平成792日目
1991/03/10
この日のできごと(何の日)
【F1・米国GP】決勝
自動車のフォーミュラワン(F1)シリーズ今季開幕戦、米国グランプリ(GP)は10日、アリゾナ州フェニックスの市街地特設コースで81周の決勝を行い、中島悟(ティレル・ホンダ)がトップから1周遅れの5位、鈴木亜久里(ローラ・フォード)が2周遅れの6位に入った。日本人ドライバー2人が同時に入賞(6位以内)したのは昨年の第4戦、日本GP以来2戦ぶり2度目。
出走26台中12台が完走したこのレースで優勝したのはマクラーレン・ホンダのアイルトン・セナ(ブラジル)。2年連続3度目の総合優勝を狙うセナは自らの通算記録を更新する「53度目」のポールポジションから好発進してリードを広げ、2時間47秒828、平均時速149.693キロで走り切った。
セナは昨年の第12戦、イタリアGP以来5戦ぶり通算27勝目を挙げ、1970年代に活躍したジャッキー・スチュワート(英国)と並び歴代2位タイとなった。1位は44勝のアラン・プロスト(フランス)。《共同通信》
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【新・東京都庁】一般公開開始
東京・新宿副都心に完成した日本一ののっぽビル、新都庁舎(高さ243メートル、48階)の一般公開が、4月1日の正式オープンに先立って10日から始まった。
「豪華すぎる」という批判も起き、都知事選の争点にもなっている新都庁舎への都民らの関心は高く、見学者は午後8時までに約3万4000人に上った。
中でも、話題を集めた知事室フロアを中心に回る見学コースは行列をさばき切れず、一時「札止め」になる盛況ぶりだった。公開は午前1時の予定だったが9時前に早くも1000人近い人が詰め掛けたため、1時間早められた。《共同通信》
【名古屋市北区】バラバラ死体と同居21年
名古屋市北区の住宅から女性の上半身の一部白骨化した死体が見つかり、愛知県警捜査一課と名古屋・北署の10日までの調べに対し、住人の運転手(43)が21年前に交際していた女性を殺害、バラバラにし残る死体を木曽川に捨てた、と供述した。同捜査一課は容疑が固まり次第、殺人などの疑いで書類送検するが、事件の公訴時効(15年)が昭和60年に成立しており、起訴はできない見通し。
調べでは今月8日、運転手の妻(25)が自室の押し入れにあったブリキ製の衣装箱を開け、異臭がするため、同署に通報。署員が中を調べたところ、毛布やビニール袋などに包まれた女性の上半身の死体が入っていた。
運転手から事情を聴いたところ「昭和44年か45年春、当時、名古屋市千種区内のマンションで同居していたホステスと口論になり、室内で首を絞めて殺した。両足をのこぎりで、切断し、木曽川に捨てた」と供述した。
45年4月から5月にかけて、愛知県美浜町の若松海岸と三重県長島町の損斐川左岸で、切断された女性の左足と右足が相次ぎ発見されたが、上半身の解剖結果と当時の資料などから同捜査一課は同一人物とみている。《共同通信》
【大相撲春場所】初日
大相撲春場所初日(10日・大阪府立体育会館)3横綱、2大関がそろって勝つ安泰の幕開けだった。
横綱北勝海は再小結寺尾を送り出し、旭富士は新小結曙を寄り切って先場所の雪辱を果たした。大乃国はしぶとい安芸ノ島を右から突き落とした。横綱昇進がかかる霧島は右四つから平幕花ノ国を寄り切り、かど番の小錦は初顔合わせの旭道山を押し出しして休場明け初日を飾った。
大関の座を目指す関脇琴錦は、いいところなく貴闘力に押し倒されて黒星の滑り出し。人気者の貴花田は白星、若花田は黒星と明暗を分けた。《共同通信》
【ソ連】急進派が大統領退陣を要求
ゴルバチョフ・ソ連大統領が実施する連邦制維持の是非を問う全ソ国民投票(17日)を一週間後に控えた10日、大統領の辞任要求からゴルバチョフ政権打倒呼び掛けに突き進んでいるエリツィン・ロシア共和国最高会議議長を支持する急進改革派の大集会がクレムリンに近いマネージ広場で開かれ、市民約50万人(主催者発表)が広場を埋め尽くした。
この日午前11時(日本時間同午後5時)から市内2カ所に集まった改革派支持市民は、マネージ広場に向けてデモ行進し「ゴルバチョフ退陣」「エリツィン支持」などと叫んだ。
マネージ広場の集会では、ゴルバチョフ政権に“宣戦布告”した9日のエリフィン議長の演説をスピーカーで流し、ゴルバチョフ指導部の解任などを要求する決議を採択し、同午後2時(日本時間同7時)すぎ、散会した。
集会は、アファナシエフ・ロシア社会民主党共同議長の主宰で、ポポフ・モスクワ市長、トラフキン・ロシア民主党議長らが17日の国民投票反対を訴え、ゴルバチョフ大統領と共産党を批判すると「ゴルバチョフ辞めろ」の大合唱が何度も沸き起こった。
また大統領退陣を掲げて政治ストを続けているクズネツク炭田スト委員会の代表も演説し「ゴルバチョフ大統領がスト委代表に会うまでピケを張ろう」などと呼び掛けた。《共同通信》
【米・ブッシュ大統領】対イラン関係改善に意欲
