平成943日目

平成3年8月8日(木)

1991/08/08

【海部俊樹首相】証券通達行政見直し

国会は8日、舞台を参院本会議に移して海部首相の所信表明演説に対する各党の代表質問を行った。答弁の中で首相は、一連の証券不祥事について、「再発防止のためには、通達による不透明な行政から、法律による行政へ基準を変えるべきだ」と述べ、現在、通達で業界の指導・監督を行うことが多い証券行政のあり方を見直す意向を表明した。

これに関連して、橋本龍太郎蔵相も、損失補てんを行った証券会社、顧客の双方に罰則を科すことを盛り込んだ証券取引法改正案を、今臨時国会に提出するのに加え、「証券市場の公平性、透明性確保の観点から、証券取引に関する規制や指導を見直し、必要があれば法令化を図っていく」と述べ、次期通常国会で証取法の抜本改正を行うとの方針を示した。また、蔵相は、中小証券会社にも損失補てんの金額などを明らかにするよう指導する考えを強調した。

この日午前は、社会党の浜本万三・参院国会対策委員長と自民党の後藤正夫・参院議員副会長の2人が質問に立った。

証券不祥事で浜本氏は、野村証券の田淵節也・前会長らの証人喚問を要求するとともに、元秘書が銀行の不正融資問題に関与した橋本蔵相の責任を厳しく追及した。また、後藤氏は未発表の中小証券会社の損失補てんリストを公表することなどを求めた。

これに対し、首相は当面、証券取引所など自主規制機関の充実、損失補てんの法律での禁止、検査体制の強化など「法制上、行政上の措置を講じ、再発防止に全力を挙げて取り組む」と、再発防止に積極的に取り組む方針を改めて強調。そのうえで、今後、通達による行政指導から法律による行政に改めることで、証券行政の透明性を確保するとの意向を示した。

また、橋本蔵相は、証券不祥事に関して、昭和60年以降の金融緩和の中で、株式市場が活況を呈し、証券会社の業務も拡大した一方で、「営業姿勢に行き過ぎが見られ、顧客側にも自己責任原則の徹底に欠ける面があった」ことが、事件の背景にあるとの見方を表明。金融制度改革の推進による証券市場への新規参入の促進や、今臨時国会での証取法改正による損失補てんの禁止などで、再発防止に取り組む決意を示した。《読売新聞》

【海部俊樹首相】証券問題で陳謝

国会は海部首相の施政方針演説に対する代表質問2日目の8日、衆参両院本会議で証券不祥事を中心に論戦を続行した。海部首相は巨額の損失補てんなど一連の証券不祥事について「責任を感じ、おわび申し上げたい」との言い方で行政の最高責任者として陳謝した。

橋本蔵相は損失補てん先リスト公表問題について証券会社大手、中堅17社に続いて「中小会社数社から損失補てんの報告があった」と事実は確認したものの、リスト公表については「証券会社の自主的対応に期待したい」と述べ、公表働き掛けに消極的な考えを示した。《共同通信》

【野村証券】右翼男が乱入

8日午前10時7分ごろ、東京都中央区日本橋、野村証券本社ビル1階の本店ロビーで、東京都新宿区の右翼団体「松魂塾」のメンバーの男2人が短銃を株価表示板に向け一発発射、応対に出た同社秘書室付のA部長(56)を人質として立てこもった。

東京・中央署員らが説得、午前11時21分すぎ、2人を逮捕監禁、銃刀法違反などの現行犯で逮捕、A部長を救出した。けが人はなかった。《共同通信》

【村岡兼造運輸相】東北、九州新幹線建設を指示

村岡兼造運輸相は8日午後、東北新幹線(盛岡-沼宮内間、八戸-青森間)と九州新幹線(八代-西鹿児島間)の建設を日本鉄道建設公団に指示した。これを受け、鉄建公団は近く工事実施計画の細目を策定し、運輸省に申請する。運輸相の建設指示は整備新幹線建設の実質的なゴーサインで、これによって東北、九州両新幹線は9月上旬にも着工にこぎっける。

運輸相が建設を指示するのは、東北新幹線の「新幹線鉄道直通線」(ミニ新幹線)と九州新幹線の「新幹線鉄道規格新線」(スーパー特急)。東北のミニ新幹線は、在来線線路の外側にもう一本線路を建設、小型の新幹線車両を直通運転する方式。区間内の最高設計速度は130キロ。建設費用は盛岡-沼宮内間が380億円、八戸-青森間が1130億円の予定。

九州のスーパー特急は、路盤などが新幹線規格の新線(当面の線路幅は狭軌)を建設、フル規格線より小型の車両を走らせるタイプで、最高設計速度は200キロ。建設費用は4570億円の予定だ。《読売新聞》

【北朝鮮】国連加盟決まる

国連安保理は8日午前11時半(日本時間9日午前0時半)から本会議を開き、韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)両国の国連への同時加盟を国連総会に勧告する決議案を無投票(事実上の全会一致)で採択した。これにより、両国の同時加盟が事実上、決定、来月17日の国連総会の開催初日にこの勧告を受け入れ、正式に加盟が実現する。

1948年の両政府樹立で南北が分断して以来、43年にして両国は事実上、共存への第一歩を踏み出すことになる。同時加盟はまた、東西冷戦の終結の一コマを象徴するものであり、南北関係改善だけでなく、今後韓国と中国、北朝鮮と日本、米国との国交樹立問題に大きなはずみをつけ朝鮮半島をめぐる緊張緩和などへの貢献が期待されることになる。

冷戦の落とし子とも言うべき分断国家が国連加盟を果たすのは、東西ドイツ(当時)が73年9月に同時加盟を実現して以来のこと。《読売新聞》

【第73回全国高校野球選手権】開幕

柳ヶ浦8-1新潟明訓
沖繩水産4-3北照
明德義塾6-0市岐阜商

第73回全国高校野球選手権は8日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕、49代表による開会式の後、一回戦3試合が行われた。

昨年準優勝の沖縄水産(沖縄)は、初出場の北照(南北海道)に追い上げられたが、先発大野が1点差でしのいだ。柳ヶ浦(大分)は、13安打の猛攻で初陣・新潟明訓(新潟)に快勝。明徳義塾(高知)は、津川の大会第1号3ラン、同2号ソロなどで15年ぶり出場の市岐阜商(岐阜)に圧勝、右腕・浦田が完封一番乗り。津川の1試合個人2本塁打は、25度目。《読売新聞》

【大阪湾】フェリー同士が衝突

8日午後10時10分ごろ、神戸・六甲アイランド沖約3キロの大阪湾で、関西汽船のフェリー「くいーんふらわあ2」=6823トン、乗員42人、乗客980人=が、室戸汽船のフェリー「むろと」=6472トン、乗員33人、乗客271人=に衝突した。

この事故で両船の乗客11人が衝撃で割れた窓ガラスの破片などで顔や手足を切ってけがをした。神戸海上保安部は両船長から事情を聞いているが、「くいーんふらわあ2」は左舷の船首部分が長さ20メートルにわたって破損、「むろと」も船尾車両甲板が長さ12メートルほど破れていた。

「くいーんふらわあ2」は神戸中突堤に向かう途中、「むろと」は東神戸フェリーセンターに入る直前で、両船とも夏休みの家族連れなどで多かった。

同保安部から巡視艇2隻が出たが、両船とも自力航行で午後11時過ぎに神戸港中突堤などに入港した。《読売新聞》



8月8日のできごと