平成682日目

1990/11/20

この日のできごと(何の日)

【CSCE首脳会議】新欧州構築へ前進

全欧安保協力会議(CSCE)首脳会議は20日、パリのクレベール国際会議場で二日目の全体会議を続け、アンタル・ハンガリー、マゾビエツキ・ポーランド、コール・ドイツ各首相らが相次ぎ演説した。

演説の中でアンタル首相は、ワルシャワ条約機構加盟国の間で軍事機構解体の合意が成立していることを明らかにした。同問題で加盟国の合意が存在していることが公式の場で確認されたのは初めて。

ゴルバチョフ・ソ連大統領も、19日の演説で「今年末までにワルシャワ条約機構の性格を変える問題について重要な決定をするだろう」と指摘しており、東西冷戦体制を支えていた軍事同盟の一方の解体が具体化し、CSCEが目指す新欧州の平和秩序の構楽に向け大きな一歩となった。

首脳会談と並行してミッテラン・フランス大統領とサッチャー英首相の首脳会談など、二国間首脳会談も湾岸情勢協議を中心に続けられた。

アンタル首相は演説で「1992年春までにワルシャワ条約機構完全解体のための前提条件が整うものと期待している」と述べて、92年までに新しい欧州の安全保障体が成立することへの期待を表明した。ワルシャワ条約機構は12月にブダベストで首脳会議を開き、統一軍司令部会さんなど軍事機能を停止することを正式発表するものとみられる。

ことし10月3日、戦後45年間続いた分断を克服した統一ドイツのコール首相は、ドイツ統一はCSCE抜きにはあり得なかった、とCSCEが東西対立の解消とドイツ統一の環境作りに果たした役割を高く評価し、「ドイツの地から今後は平和しか生まれない」と統一ドイツの欧州平和への寄与を強調した。また今後のCSCEの課題として民族主義や少数民族問題の重要性を指摘し、ソ連・東欧の改革派諸国に対する経済支援の強化を呼び掛けた。

一方、マゾビエツキ首相は、東西対立が解消されても経済格差が維持拡大されることによって欧州が貧富の差によって「Aクラス、Bクラス国家群」に分けられるならば対立解消の意義はない、と東欧諸国への経済支援を訴えた。

首脳会議はこの日で各国首脳の演説を終了し、最終日の21日、新しい欧州の枠組みを定める「新欧州のためのパリ憲章」に調印して三日間の全日程を終える。《共同通信》

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【キックボクシング・大和侑也さん】誕生日

【海部俊樹首相】年内の内閣改造は断念

海部首相は20日昼、内閣改造の時期についての質問に答え「年内は日程的に予算編成やいろいろあるので(昨日の政府与党首脳会議でも)よろしくお願いしますと言った」と述べ、年内の改造は断念せざるを得ないとの認識を明確にした。

しかし首相は1月の外遊後の改造の可能性については「何とも言えない。まだ決めていないから」と強調した。首相官邸で記者団に語った。《共同通信》

【政界メモ】政治の絵も思い通りに

◯…海部首相は20日昼、総理府講堂で開かれている「内閣、総理府作品展」を鑑賞した。作品展には「昔からバラが好きだから」という首相自身も、赤をバックに黄色のバラを描いた作品(10号)を出展。

原色を多く使い一段と目を引く自らの絵を「僕の絵は色ばっかり目立っちゃって。原色が好きだから…」と評した首相だが、記者団が「まるでゴッホの絵のようだ」と持ち上げると「そう?ただ力強く描くだけで、まだ技術が…」と照れ笑い。政治改革、土地問題、新しい国際協力法案と政治課題山積みの中、首相の「原色」を発揮し、ゴッホのような思い通りの“絵”を描けるか。

○…自民党の小沢幹事長は昼、党本部に米通商代表部(USTR)のウィリアムズ次席代表の訪問を受けた。日米構造協議などで手腕を発揮した手ごわいウィリアムズ氏に対し、小沢氏は「日本側はあなたに、ヒーヒー言わされている」と先制のジャブを放ち、機先を制した。

しかし、ウィリアムズ氏は動じず「今日は経済の話ではないが」と切り出し「湾岸危機で幹事長の果たした役割は米国のためではなく、日本のためだ。高く評価している」と強調、さすがの小沢氏も肩透かしを食った格好。《共同通信》

【大相撲九州場所】10日目

大相撲九州場所10日目(20日・福岡国際センター)横綱千代の富士が、新関脇琴錦を左前まわしを引いての寄りに続く左上手投げで破って全勝を守った。琴錦は3敗目。

2敗同士の対戦は横綱旭富士が大関小錦を寄り切って、優勝争いに踏みとどまった。横綱北勝海は巨砲を簡単に押し倒して2敗を守った。

全勝の千代の富士を追う2敗は北勝海、旭富士の両横綱と平幕の久島海の3人。横綱大乃国は琴ケ梅を寄り切り、大関霧島とともに勝ち越しにあと1勝とした。貴花田も7勝目を挙げたが、若花田は7敗目。《共同通信》

【ソ連・ゴルバチョフ大統領】軍事力行使を検討

パリの全欧安保協力会議(CSCE)首脳会議に出席しているゴルバチョフ・ソ連大統領は20日夜(日本時間21日未明)、フランスの民間放送テレビTF1とのインタビューで、湾岸危機での軍事力行使に関して「ソ連は新しい国連安保理決議について討議する用意がある」と言明、国連安保理の枠内での軍事力行使を検討する意向を明らかにした。

ゴルバチョフ大統領は19日のブッシュ米大統領との会談で「私たちは(湾岸危機の)現状を分析した。情勢分析に関しては二人の間に相違は全くなく、共通の立場にある」と述べ、米ソ両首脳の情勢分析が完全に一致していることを強調した。

これは、米ソ両首脳間で、「近い将来、イラク軍がクウェートから撤退しない限り、最終的には軍事力行使もやむを得ない、との認識で一致したことを確認するものである。ゴルバチョフ大統領はまた「今回、フランス、イタリア、英国の各首脳とも会談したが、危険な情勢は忍耐できない状態にあるとの見方で一致した。この侵略は受け入れられないことを確認した」と述べ、米、ソ、英、フランス、イタリアの首脳間でも「侵略容認せず」で完全に一致したとの見解を示した。

しかしゴルバチョフ大統領は「この情勢は国連安保理で分析し、よく検討された結論に達するべきだ」と述べると同時に「分析には軍事的、政治的、経済的とさまざまな要素があり、軍事的分析だけに頼ってはならない。政治的手段も必要だ」と指摘、最終結論を出すまでに、さらに政治的解決の努力を続けるべきだとの基本方針には変わりがないことも強調した。

これは、現在、二人のソ連外務次官が中東諸国を歴訪中であり、米国もベーカー国務長官の外交努力が継続中であることから、まず外交努力の最後の結果を見届けてから、次の措置に移ろうという点で、米ソ間に合意ができていることも示している。《共同通信》



11月20日 その日のできごと(何の日)