平成719日目

平成2年12月27日(木)

1990/12/27

【TBS・秋山豊寛記者】ソ連から帰国

「地球は水と雲の星。辛うじてもっている自然環境を子供たちに残したい」

日本人として初めて宇宙飛行した東京放送(TBS)の秋山豊寛さん(48)は27日、ソ連から帰国し、東京都港区のTBSホールで記者会見した。

秋山さんは10日の帰還時にひねった腰の痛みが残っているが、特に異常はなく「普通のおじさんの目で、宇宙の状態を報告することができた。宇宙での経験を熟成させて、これからの取材に生かしたい」と元気に抱負を語った。

「成田からヘリコプターに乗って、ああ、何て国なんだろうな、と感じた。本当に緑が少ない。管理社会を地図にしたらこんな感じかな」が久しぶりに見た首都圏の印象。「子供たちも、地球を守るために何ができるか、時には空を見上げながら考えてほしい」と若い世代へのメッセージを伝えた。

27日付で報道局の部長から局次長に昇格した秋山さんは「サラリーマンとしての正念場はいくつあるか分からないが、一山越えたという感じ。これからも一兵卒として現場を走り回りたい」とユニークな感想も述べた。《共同通信》




【中日・落合博満内野手】サインを保留

日本人として球界最高年俸を誇る中日の落合博満内野手(37)は27日、名古屋市中区の「クラブ東海」で今オフ初めて来季の契約更改交渉に臨んだが、希望額と球団の見解に大きな差があることからサインを保留した。

今季、年俸1億6500万円の落合は、131試合の全イニングに出場。34本塁打、102打点で打撃部門の二冠を獲得した。それを基に新年俸は50%アップの2億5000万円近くを要求したものとみられる。これに対し球団はタイトルを取ったことを考慮して2億円を超す額を伝え、両者、歩み寄りのないまま物別れとなった。

約1時間20分の話し合いを終えた落合は「金額の折り合いがついていないので判は押していない。一回目だし、お互いが思っていることを言った。ただその接点がなかっただけ」と話した。

一方、伊藤球団代表も「(両者の思惑に)かなり開きがある」と話し、交渉が難航しそうなことを示唆した。第二回の交渉は、球団の業務が28日午前で終わり、落合のスケジュールの調整がつかないことから越年することになった。(金額は推定)《共同通信》

【海部俊樹首相】親書で米との対話要求

海部首相は27日午前、フセイン・イラク大統領あてに親書を送ったことについて「(イラクも)国際的に孤立してはいけない。(クウェートからの)即時撤退を強く求めることを整斉と書いた」と述べた。

その上で首相は「(外国人)人質解放をしたことはたたえたが、大事なのは平和的解決に向け米国との直接対話の機運が出ているということであり、それが一番のポイントだ」と述べ、イラクが一米国との直接対話に早急に応じ、平和解決へ決断するよう求める内容だったことを強調した。首相官邸で記者団の質問に答えた。《共同通信》

【東京地検】稲村利幸衆院議員を在宅起訴

東京地検特捜部は27日午後、仕手集団「光進」代表A被告(53)の仕手戦情報を基に、市場を通さないで同被告と相対取引した株売却益など約28億1000万円の所得を隠し、約17億円を脱税したとして、所得税法違反の罪で元環境庁長官の稲村利幸衆院議員(55)=自民離党、栃木2区=を在宅のまま起訴した。《共同通信》

【海部俊樹首相】稲村氏起訴「厳粛に受け止める」

海部首相は27日夕、稲村元環境庁長官が脱税で在宅されたことについて「今、まさに信頼回復のための政治改革をしようとしているときだけに、厳粛に受け止めている」と述べた。稲村元長官の議員辞職問題に関して首相は「本人が自発的に党を離れたわけだから、謙虚に反省しているだろうし、反省してもらわないと困る」と述べるにとどまった。《共同通信》

【政界メモ】えとにちなみ地元PRも

〇…ひつじ年の海部首相は27日、年明けの1月2日に還暦を迎えることの感想を記者団に聞かれ「来年は12年に一度回ってくる年男になるんだね」。言葉を継いだ首相、「愛知県というのは羊毛の産地。私は羊毛の生産、輸出がナンバーワンの所で育ったんだ」とえとにちなんで地元愛知県のPR。

