平成667日目

平成2年11月5日(月)

1990/11/05

【イラク・サレハ国民議会議長】日本人人質解放を示唆

イラクに拘束されている日本人人質の解放が決まった。5日夜(日本時間6日未明)の中曽根元首相・自民党代表団とサレハ国民議会議長との会談で、同議長が約束した。解放人数、時期については、6日午前(同午後)予定の佐藤孝行代表団長とサレハ議長との会談で改めて折衝する。

議長は会談の中で解放人数について「(特別機を)満杯にはできないが、相応のことはする」と、病人や高齢者を中心に多数に上ることを示唆した。最終決着は中曽根氏とラマダン第一副首相の会談に持ち込まれる可能性もある。

また日本側は解放される人質を同日出発する日航特別機で一緒に帰国させたいとし、特別機の出発時刻を遅らせることも検討中。特別機で人質の第一弾が帰国する見通し。《共同通信》




【海部俊樹首相】自民党・小沢幹事長と会談

海部首相は5日夜、首相公邸で自民党の小沢幹事長と約1時間会談し、10日の臨時国会会期末を控え、国連平和協力法案の取り扱いについて協一議した。

この結果、法案の衆院通過を目指すことを改めて確認したものの「野党が反対という事実もあるので、何とか円満にいく方法があれば考えなければならない」との認蔵で一致、衆院国連平和協力特別委での採決は強行せず、野党側との話し合いによる決着を目指すことになった。

首相、幹事長とも「円満な方法」については互いに「いい知恵はない」としており、野党側がこぞって法案に反対していることも重視している。採決を無理押ししないことから、衆院通過も一段と困難になった。

小沢氏は会談で「国会は審議も粛々と進んでおり、整斉とやっていきたい」とこれまでの方針通りに進めていきたい考えを示した。しかし、同時に野党が法案に反対している事実を指摘し、円満決着を目指す考えを説明した。

これに対し、首相は「できれば円満にしたい。なかなか、その方策は難しいが」と述べ、現状ではいい打開策がないと、の認識を示した。このため小沢氏は①6日は特別委の審議を見守る②野党との幹事長・書記長会談については具体的な話はないが、7日以降、状況をみて検討する—との考えを示し、首相も了承した。

同日の会談では法案処理に関する政府、自民党の最終方針は決定されておらず、法案を衆院段階で廃案にした上で、与野党協議による決着を図るとの結論を出すことは避けた。

いまのところ、衆院通過を目指す構えは崩さず、野党との話し合いで採決に持ち込みたいとの考えは変わっていないが、野党側も衆院廃案の歩調をほぼそろえており、円満決着のためには採決を見送らざるを得ない情勢だ。

自民党は野党の出方を見守りながら、野党との話し合いに入り、今国会での法案処理、今後の取り扱いについて調整する考えだ。《共同通信》

【野党】廃案崩さず

国会は10日の会期末をにらみ焦点の国連平和協力法案の取り扱いをめぐる与野党の攻防が5日から本格化した。

政府、自民党は参院愛知選挙区補選での勝利を背景に最低限衆院での通過を目指す構えは崩していないものの、会期末を10日に控え、「野党との話し合いの接点もなお探る必要がある」として衆院国連平和協力特別委員会で採決の機をうかがいつつ、対野党折衝を進める方針。

これに対し野党側は「補選でも法案反対票が多数を占めた」として「衆院段階での廃案」を目指す強硬姿勢を強めており、話し合い調整は難航しそうだ。

自民党は5日の衆院特別委理事会で「地方公聴会も終わり、十分審議は尽くした。採決の時期にきている」として、6日各党一巡方式の審議を提案、この後、採決に入る構えを示した。野党側は「6日に採決しないとの約束がなければ審議は続けられない」と反発、審議日程の協議を持ち越した。

ただ与野党とも6日に衆院、7日に参院の本会議で天皇陛下の「即位の礼」に対する賀詞を決める日程が組み込まれているため7日午前中までは審議を継続する方向。このため、審議継続か採決かをめくる与野党の攻防は7日午後以降に大詰めを迎える見通しだ。

