平成842日目
1991/04/29
この日のできごと(何の日)
【明治大学】替え玉受験で入学取り消し
明治大学(木村礎学長、東京都千代田区)商学部・二部の入試で2組の替え玉受験があり、合格した東京都内に住む2人の男子大学生の入学が取り消されていたことが29日までに分かった。
この2人のうち1人の親が当初、大学側に「プローカーが介在した」などと話していたことから、同大は第三者が介在、受験票を偽造するなどして替え玉受験が行われたとして同日までに、私文書偽造などで告訴の準備を始めた。
商学部・二部は定員450十人で、先月5日にあった入試の定員に対する競争率は約5倍。同12日に合格発表、同19日に入学手続きが締め切られた。
明大によると、この入学手続きの段階で2人の男子学生について、受験票の顔写真と学生証に張ってある本人の顔写真が別人であることが発覚。直後に2人とその両親を呼び出し事情を聴いたところ、初めはいずれも「知らない」と替え玉受験を一貫して否定した。その後、大学側の調査に対し「入試は受けていない」と不正合格を認め、1人の親は「ブローカーから明大に推薦合格枠があり、“受験しなくてもいい”と言われた。金を払った」と答えた、という。
明大は今月9日、商学部教授会にこの事実を報告。教授会でも二2から話を聞くと、2人はいずれも「不正とは知らなかった。推薦と思っていた」などと答えた。このため教授会は弁護士などにも相談。今月17日付でこの学生2人に対し、入学取り消しを文書で通知した。
同教授会に出席した教授の1人は「ブローカーの存在が事実なら、厳しい受験戦争の中でそれをエサにしている人物に社会的制裁を加えるべきだと、大学に告訴を進言した」と話している。《共同通信》
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【柔道・全日本選手権】小川直也五段が3連覇
柔道の全日本選手権は29日、東京・日本武道館に推薦、各地区代表の計36選手が参加して行われ、世界チャンピオンの小川直也五段(推薦・日本中央競馬会)が決勝で金野潤三段(東京・綜合警備保障)を下して3年連続3度目の優勝を果たした。
同選手権での3連覇は山下泰裕(現東海大教)に次いで史上2人目。
小川は準決勝までの4試合をすべて一本勝ちする強さで決勝に進んだ。決勝では昨年の準決勝で苦戦した金野と対戦。重い腰の金野は小川の左わき下をつかみ受けに徹したため、釣り手を殺された小川は攻めあぐねたが、6分過ぎ、金野が一瞬組み手を変えたすきに左の大内刈りでポイントを挙げこのまま押し切った。
3位には中谷弘四段(近畿・新日鉄)と吉田秀彦三段(東京・明大)が入った。78キロ級の吉田や95キロ級の山崎茂樹四段(九州・旭化成)らが重量選手を倒してベスト8に入るなど大会を盛り上げた。《共同通信》
【大相撲・若松部屋】土俵開き
大相撲の元人気大関朝潮の若松親方率いる同部屋が、両国国技館にほど近い東京都墨田区本所三丁目に新築完成し、29日午前、関係者約200人を集めて盛大に土俵開きが行われた。
鉄筋コンクリート地上4階地下1階、土地代を含め総工費約10億円という近代的ビルの“売り物”は「若い者がワシのいない時にも自分で体づくりに励めるように」との親方の願いが込められた地下1階のトレーニング室。最近は力士の筋力強化にウエートトレーニングが大流行ということもあって、約80平方メートルの部屋にはアスレチッククラブかと思えるような最新のトレーニング機器やバーベルセットが取りそろえられた。
太刀持ちに曙、露払いに水戸泉を従えた横綱千代の富士の土俵入りなど、古式にのっとった式を終えてホーッとした様子の若松親方は「厳しい中にも明るさを失わない部屋にしたい。そのための環境づくりがやっとできた。若い人の長所を伸ばすような指導をしていきたい」と決意を新たにしていた。《共同通信》
【海部俊樹首相】ブルネイ国王と会談
東南アジア諸国連合(ASEAN)歴訪中の海部首相は29日、第2の訪問国ブルネイ入りし、午後3時すぎから王宮にボルキア国王(首相兼任)を訪ね、約1時間会談した。
この中で首相は日本が非軍事面で積極的に貢献する決意を強調、掃海艇派遣に理解を求めたのに対し、国王は「掃海艇の派遣を高く評価する。何かブルネイにできることがあればやりたい」と答え、掃海艇派遣はマレーシアに続いてブルネイでも全面的な理解を得た。
日本の首相が1984年の独立後のブルネイを訪問したのは初めて。会談にはブルネイ側からペピンバイサ内相、日本側から大島官房副長官らが同席した。《共同通信》
【北朝鮮・金日成主席】朝鮮半島の非核地帯強調
列国議会同盟(IPU)の第85回総会は29日午前10時(日本時間同)、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の首都平壌の万寿台議事堂で開幕した。金日成主席が冒頭の演説で核兵器の廃絶と朝鮮半島を非核地帯とする構想を改めて強調するとともに、南北対話を積極的に進める意向を表明した。最近病気説も流れた金主席はしっりとした足取りで演壇に向かい、約15分張りのある声で演説した。
総会には初めて北朝鮮入りした韓国および日本の与野党議員を含む86カ国、10国際機関から約800人の代表が出席、5月4日まで核拡散防止、軍縮問題を主要テーマに討議する。北朝鮮での国際会議としては最大規模。
金主席は演説の中で、国際原子力機関(IAEA)による核査察問題などが焦点となっている朝鮮半島の軍縮に触れ「朝鮮人民は核兵器の脅威にさらされている」との表現で、韓国に配備されているとされる米軍の核兵器に言及、朝鮮半島を非核・平和地帯に変えるべきだと改めて主張した。しかし、核査察の受け入れには言及しなかった。
南北関係について金主席は一つの民族・国家、二つの体制・政府に基づく連邦制による統一提案を重ねて呼び掛け、南北対話を積極的に発展させる、と述べ、中断されている南北首相会談や国会会談予備会談の再開を示唆した。同時に金主席は「朝鮮は一つ」と主張。韓国側がこの秋の国連総会で単加盟申請する動きにくぎを刺した。《共同通信》
【韓国】政権打倒叫び全土でデモ
韓国の機動隊員による明知大生、姜慶大君(20)集団暴行致死事件を糾弾する学生、市民らの集会、デモが29日、ソウル、釜山、光州、大邱など各地で繰り広げられ、全国で計数万人が参加、「殺人暴力政権打倒」など反政府スローガンを叫び、光州では女学生一人が焼身自身を図った。
ソウル市では野党政治家、在野勢力、学生組織など44団体が主催する糾弾集会が午後7時近くから約1時間半、延世大運動場で行われ2万数千人が参加した。
死亡した明知大生の両親らが演壇に立ち「入学からわずか2カ月で自分の息子がこんなことになるとは夢にも思わなかった。“民主烈士”がどうやって亡くなるのか、良く分かった。息子の遺志を継ぎ、最後まで皆さんと共に闘う」とあいさつした。
光州市では、糾弾集会のさ中、全南大2年、朴勝熙さん(20)が「私の進む道が、二万学友の一人一人に反米意識を植えつけ、この政権を打倒する力になれるなら、私は果敢に出掛けます」との遺書を残し、全身にシンナーをかぶって焼身自殺を図り、重体となった。
聯合通信によると、光州市内は8大学約4000人、釜山8大学約3000人、京畿道内19大学約5000人が集会、デモに参加。一部では、石や火炎瓶を投げ、機動隊と激しく衝突した。《共同通信》