平成353日目

1989/12/26

この日のできごと(何の日)

【ルーマニア】前大統領夫妻の姿を初放映

ルーマニア国営テレビは26日午前1時40分(日本時間同8時40分)から、処刑前のチャウシェスク前大統領とエレナ夫人の姿を撮影したビデオを約3分間にわたり放映した。撮影日時、場所は不明だが、逃走した後、二人の姿が公表されたのは初めて。

二人が装甲兵員輸送車から降ろされ、テーブル越しに並んで座った場面に続き、医師が前大統領の血圧を測るところが映し出された。青白い顔で疲れた様子の前大統領はひげが伸びており、黒っぽいコーートを羽織って、ぶ然とした表情で時折天井を見詰めながら何事か話していたが、声は流されなかった。

毛皮のコートを着てスカーフをかぶったエレナ夫人は、前大統領の横で手にした帽子をしわくちゃにして、感情を表に出さず、つめをかむしぐさを見せた。

ビデオは素人が撮影したとみられる。放映の中でアナウンサーは、二人は銃殺により処刑された、と伝えた。《共同通信》

自由ルーマニア放送(国営放送)のテレビは26日、処刑直後のチャウシェスク前大統領とエレナ夫人の遺体を放映した。

救国戦線によると、処刑は25日午後4時(日本時間同11時)ごろ、特別軍事法廷が約2時間にわたって開かれた後、3人の銃殺隊によって執行された。

テレビは処刑直後の様子を20秒間放映した。二人の遺体は野外の壁際のコンクリート台の上にあお向けに並んで横たわっていた。カメラはチャウシェスク氏の上半身をアップで映し出した。前大統領は捕らわれ、連行された時と同じ紺のオーバーコートと背広に赤系統のネクタイとマフラー姿。胸元をはだけ、頭を左側にかしげるように少し傾けていたが、両目は大きく見開いたまま。右側頭部からは血が流れ、空をにらんでいた。

救国戦線メンバーの国防軍大尉によると、エレナ夫人は処刑を前に「私たちはに死にたい。慈悲はいい」と語り、処刑場向かった。《共同通信》

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【ルーマニア】新指導部発足

ルーマニア国営通信アジェルプレスによると、チャウシェスク独裁政権打倒後の暫定権力機関「救国戦線評議会」は26日、イオン・イリエスク元共産党書記(59)を同評議会議長(国家元首)に正式に選出、イリエスク議長はペトレ・ロマン氏を首相に任命し、来年の自由選挙までの暫定政府が初めて発足した。

新政府は首相および国防相に指名されたニコラエ・ミリタル将軍の二閣僚だけという変則的な形でスタート、当面は社会秩序の回復と選挙準備が主要な課題となる。

救国戦線は、チャウシェスク前大統領を打倒した22日、発足した。評議会はその執行機関で、前政権下で弾圧を受けた反体制派知識人ら37人を幅広く結集している。イリエスク氏は同戦線の結成当初から、指導的役割を果たしていた。《共同通信》

【ルーマニア】三権分立を導入

ルーマニア新政権のイリエスク救国戦線評議会議長(国家元首)とロマン首相は26日夜、ソ連国営テレビなどソ連記者団と会見、来年4月の自由選挙実施を目指して、憲法改正と新選挙法制定のための委員会を設置、三権分立の導入など新しい民主的な体制づくりに着手したことを明らかにした。

ロマン首相は「来年四月に自由選挙を予定しており、マジル救国戦線副議長が新憲法と新選拳法の起草作業を開始している」と述べた。

首相は特に経済の再建が緊急課題だと指摘「当面はチャウシェスク時代の経済構造を利用しなければならないが、中央集権体制を排して、新しい経済関係法を早急に整備しなければならない」と語った。

新しい政治体制について、首相は「困難だが急がねばならない。まず第一に立法、行政、司法の三権分立を図る」と述べ、当面は救国戦線が立一法を担当、政府が行政機能を管理する、と語った。《共同通信》

【東北サファリパーク】トラが飼育員の右腕を噛み切る

26日午後3時半ごろ、福島県二本松市、東北サファリパークで、おりの中のトラに水を与えようとした飼育係A子さん(19)がトラに右腕を引きこまれ、ひじから先をかみ切られた。A子さんは市内の病院に運ばれて手当てを受けている。二本松署の調べでは、トラは七歳の雄で、屋外の約2メートル四方の鑑賞用のおりの中にほかの1頭と一緒に入っていた。A子さんは、毎日おりの中の容器にホースで水を入れていたが、この日は直接トラの口に水を入れていて襲われたらしい。《共同通信》

【大蔵省】大和証券を処分

大和証券の巨額な“粉飾決算”を調べていた大蔵省は26日、損失補償契約の有無は解明できなかったものの、株式売買で損失を出した顧客に対し、損失を補てんしていたと断定、同社に対し(1)虚偽の有価証券報告書を訂正、再提出(2)事業法人部門の2日間の営業自粛(3)当分の間、公募増資など資本市場での資金調達の禁止、とする行政処分をした。《共同通信》

【自民党・金丸信元副総理】社会党右派と再編も

自民党竹下派会長の金丸元副総理は26日昼、同派の4-6回当選衆院議員の集まり「一心会」に出席し、来年2月に予想される次期衆院選後、不安定な政局を打開するため、自民党と左派を除く社会党との大同団結を軸に、政界再編成に乗り出す考えを表明した。

金丸氏は明言を避けたものの、かねてから懇意の田辺前書記長を中心とする社会党右派グループと場合によっては民社党を巻き込み、自民党が主導権を取る形での新党結成を意図したものと受け止められている。自民党の実力者が社会党も巻き込んだ政界再編について公式に言及したのは初めて。

金丸氏の発言は、竹下元首相との会談を踏まえたものだ。総選挙後の安定政権づくりに向け竹下氏は「部分連合」論を提唱しているが、金丸発言はさらに大胆な政界再編論に踏み込んだもので、与野党を通じ大きな波紋を広げそうだ。

これに対し野党側は「迷惑な話で自民党の補完勢力になることはあり得ない」(田辺氏)など強く反発している。《共同通信》



12月26日 その日のできごと(何の日)