自民党としては「話し合い決着」による衆院通過の道を探り、場合によっては国対委員長、幹事長・書記長レベルの与野党折衝で局面打開を図る方針だが、野党がこうした自民党の姿勢に応ずる可能性は極めて薄く、厳しい決断を追られる事態は避けられない見通しだ。《共同通信》

【坂本三十次官房長官】補選勝利「自民党への信頼と期待」

坂本官房長官は5日午前の記者会見で、参院愛知補選の自民党候補当選について「国連平和協力の案に対する批判が強いと開いていたが、自民党候補の勝利は自民党への信頼と期待が結び付いたと思う」と述べるとともに、国連平和協力法案については「日本の進路にかかわる重大な問題」として、成立に向け努力するとの政府の基本方針を強調した。

坂本長官は、自民党の得票率が 45%で、社会党と共産党の得票率合計が上回ったことに関しては「その差は僅少」とすると同時に、平和協力法案についての国民の理解と納得が十分でないとして「政府としてもっと努力しなければならない」との認識を示した。《共同通信》

【オウム真理教】「違法捜査で損害多大」

熊本県阿蘇郡波野村の修行キャンプ場建設をめぐり、熊本県警に国土利用計画法違反容疑などで強制捜査を受けた新興宗教団体「オウム真理教」の麻原彰晃教祖らは5日午後、東京都杉並区の道場で会見し「一連の違法捜査で多大な損害を受けた」などとして近く細川護熙熊本県知事を相手に約7億8000万円の国家賠償の訴えを熊本地裁に起こすことを明らかにした。

同教団はこれまで、細川知事を相手にぶ告罪や名誉毀損の告訴を起こしているが、国家賠償を求めるのは初めて。

麻原教祖らによると、同教団のA顧問弁護士が熊本県警の違法捜査で逮捕され、同弁護士の扱う教団関係の訴訟に支障をきたしているほか、波野村が同教団信者の住民票を受理しないため、参政権、医療を受ける権利などが侵害されるなど、教団と信者が多大な損害を受けた、としている。《共同通信》

【日米野球第3戦】全日本が3連勝

日米野球第3戦、全日本一全米は5日、西武球場に2万5000人の観衆を集めて行われ、全日本が2-1で逆転勝ちし、3連勝した。1点を先行された全日本は五回、伊東、辻(ともに西武)の連続二塁打で同点に追い付いた。八回には一死二塁の好機をつかみ、佐々木(ダイエー)の中前適時打で勝ち越した。

全米は一回一死二塁からボンズ(パイレーツ)の右中間安打で先制した。しかし、二回以降は全日本の小刻みな投手リレーにかわされ、九回二死満塁のチャンスもものにできなかった。

第4戦は6日午後1時から平和台球場で行われ、全日本は村田(ダイエー)、全米はスティーブ(ブルージェイズ)が先発する。《共同通信》

【仏・ミッテラン大統領】ヨルダン・フセイン国王と会談

パリ訪問中のフセイン・ヨルダン国王は5日、ミッテラン・フランス大統領と約1時間会談し、ペルシャ湾岸危機の交渉による解決を改めて主張した。

大統領府スポークスマンによると、ミッテラン大統領はこれに対し「湾岸危機の初めから(状況は)根本的に何一つ変わっていない」と述ベ、平和解決への唯一の道は、イラク軍のクウェートからの撤退などを求めた国連決議をイラクが実施することだ、と従来の立場を繰り返した。

フセイン国王は3日アンマンで、アジズ・イラク外相と会談したが、今回の訪問でフセイン・イラク大統領からミッテラン大統領への親書は携えていない、と言明した。

大統領府スボークスマンはさらに、会談で国王がアラブによる湾岸危機解決の可能性について言及したことは明らかにしたが、ゴルバチョフ・ソ連大統領の提唱した、危機解決のための「アラブ間協議」について触れたかどうか、などについては不明である。

国王は5日、シュベーヌマン国防相、ジスカールデスタン前大統領らとも会談。さらに6日にはジュネーブでサッチャー英首相と会談し、国連の世界気候会議に出席する。《共同通信》




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