ブッシュ米大統領は10日付のエジプト有力紙アルアクバルなど中東紙との会見で、米国の任務は中東の安全保障体制の確立の手助けをすることだと指摘、アラブ・イスラエル紛争では双方の妥協が必要だが、パレスチナ解放機構(PLO)現指導部とは当面話し合わないと強調した。
また、戦争中に中立を保ったイランについて「湾岸諸国から敵国扱いされてはならない。米国はイランとの関係改番を望んでいる」と関係改善に向けての意欲を表明、多国籍軍側に参加したシリアとも和解の空気が出ていると述べた。
大統領は会見の中で「中東問題解決のため米国は独自の和平計画を持つことはしない。湾岸戦争でみられたように他国との協議を通じて問題解決を図る」とし、米地上軍が湾岸諸国に長期にわたって駐留することはないとの見解を改めて明らかにした。
大統領は、中東における新たな安全保障体制はベーカー国務長官による中東諸国首脳との協議の後に明確になるだろう、と述べ、長官の中東歴訪が具体的成果をもたらすよう希望していることを明らかにした。
しかし、湾岸戦争でイラクを支持したPLOについては「悪いかけをしたPLOの態度には失望した。国連安保理でのPLO支持者」の役割は減少した」と厳しい見方を示し、当面アラフアト議長ら現PLO指導部と話し合う用意はなく、対話も再開しないと表明した。
イラク情勢について大統領は「イラクに真空状態を作り出すことは中東と米国の利益ではない」とし、イラクでフセイン政権に代わる新政府が誕生すれば「国際機関その他を通じて、われわれは戦後復興を助ける用意がある」と語った。その上でイラクは「侵略放棄」を世界に向けて宣言すべきだと指摘した。《共同通信》
【米・アラブ外相会議】中東安保の確率必要
米国とアラブ8カ国の外相は10日、リヤドで湾岸戦争終結後の中東新秩序に関して協議し①地域の安全保障体制確立の必要性②イラクの国内情勢への懸念③アラブ・イスラエル紛争の解決の必要性④イランとの関係改善―などについて共同声明を発表した。
会談後ベーカー米国務長官は、地域の安全保障体制をつくる必要があるとの点で認識が一致したと述べたが、アラブ・イスラエル紛争やパレスチナ問題については意見の相違が残った、と語った。
この点について、共同声明は、中東和平国際会議を国連主催の「適切な枠組み」で開催する必要性に言及するにとどめた。
イラクのフセイン政権の取り扱いについて、共同声明は①イラクの主権尊重②領土統一の確保―の二原則を認めると述べたが、フセイン政権の存続に直接言及しなかった。
その代わりに声明は、現在のイラク国内情勢への感念、特にイラク当局が民衆ほう起の鎮圧に動いていることへの憂慮を表明した。共同声明はまた、イランとの関係改善について「相互尊重と国際法の原則に沿ってイランとの関係改善と協力」を進めることで合意したとしている。《共同通信》
【イラク】軍がカルバラ奪回
亡命中のイラクの反政府イスラム教シーア派勢力がベイルートで発表したところによると、イラク軍の最精鋭、大統領警護隊が10日、イラク南部のイスラム教聖地カルバラに砲撃を加えた後、戦車で市内に突入し、5日ぶりに政府側が支配を奪回した。死者約500人が出たという。
しかし国営イラン通信が「イラク・イスラム運動」の声明として伝えたところによると、北部クルド地区は反政府派が攻勢に出て、スレイマニヤ州のすべての町を反政府派が掌握した。
クルド愛国同盟の10日の声明によると、近くの石油基地キルクーク(タミム州)は約60%を反政府派が抑え「陥落寸前」とされるが、国営イラク放送がキルクーク発で伝えたところによると、タミム州に同日マジド内相が訪れ、集会で「米国とシオニスト(イスラエル)の策謀を打ち破ろう」と演説しており、正確な状況ははっきりしていない。
マジド内相はタミム州の住宅街や市場を回って歩き、住民がフセイン大統領への「絶対的忠誠」を表明したと国営放送は述べている。
国営イラク放送によると、ラマダン第一副首相もバグダッドの南約100キロのバビロン州を視察。既に一週間前から南部訪問を続けていたイブラヒム革命評議会副議長は、バグダッドの南東約400キロめのマイサン州カハラまで足を延ばし、フセイン大統領の写真を掲げる民衆の歓迎を受けたという。《共同通信》
【湾岸戦争】米軍捕虜、英雄として帰還
湾岸戦争でイラク軍の捕虜となり停戦後釈放された米軍将兵21人(うち女性2人)が10日昼、米空軍特別機「フリーダム・ワン」でバーレーンからワシントン近郊のアンドルーズ空軍基地に到着、チェイニー国防長官、パウエル統合参謀本部議長、家族ら数千人の出迎えを受けた。
軍楽隊が国歌を吹奏する中、一人ずつ名前を呼ばれながら特別機のタラップを降りた将兵はチェイニー長官、パウエル議長の握手を受け、胸に黄色いリボンを着け、国旗を振る家族たちから英雄として迎えられた。
チェイニー長官は「任務の完遂に感謝する」とあいさつ、捕虜のうち階級が最上位のエバリー空軍大佐が「いつの日かと願っていた日がようやく訪れた」と返礼し、盛大な拍手を受けた。《共同通信》