平成718日目

1990/12/26

この日のできごと(何の日)

【稲村利幸元環境庁長官】自民党に離党届提出

巨額脱税容疑で取り調べを受けている自民党の稲村利幸元環境庁長官は26日午前、秘書を通じ自民党に離党届を提出、受理された。これに先立ち稲村氏は所属する渡辺派に対しても脱会の意向を伝え、同日朝の渡辺派総会で了承された。

事件に関連して現職国会議員が離党したのは、最近ではリクルート事件で起訴された藤波元官房長官が昨年5月22日、また同事件の政治的責任をとって中曽根元首相が同月31日に、それぞれ総裁あて離党届を提出、即日受理された例がある。

稲村氏の離党届は「一身上の都合」となっており、26日昼前、秘書が党本部に佐藤幹事長を訪ね手渡した。自民党は同日中にも衆院に会派異動の手続きを取る。《共同通信》

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【海部俊樹首相】自民党・小沢幹事長と会談

海部首相は26日午前11時すぎから、首相官邸で自民党の小沢幹事長と約40分間会談、焦点の内閣改造・党役員人事をめぐる党内の情勢について報告を受けた。

小沢氏は、党内ではなお「年末改造」を求める空気が強いことなどを説明した。これに対し首相は「よく分かった。いずれ十分に考えて連絡する」と答えたにとどまり、早期改造の意思や、時期のめどについては言及しなかった。

会談後の記者会見で小沢氏は、平成3年度予算編成が終了する28、9日ごろ、改めて首相との会談が行われる方向であると明らかにした。《共同通信》

【海部俊樹首相】党首会談を提唱

自民党の後藤田政治改革本部長代理、羽田選挙制度調査会長は26日夕、海部首相を首相官邸に訪ね、25日に党議決定した政治改革基本要綱について報告、今後の作業の進め方を協議した。

首相は同要綱の取りまとめに際しての党側の労をねぎらうとともに、来年4月をめどとした法案化作業を進めるに当たり「野党各党からも政治改革全般について考えを聴くべきだ」との考えを表明。党首会談を呼び掛けるよう党側に指示した。

これを受けて村岡国対委員長が27日午前、社会、公明、共産、民社、社民連の野党五党に正式に打診するが、28日中に、国会内で各党首が一堂に会する異例の形式で会議が行われる方向だ。

会談で羽田氏は同要綱の中で特に党内論議の争点となった小選挙区比例代表並立制導入、政党への公的助成、政治資金制度改革を中心に詳細に報告した。同時に来月からの本格的な法制化作業に向け、野党からも率直な意見を聴きたい」と、党首会談開催の必要性を強調した。

首相も「改革を断行するためには与党だけでなく野党の協力も不可欠だ」と応じ、年内の党首会談開催に強い意欲を表明した。野党各党は同基本要綱について「自民党の永久政権を狙ったものだ」(社会党筋)などと一様に強く反発しているが、党首会談には各党とも応じる見通しである。《共同通信》

【政界メモ】首相の「懐柔策」は不発?

○…海部首相は26日、首相官邸で2月の総選挙で初当選した自民党議員でつくる「平成一期会」のメンバーを招いて懇談。政治改革基本要綱の党議決定にこぎつけたものの、依然若手を中心に反発の空気が強いことを意識してか首相は「次代を担う若い人たちのために政治改革をやるんだ」と、選挙制度改革の必要性をしきりに強調した。

さらに48人の出席者を見渡して「政府与党拡大幹部会議、いやそれ以上のメンバーだ」と持ち上げることも忘れなかった。ところが懇談を終えて出てきた議員からは「自分たちの意見は聞いてくれない」と不満の声も出るなど、首相流の若手懐柔策もさほどの効果はなかったよう。

○…社会党はこの日の中執委で、先の税制問題両院協議会で消費税の緊急是正に反対した経緯について、地方組織に釈明する文書を了承した。記者会見でこの文書を発表した田並広報局長は「これはずばぬけてどなた(の責任)でなく、中執委全体の連帯責任だ」と妙な説明。

どうやら最大の支持団体・連合の山岸会長が、消費税問題での山口同党書記長の対応を厳しく批判したことが波紋を広げているため、「連帯責任」を強調することで事態の悪化を防ごうというのが狙いらしい。文書は当の連合にも送付されるが、怒り心頭の山岸会長にとって鎮静剤。となるかどうか。《共同通信》

【海部俊樹首相】フセイン大統領に親書

片倉邦雄駐イラク大使は26日夕(日本時間27日未明)、イラク人民軍司令部にラマダン第一首相を訪ね、海部首相からフセイン大統領にあてた親書を手渡した。

親書は、フセイン大統領に対して湾岸危機解決にはクウェートからの全面撤退など安保理決議の履行が不可欠であることを訴えている。特に、日本が第二次世界大戦後の再建に、長い年月がかかったことを例に挙げ「イラクが同様の事態に見舞われることを憂慮する」と、“敗戦国”としての教訓を述べている。

親書は、来年1月15日をイラクの撤退期限と定めた安保理の対イラク武力行使容認決議後「湾岸情勢は極めて重要な段階に達している」との認識を示し、極めて強い危機感をにじませており、イラク側の反応が注目される。

片倉大使が記者会見で明らかにしたところによると、大使はラマダン第一副首相に対して、10月4日の海部・ラマダン会談に始まったイラクとの対話路線を継続するとの日本側の方針を伝えた。これに対し親書を受け取った第一副首相は一読した後「趣旨は分かったので大統領にこれを渡す」と述べたが、極めて硬い調子で従来のイラク側の原則論を繰り返したという。

大使がさらに、米・イラク対話について、日程問題が障害となり動きが止まっていることへの憂慮を表明したとこ一ろ、第一第首相は「米国がすべてを決めることは受け入れ難い。こちらが(使節を)受け入れるときは、こちらが決める」と強い調子で述べ、単なる外交儀礼上の問題でないことを強要した。《共同通信》

【西武・渡辺久信投手】白旗

年俸1億円を要求し交渉が2度決裂していた西武の渡辺久信投手(25)は26日、所沢市の球団事務所で交渉に臨み当初の球団提示と同じ9500万円で来季の契約を結んだ。球界最高給投手の地位に就いたものの、目標の大台突破はならなかった。

同じく難航していた秋山が前日(25日)9800万円で渋々サイン。徹底抗戦の構えだった渡辺久も、1億円の壁の厚さにすっかり観念したようで「すっきりして年を越したかった。きのう一晩考えて、提示額のまま判を押そうと決めていた」と40分の話し合いで“白旗”を上げた。

「神様が与えてくれた試練だと受け止めて、自分に足りないリーダーシップをアピールして来年は真のエースと認められたい」と前向きの姿勢を見せる渡辺久だが、「最高給投手?やっぱり大台に届かなかったことが悔しい」と複雑な心境を吐露した。

2年ぶりの日本一に返り咲き1億円選手が何人誕生するか注目されたが、秋山と渡辺久は「リーダーとしての存在感」(清水球団代表)という条件不足を理由に球団に押し切られ、清原だけが史上最年少の1億円プレーヤーという栄誉を手に入れた。数百万円の差が分けた明暗は大きく、そこには清原を前面に出したい親会社を含めた球団側の強い意思がうかがえる。

また、清水代表は同日、台湾へ帰国中の郭泰源投手と電話で契約更改交渉を行い、9%増の7200万円で合意に達した。西武はこれで全選手が来季の契約を更改した。(金額は推定)《共同通信》



12月26日 その日のできごと(何の日)