平成843日目

平成3年4月30日(火)

1991/04/30

【台湾・李登輝総統】内戦終結宣言

台湾の李登輝総統は30日午後、内外記者と会見を行い、中国との内戦期間を意味する「動員反乱鎮定時期」の終結を宣言した。これは、4月22日、台湾の最高権力機関「国民大会」の臨時大会で、中国共産党を反乱団体と定めた憲法の付属条項「動員反乱鎮定時期臨時条款」の廃止を決議したのを受けたもので、この宣言に伴い、5月1日午前0時(日本時間同1時)をもって中国共産党との内戦状態に終止符が打たれる。中台は敵対の時代を脱して平和共存を模索する新たな段階へと進むことになろう。 また李登輝総統は、これまで「反乱団体」としてきた中国共産党の定義を「中共当局」あるいは「大陸当局」と改め、大陸を支配する「政治実体」として認め、中国側の「善意ある対応」を求めた。

台湾の李登輝総統が30日、中国共産党との「内戦状態」終結を正式に宣言、併せて中国共産党の位置づけを「当局」にあらため、大陸を支配する「政治実体」として認めると表明したことは、中台間の対立感情を緩和し、貿易をはじめとした交流拡大を促進する上で一定の意義を持つものだ。 しかし、中台相互の統一論議をめぐる思惑の違いが既に表面化しており、統一交渉は当分実現しそうにない。今回の措置によって台湾政局の一層の「台湾化」も予想されることから、中台関係が緊張の要素をはらむ危険性すらある。

「反乱団体」から「当局」への転換は最近の民間交流拡大など中台関係の変化を象徴するものといえるだろう。しかし、台湾当局には、中国が台湾への武力侵攻を放棄していないことなどに対するいらだちの方が強いとさえいえる。 李登輝総統が今回の会見で①武力侵攻一の放棄②国際社会での台湾外交を妨害しないの二つの要求を提示、これを中国側が受け入れなければ「敵意ある政治実体とみなす」との「ただし書き」をつけたのもこうした事情によるものだ。

台湾当局には、圧倒的な外交、軍事力を持つ中国と妥協して統一交渉に入ればすぐにものみ込まれて中国の単なる一省に格下げされかねないとの不安がある。このため強引に実体が空洞化しつつある「三不(接触、交渉、妥協しない)政策」「を主張、中国当局との直接交渉を拒絶し続けている。 こうしたスタンスは高レベルの当局間接触を主張する中国当局とは大きくかけ離れている。今後、中国は「内戦状態」の終結にあわせて「交流拡大の提案など“平和攻勢”を次々打ち出してくるとみられるが、ここでも中台間のスタンスの開きがさらに明らかになり、当分は平行線が続きそうな情勢だ。《読売新聞》



【大相撲番付発表】曙、関脇昇進

日本相撲協会は30日朝、大相撲夏場所(12日初日・両国国技館)の新番付を発表した。序の口から18場所連続勝ち越し中のハワイ出身の曙が新関脇に、突き、押し相撲の貴闘力が新小結に昇進。18歳の若武者、貴花田が12枚跳ね上がって西前頭筆頭に躍進するなど、若葉の季節にふさわしいフレッシュな番付となった。《共同通信》

【海部俊樹首相】タイ・アナン首相と会談

東南アジア諸国連合(ASEAN)五か国歴訪中の海部首相は30日午前(日本時間同日午後)、第三の訪問国タイのバンコクに到着し、午後3時50分(日本時間同5時50分)から2時間余りにわたってアナン・パンヤラチュン首相と首相府で会談した。アナン首相が外国首脳と会談するのは、3月に政権に就いて以来初めて。

両首脳は、今年2月末の軍事クーデター以降、停滞している日タイ関係について、政変前までの友好的関係を引き続き維持、発展させていくことで合意。海部首相は、棚上げされていたタイへの新規円借款供与を再開する意向を表明。焦点のカンボジア問題については、両国が緊密な連携を保ちながら早期和平実現にできる限り努力することで一致した。また、アナン首相は、ペルシャ湾への海上自衛隊掃海部隊派遣に理解を示した。

日タイ関係をめぐっては、クーデター後の3月初めに発足したアナン政権が、軍部が擁立した暫定政権であることから、日本政府は、3月中に実施する予定だった第16次円借款を凍結するなど、両国関係の足踏み状態が続いていた。《読売新聞》

【パキスタン】早大生2人、無事解放

パキスタンの早大生誘拐事件で、イスラマバードの日本大使館に30日入った連絡によると、人質となっていた早大生Aさん(20)とBさん(19)の2人が解放され、無事保護された。3月17日の誘拐以来44日ぶり。

Aさんらは早大の激流下り同好会「フロンティア・ボート・クラブ」のメンバー。Cさん(20)と現地ガイドを加えた4人グループでインダス川下りに挑戦、3月4日、同川上流のアトックを出発した。同17日、シンド州北部の町サッカル付近で武装強盗団(ダコイト)にら致、監禁されていた。

早大生のうちCさんは3月23日、現地ガイド4月14日に解放され、犯人側の身代金要求などを連絡。この後、仲介者を通じて残る2人の解放交渉が続けられた。

インダス川中流域では、約10年前から身代金目的の誘拐事件が多発しており、10日にはシンド州でダコイトがスウェーデン人道路技師らを誘拐、現地警察と銃撃戦になり、技師ら9人が死亡する事件があった。《共同通信》

【米国務省】イラクは「テロ支援国家」

米国務省は30日、90年版「国際テロ白書」を発表、テロ支援国家として、キューバ、イラン、リビア、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、シリアに加え、昨年9月にリストに入れられたイラクの計6か国を挙げた。イラクのリスト入りは、84年に米国と国交を回復してリストから外されて以来、6年ぶり。

白書によると、昨年は、イラクのクウェート侵攻に呼応したテログループによる脅迫事件は増えたものの、実際のテロ発生件数は455件と89年(533件)に比べ15%の減少。

また白書は、湾岸戦争を通じ、米・多国籍軍に参加し、米国との関係改善を進めたシリアについて、引き続きテログループを支援していると指摘しながらも、「1987年以来、テロ攻撃への直接関与はなく、テログループ支援から離れるという意味で進展が見られる」と述べている。《読売新聞》



4月30日のできごと