200人を前にあいさつし、「安倍政権をつくらねばならないという使命感を長い間持ち続けていた。まことに感慨深いものがある」と、声を詰まらせていた。

また、安倍氏の後継者である二男、晋三氏に触れて、「たくさんの同志が、安倍氏が果たそうとして果たせなかった夢を託した。竹下登にとって、いくばくかの力になることが最後の仕事という気持ちだ」と述べ、衆院選を目指す晋三氏への協力を約束した。《読売新聞》



12月2日のできごと