平成942日目

平成3年8月7日(水)

1991/08/07

【社会党・田辺誠委員長】証券不祥事で喚問要求

国会は、7日午後1時過ぎから衆院本会議で、海部首相の所信表明演説に対する各党代表質問に入り、一連の証券・金融不祥事と政治改革を当面の最大の焦点とする論戦がスタートした。

質問のトップには田辺誠・社会党委員長が立ち、証券業界関係者などの証人喚問の実現を迫るとともに、再発防止のため米国の証券取引委員会(SEC)日本版ともいうべき第三者機関を創設するよう提唱。また、政府・自民党が国会提出した小選挙区比例代表並立制導入を柱とする政治改革関連法案の撤回を求める一方、比例代表制中心の選挙制度改革にむけ、与野党間の協議を提案した。この後、加藤六月・自民党政調会長、石田幸四郎・公明党委員長が質問に立つ。

田辺氏は、証券会社による損失補てんや暴力団との不明朗な取引が、「我が国の対外信用そのものを揺るがしている」とし、「財政、金融行政のあり方を、『公正さ』の観点から根本的に改革することを迫っている」と指摘。監督官庁の大蔵省とともに、元秘書が富士銀行の不正融資に関与していた橋本龍太郎蔵相の責任を厳しく追及、海部首相に政府の最高責任者としての見解をただした。《読売新聞》

【橋本龍太郎蔵相】「補てん」顧客にも罰則

海部首相は7日から始まった衆院本会議での所信表明演説に対する代表質問で、一連の証券・金融不祥事について、「投資家の証券市場への信頼を回復するため全力をあげて取り組む」と再発防止に向け積極的に取り組む意向を表明した。

これに関連して橋本龍太郎蔵相は、今国会に提出予定の証券取引法改正案の中に、損失保証、補てんを行った証券会社とこれを受けた顧客に罰則を科すことを盛り込むなど具体的な再発防止策を明らかにした。

また、首相は、政治改革について「政治改革関連3法案は相互に密接な関係を有している」と述べ、3法案を一体として論議、成立を目指す考えを強調した。

代表質問初日の7日は田辺誠・社会党委員長、加藤六月・自民党政調会長、石田幸四郎・公明党委員長の3氏が質問。

一連の答弁の中で、首相は、証券・金融不祥事に対し、「内外の一般投資家の市場に対する信頼を大きく損ない、公正な社会という理念からみても遺憾だ」と厳しく受けとめている考えを表明。再発防止について、「法律上、行政上の必要な措置を講じる」と述べ、証券取引法改正や監視機能の強化などを図っていくことを強調した。

これを受けて蔵相は、①証券取引のルールを明確にするため、損失補てん禁止などの証券取引改正と証券会社に対する行政指導の見直し②検査、監視体制の強化③「自己責任原則」徹底のため損失保証、補てんを受けた顧客に対する前則の導入④証券取引所など自主規制機関の機能の充実、強化⑤大蔵省OBの証券会社への再就職には厳正に対処する―との具体的方策を検討していることを明らかにした。

米証券取引委員会(SEC)のような日本型監視機関の設置に対しては、首相は「臨時行政改革推進審議会(第三次行革審)にどのような形が適当か検討を要請している」と述べるにとどまったが、蔵相は「各国の制度の相違点を踏まえて対処していくべきだとして、SECなどの我が国への導入へには消極的な姿勢を示した。《読売新聞》

【衆院本会議】「蔵相辞任」ヤジ再三

海部首相の所信表明演説に対する各党代表質問が7日から衆院本会議場を皮切りに始まったが、野党席からは証券・金融問題をめぐり橋本蔵相に辞任を迫るヤジが再三飛んだ。

小選挙区比例代表並立制を柱とする政治改革法案は野党から激しい反対の声が上がる一方、肝心の自民党からの支援の声も起こらず、前途多難をうかがわせる「不透明国会」の様相を早くも呈した。《共同通信》

【ダイエー・門田博光選手】通算2500安打

日本ハム1−3ダイエー◇7日◇平和台

ダイエーが3連勝。吉田の好投とベテラン門田の逆転打で、日本ハムを連破した。

吉田は丁寧な投球だった。中島の本塁打による1失点だけで投げ抜き、今季初勝利をつかんだ。完投勝利は昨年6月6日以来。打線の援護は1点を先制された直後の五回裏だった。水上の右中間二塁打を足場に二死満塁と角を攻め、門田が通算2500安打となる2点適時打を中前へ放った。八回にも岸川の適時打で1点を追加した。

日本ハムは打線が湿り気味。4打数無安打、9試合も本塁打が出ない主砲ウインターズの不振が影響している。これで勝率は5割を割った。《共同通信》

【シベリア抑留】邦人6人の遺体発掘

オホーツク海に面した極東のソ連・マガダン市内の永久凍土の中から、シベリア抑留死亡者とみられる日本人6人の遺体がほとんど損傷のない凍結状態で発掘されていたことが、7日明らかになった。ソ連政府から厚生省に連絡が入ったもので、現地にはまだ100人以上の遺体が埋葬されているとみられる。事態を重視した同省は今月中に担当者を現地に派遣、調査を行うことを決めた。

遺体が発掘されたマガダン市は北極圏の入り口にあたるシベリア・マガダン州の州都で、北緯60度付近に位置している。

同省によると、最初にソ連当局から連絡が入ったのは先月11日。マガダン市内の自動車関連施設の建設現場から遺体15体が見つかり、一緒に発掘された衣服やボタン、肩章などから、日本人の可能性もあり、さらにまだ100体余りの遺体が埋葬されているとの内容だった。

その後、同月19日になって、15体のうち、6体についてはソ連当局が医学的検査や衣服などから日本人と確認したことを知らせてきた。遺体は地表の下の永久凍土に埋められていたため、ほとんど損傷を受けていないという。《読売新聞》

【台湾】中国からの訪問団に記者同行認める

台北からの報道によると、台湾当局は7日、台湾に抑留されている大陸漁民問題解決のために訪台を受け入れる中国赤十字会総会職員に中国の記者の同行も認める方針を決定した。中国赤十字会総会職員と一緒に大陸の記者が台湾を訪れることになれば、1949年に国民党政権が台湾に移って以来初めてとなる。

台湾側は当初、記者の同行については「別枠で申請してもらう」として拒否する構えをみせていた。台湾当局は同日、海峡交流基金会を通じて大陸側に対し、中国赤十字会職員の訪台日程を今月12日から3日間とするよう提案した。

一方、新華社電によると、中国赤十字会総会スポークスマンは7日、この問題に関し「(同総会)職員2人を台湾に派遣することを決定した」と語り、台湾当局が訪台の条件としている、「職員2人の派遣」に同意することを明らかにした。

同スポークスマンは同会が当初、申請した職員3人の派遣が台湾側に拒否され、2人に制限されたことに強い遺憾の意を表明。しかし、「抑留されている18人の漁民への関心を示すため」と、台湾側の条件を承諾した理由を述べた。《読売新聞》



8月7日のできごと