平成941日目

平成3年8月6日(火)

1991/08/06

【広島】46回目の原爆忌

被爆地広島は6日、46回目の原爆忌を迎えた。広島市中区の平和記念公園で「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」が行われ、被爆者、遺族ら約5万5000人が参列して世界平和を盛った。

平岡敬市長(63)は平和宣言で、日本によるアジア・太平洋の植民地支配、戦争犠牲を初めて謝罪。ソ連・チェルノブイリ原発事故など世界に「被曝者」が増えていることを指摘し、広島が救援の先頭に立つ決意を明らかにするなど、新しい「ヒロシマのありかた」を打ち出した。

式典は、午前8時に始まった。遺族代表の会社員佐久間武則さん(43)らが過去一年間に亡くなったか、新たに死亡が確認された4787人の名簿を原爆慰霊碑下の石室に納めた。記載者総数は17万2024人になった。

平岡市長、被爆者・遺族代表らに続き、2年連続して出席した海部首相、桜内義雄衆院議長、長崎市の本島等市長らが慰霊碑に献花。原爆投下の8時15分、被爆二世の会社員、寺田豊さん(34)(広島市安佐北区)と主婦、中本正美さん(32)(西区)が平和の鐘を鳴らし、会場だけでなく市内各地で黙とうが行われた。

続いて、平岡市長が読み上げた平和宣言は、漢語を避けて、平易な言葉を使うなど、大きく変わった。

この中で、「無謀な核実験や原発事故などで、放射線被害が世界に各地に広がりつつある。これ以上、被曝者を増やしてはならない」と訴えたうえ、被爆地としての医療面での蓄積を救援に積極的に生かすことを表明。

また、戦争への反省として、アジア・太平洋諸国の人々に対し「申し訳なく思う」と謝罪。太平洋戦争開戦50周年にも触れ、「真珠湾攻撃から広島・長崎への原爆投下に至るこの戦争の惨禍を記憶し続けなければならない」と強調した。

一方、湾岸戦争を受け、「武力によることなく紛争を解決する道を確立しなければならない」と、核廃絶のみにとどまっていた従来の主張を一歩踏み出した。《読売新聞》

【海部俊樹首相】両陛下の早期訪中を決断

海部俊樹
https://www.kantei.go.jp/

海部首相は6日、外務省と10日からの中国訪問について最終的な協議を行い、楊尚昆国家主席との首脳会談で天皇、皇后両陛下の早期訪中の実現を約束する方針を決めた。

首相は、楊主席が会談で天皇、皇后両陛下訪中を改めて招請するのに対し「国家主席からのお招きであることを厳粛に受け止め、日本政府は真剣に検討する」との表現で、招請受け入れを伝える意向。

両陛下の訪中の具体的時期については、首相側の「10月の総裁任期切れを控えて、来年以降の重要日程に言及、示唆することは好ましくない」との判断と外務省側の「先に両陛下の訪韓を招請している韓国との関係などから、まだ決められない」との考えが一致。首相の回答には時期を示唆する言葉を盛り込まない。《共同通信》

【大阪府警】「ねずみ講」講元の会社員らを逮捕

大阪、滋賀、京都、奈良の高校生らの間で広範囲にねずみ講が広がり、大阪府警少年課は6日、無限連鎖講防止法違反の疑いで、京都市の呉服販売会社員A(25)、会社員B(24)の2容疑者を逮捕、6人から事情を聴いた。調べによるとA容疑者らは4月中旬ごろ、「ラッキーチャンス」と名付けたねずみ講を解説。それぞれを講元として「3万円の出資で最高523万円の配当が受けられる」と知り合いなどを勧誘した疑い。《共同通信》

【兵庫県警】不明ヘリを発見

阪急航空のコミューター・ヘリコプターが兵庫県美方郡・大峰山付近で消息を絶った事故で、兵庫県警浜坂署などの合同捜索隊は6日午前、同山山頂(標高870メートル)から西約200メートルの同郡村岡町の尾根で、事故機の残骸を発見、乗員、乗客8人全員の遺体を収容した。《共同通信》

【コンスタンチン君】来日

昨年8月から3か月間、札幌市の道立札幌医大で大やけどの治療を受けたソ連・サハリン州ユジノサハリンスクのコンスタンチン・イーゴロビッチ・スコロプイシュヌイ(愛称コースチャ)君(4つ)が6日午前、術後の検査と再治療のため、小樽港に入港の船で来日。

コースチャ君は、サハリーン船舶公団の「サハリン8号」(5025トン)で北海道観光にやって来たソ連人観光客100人と一緒で、父親のイーゴリさん(27)が付き添ってきた。

到着後、コースチャ君はさっそく車で札幌医大へ。同医大では午後から高橋誠教授、阿部清秀講師ら皮膚科の“コースチャ担当班”が診察する。

午前10時すぎ、下船したコースチャ君は甲板上から見えた報道カメラの列にビックリ。パパの首に手を回し、肩に顔をうずめたまま、泣き声を上げながらの再来日となった。しかし、腕に若干のやけどの跡が残る程度で、見た目には順調な回復ぶり。《読売新聞》

【ロシア共産党】保守派第一書記を解任

ソ連ロシア共和国の共産党中央委員会総会が六日開幕、保守派リーダー、イワン・ポロスコフ同党第一書記を解任した。後任の第一書記にはクプツォフ党書記、プロコフィエフ・モスクワ市党第一書記らが有力視されている。

ポロスコフ氏は昨年5月のロシア共産党創設以来、党内最右派の指導者として知られ、ゴルバチョフ党書記長(大統領)の「資本主義への道」を強く非難していた。しかし、月のソ連党中央委員会総会で党近代化が打ち出される前後から同書記への党内の反発が強まっており、同書記の辞意を総会が承認するという形で解任した。

解任はゴルバチョフ指導部が共産党の中核を占めるロシア党へのコントロールを強化するのが目的と見られる。

同中央委総会はまた、新党「ロシア共産主義者民主党」を結成したアレクサンドル・ルツコイ共和国副大統領ら改革派幹部の党除名問題を正式に提起した。同日中に採択される見通しで、共産党の著しい党勢衰退、分裂を決定づけるものと見られる。《読売新聞》

【JR東日本】通勤電車を自社製造へ

JR関係筋が6日明らかにしたところによると、東日本旅客鉄道(JR東日本)は、新型の通勤車両をJRグループで初めて、社内一貫生産することを決めた。

新潟県の車両検査基地「新津車両所」を大幅に改造して、最新鋭の車両製造工場とする。早ければ来年春にも稼働を開始する。車両製造にまで一気に業容を拡大する狙いだが、通勤車両だけでも7000両を保有する「国内最大の鉄道会社」だけに、影響は大きそうだ。

JR東日本が開発、生産を検討しているのは、「次世代電車」と呼ばれる軽量の通勤型電車で、現在の車両の半分の重さ。平成5年度に京浜東北線に投入する予定で、すでに車両メーカーが製造した試作車が完成している。JR東日本では、量産体制に入った際、一部を社内生産したい考えだ。設備投資額は百数十億円になる見込み。《読売新聞》



8月6日のできごと