平成927日目

1991/07/23

この日のできごと(何の日)

【勝新太郎さん】起訴事実を全面否認

ハワイ行きの航空機内にコカインを持ち込み出国したとして麻薬、大麻取法違反(密輸出)に問われた俳優の勝新太郎「勝プロモーション」元社長の初公判が、23日午前10時から、東京地裁刑事十部(大野市太郎裁判長)で開かれた。

捜査段階から一貫して容疑を否認してきた勝被告は、罪状認否でも「ホノルル空港で大麻を持っていたのは事実で申し訳ないが、飛行機の中でもらったもので、密輸出とは違う」と記訴事実を否認した。これに対し、検察側は冒頭陳述で、勝被告が犯行当時持っていたセカンドバッグからコカインと大麻が検出された新事実を明らかにしたうえ、「被告人は昭和37年から大麻、40年からコカインを暴力団員らから入手して使用した経験があった」などの事実を指摘、麻薬におぼれた芸能人の甘えを厳しく指弾した。

午前10時、大野裁判長の人定質問、検察官の起訴状朗読に続き、勝被告の罪状認否に入った。同被告は、ホノルル空港での大麻所持を“謝罪”したあと「密輸出というところがちょっと(違う)」と否認した。弁護側も「ホノルル空港でのコカイン、大麻の所持は認めるが、飛行機の中で入手したもので、密輸出にはあたらず、被告は無罪である」と述べた。

検察側は冒頭陳述で、勝被告に対する帰国後の操作結果について詳述。犯行当時、勝被告が持っていたセカンドバッグ内から、コカインと大麻、ズボンのポケットからも大麻が検出されたとしたうえで、帰国当日採取した勝被告の尿からコカインを使用した際に出る物質(ベンゾイルエクゴニン)が検出された事実を明らかにし、ハワイ滞在中もコカインを使用していた疑いを強く浮かび上がらせた。しかし、大麻やコカインの具体的な入手先については、明らかにされなかった。

この後、弁護側は「検察側の証拠申請にはすべて同意するが、事実については争う」と主張。その理由として「この種の事案は、薬物の造人の存在や譲り渡た。「この後、弁護側は「検察側の証申請にはすべて同意するが、事実については、争う」と主張。その理由として「この種の事案は、薬物の造人の存在や譲り渡しの目撃が不可欠だが、検察側の証拠、立証趣旨の中にはこの点がないとした。そして、検察側の提出証拠では、公訴事実の立証は不可能と考えられる、きめつけた。

続いて証拠調べに入り、検察側は、勝被告のハワイ税関での取り状況を述べた通訳の供述調書を朗読。同被告が薬物の入手先について「飛行機で出発した日の午後3時30分ごろ、事務所の外で受け取りました」と述べ、所持の理由について「今度出演予定の映画で、麻薬を吸うシーンがあるため」としていたことを明らかにした。「さらに、「マスコミに知られたら自殺するしかない」などと懇願していたこともわかった。《読売新聞》

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【社会党委員長選挙】田辺誠氏が当選

田辺誠副委員長(69)と上田哲元教宣局長(63)の一騎打ちとなった社会党の委員長公選は、23日午後開票を終了、激しい競り合いの末、田辺氏が有効投票数の約56%にあたる4万6363票を獲得、上田氏に約1万票の差をつけて当選した。

30、31日の臨時党大会の承認を得て、第11代委員長に就任する。社会党に右派の委員長が誕生するのは、第4代の河上丈太郎氏が昭和40年に辞任して以来26年ぶり。田辺氏の任期は、土井委員長の残り任期である年末の定期党大会までで、同大会前には、改めて公選が実施(候補が単独の場合は無投票)される。

投票率が71.7%と過去最低となったことや、上田氏の予想外の善戦は、田辺氏主導の党改革への党内の反発を浮き彫りにしたものといえ、田辺氏は今後、党改革の進め方などをめぐり苦しい党運営を迫られることになりそうだ。

田辺新委員長は同日夕の記者会見で、「結果は、改革案が基本的に支持されたことに結びつく」との認識を示すとともに、政権政党への脱皮を目指す考えを強調した。ただ、党改革の実現を前面に打ち出し、「政権を担える党への脱皮、政権への扉を開くこと」を掲げる田辺委員長の登場は、民社党、社民連などを対象とした社会民主主義勢力結集の動きを加速させることも考えられ、与野党間の政界再編論議の行方に微妙な影響を与えるものとみられる。《読売新聞》

【プロ野球オールスターゲーム第1戦】全セ1−0全パ

プロ野球のサンヨーオールスターゲーム第1戦、全パシフィックー全セントラルは23日、東京ドームで行われ、全セが1−0で全パを下した。通算成績は全パの62勝44敗4分け。

全セは3回、全パの先発・野茂(近鉄)を攻め、古田(ヤクルト)の中前打をきっかけに無死満塁とし、池山(ヤクルト)の左前適時打で決勝点をつかんだ。この最小得点を先発・槙原(巨人)ら4投手のリレーで守りぬいた。《共同通信》



7月23日 その日のできごと(何の日)