やおら記者団のウールのスーツを指した首相、「皆さんも羊毛着てるでしょ。皆さんを守ってくれているんです」と妙な宣伝も。「来年は遼暦を迎え節目の年になります」と付け加えたが、「総裁選(10月)までに毛をむしられないようにご用心」とは陰の声。

◯…自民党はことしもこの日までに、恒例の揮毫カレンダー平成三年版を発行した。海部総裁(首相)をはじめ宮沢元蔵相、金丸元副総理、斎藤、安倍両元幹事長ら永年勤続の自民党議員12人の墨痕が鮮やかにカレンターになっている。全国の広報責任者に贈るとともに、党本部でも販売する。

1月が海部総裁の「活龍不滞水」、2月が宮沢氏の「飛龍在天」とあって、宮沢派の粕谷茂事務総長は「宮沢さんが2月とは縁起がいい。海部さんのあとは宮沢政権という意味」と、来年に期待感。ちなみに安倍氏は10月で、渡辺氏は平成四年のカレンダーに回された。《共同通信》

【ソ連・ヤナーエフ副大統領】北方領土、一度で解決は無理

27日の人民代議員大会で選出されたヤナーエフ・ソ連副大統領は同日夜、クレムリンで就任後初の記者会見をし、北方領土問題について「大統領の一度の訪問で解決はできない」と述べ、日本側が来年4月のゴルバチョフ大統領の訪日に領土問題で大きな期待を抱くべきでないとの見解を示した。

同時に日本通である副大統領は、二島返還を明記した1956年の日ソ共同宣言について、二島返還の可能性は現時点で否定したものの、平和条約締結作業で共同宣言の諸原則を活用すべきだとの考えを強調した。

ゴルバチョフ政権は領土問題について公式的には「領土問題は存在しない」「返還要求に正当な根拠はない」として共同宣言を否定する立場をとっているが、今回の副大統領の発言は、こうした公式的立場に言及せず、領土問題での妥協の可能性を排除しなかった点で、ソ連指導部の中ではより柔軟な姿勢といえる。

12,3回の訪日歴があるという副大統領はことし10月、共産党政治局員として来日した際も同様の見解を述べているが、ソ連ナンバー2として立場に変化がないことを認めた。

改憲で副大統領は「ソ連が共同宣言に基づいて二島変換の用意があるような報道は東京で私が否定した」と強調。さらに「ゴルバチョフ大統領がサンタクロースのように片方のポケットに二島を入れて運んで来る。他のポケットに残りの二島があると期待すべきでないとも日本側に警告した」と語った。

しかし、副大統領は「共同宣言には平和条約の準備で別の形で生かせるような多くの原則がある」とも指摘、共同宣言を無視しないとの立場を示した。《共同通信》

【金賢姫元死刑囚】統一と家族再会祈る

「統一されれば家族たちともう一度会えると信じ、その日まで生かせてくださいと祈っています」。ことし4月12日の特別放免措置で釈放された大韓航空機事件の犯人、金賢姫元死刑囚(28)は27日、韓国の聯合通信のインタビューを受け最近の心境などについて語った。

聯合通信によると、金元死刑囚はソウル市内のホテルでインタビューに応じたが、一応の自由の身になったためか少し太り、前髪をカールしてヘアスタイルも少し変えていた。生いたちから現在までを振り返った手記をほぼ書き上げ、来年2、3月ごろには完成する予定という。

金元死刑囚は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が南北首相会談や南北統一サッカー大会など対話や交流に応じていることに対して「ソ連など社会主義国家の変化と国内の経済的困難のため高まっている人民の不満を解消するための戦術的変化にすぎない」と一蹴し、統一に対して感傷的な考え方をするべきではないと指摘した。

金元死刑囚はよく家族の夢を見るといい「私のために家族が地方や炭鉱に追われていると思います。いや収容所にいるかもしれません」と北に残った家族の運命を気遣った。

金元死刑囚はジョージ・オーウェルの「動物農園」や「1984年」を読み感銘を受けたとし、作品中にある「戦争は平和であり、隷属は自由であり、無知は力だ」という一節は北の体制をそのまま表現していると述べた。最近も結婚を求める手紙が時々来るが「自分は罪人であり、まだ結婚について考える余地はない」と答え、返事を書いたことがないという。《共同通信》




12月27日のできごと