平成668日目

平成2年11月6日(火)

1990/11/06

【イラク】日本人人質ら79人の解放決定

イラク当局は6日夜(日本時間同日深夜)、自民党代表団(佐藤孝行団長)に解放される日本人人質ら77人の名簿を提示した。日本側は名簿から漏れていた東京海上火災保険のA氏(36)の追加を求めている。

同日の自民党代表団とイラク側との解放交渉で人質20人、イラクに足止めされている在留邦人50人の計70人の解放が固まっていたが、中曽根氏とフセイン・イラク大統領が6日、再会談した結果、さらに7人の解放が追加された。この7人は人質5人、在留邦人2人と分かった。

元首相・自民党代表団は解放される人質ら全員を一行の特別機で一緒に帰国させたい意向で、同機の出発を丸一日遅らせて7日午後に変更。同時帰国実現のためイラク側と折衝中だ。イラク側の解放手続きが順調に進めば、一行は8日午前、帰国する予定。

人質らの解放はサレハ国民議会議長が5日夜(同6日未明)、中曽根氏、自民党代表団に約束。党代表団の佐藤団長とアブダーラ国民議会対外委員長らとの間で6日朝(同日午後)から具体化に向けた大詰めの折衝が進められた。

この中でイラク側から解放する人質の人数が具体的に示された。ただ自民党側は「さらに上積みを目指す」(佐藤氏)として、より多くの人を解放するよう引き続き、イラク側と折衝している。

解放される人質は6日朝からバグダッド市内のメンスールメリアホテルに車で到着。同昼までに14人を数えた。また出国を認められる在留邦人もホテルロビーに集結している。

イラクには現在、人質139人、一般在留邦人166人の計305人が拘束・足止めされている。日本人の解放は10月18日、4人の人質・在留邦人が病気を理由に出国を認められて以来。

今回の77人をイラクがどういう基準で選んだかは分からないが、これまでの例からみて病人、高齢者が中心になるのではないかとみられている。《共同通信》


イラクに拘されていた人質らの日本人解放問題は6日深夜(日本時間7日未明)、最終交渉の結果、78人の解放が確定、決着した。解放リストから漏れた東京海上火災保険のAさんについても、イラク側がフセイン大統領の決裁が下り次第、解放すると譲歩。時期的にはずれる可能性があるものの、解放者は最終的に計79人になる。

解放される日本人は、手続きが遅れている留学生のBさんを除き、全員が中曽根元首相、自民党代表団(団長・佐藤孝行幹事長代理)とともに、7日午後バグダッドを特別機で出発、バンコク経由で8日午前11時前帰国する予定である。《共同通信》




【中森明菜さん】シングル「水に挿した花」発売

【西武・清原和博内野手】千代の富士関と“腹比べ”

日米野球で福岡に来ているプロ野球西武の清原が6日朝、九重部屋のけいこ場にひょっこり姿を現した。千代の富士、北勝海の両横綱のけいこを食い入るように見たあと、千代の富士と談笑。「やせたんじゃないの」と言われると、「いや、締まったんです」と言って、セーターのすそをまくって横綱と腹比べしておどけてみせた。

初めて見たというけいこの感想は「土俵って意外に小さいんですね。もっと大きいかと思った」そうでこれには千代の富士も「そりゃ球場に比べれば小さいよ」。

試合前の練習のために慌ただしく帰っていった23歳の日本の主砲に、35歳の横綱は「オレとひと回りも違うのか。でも下半身がしっかりして相撲取りにしたいような体してるね」と妙に感心していた。《共同通信》

【日米野球第4戦】全日本が4連勝

日米野球第4戦、全米一全日本は6日、平和台球場に2万3000人の観衆を集めて行われ、全日本が、11-6で圧勝し、4連勝した。全日本は2点リードの五回二死無走者から石井(近鉄)以下が四球を挟む4連統長短打して3点を追加。六回にも藤井(オリックス)の適時打と石井の2点本塁打で3点、続く七回には佐々木(ダイエー)、清原(西武)のタイムリーで2点など合計20安打と打ちまくった。

全日本投手陣は5人の継投。先発した地元ダイエーの村田が二回、パーフィールド(ヤンキース)に同点のソロ本塁打されるなど、七回まで毎回安打されたものの大量点を許さなかった。第5戦は7日午後1時から甲子園球場で行われ、全日本は星野(オリックス)、全米はジョンソン(マリナーズ)が先発する。《共同通信》

【美浜事件】福井県警「北朝鮮工作員による不正入国」

美浜町の久々子海岸に先月28日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の特殊工作船・子船と思われる難破船が漂着していた事件を担当していた県警本部と敦賀署は6日、これまでに現場付近の海岸や海中で見つかった証拠品などを同署で公開、捜査状況を発表した。

これまでの捜査でゴムボートやモールス信号用電鍵が見つかったほか、金日成主席らの写真が張られた手帳の入ったジャンパー、ズボン、救命胴衣などを発見。同本部では北朝鮮工作員複数による組織的で計画的な不法出入国事件と断定し、数人が上陸した可能性もあるとみて不審者などに関する情報収集に乗り出した。《福井新聞》

【中山太郎外相】民間協力に法案必要

中山外相は6日午前の衆院国連平和協力特別委員会で、湾岸危機への日本の貢献策について「8月2日のイラクの侵攻以来、政府は資金、輸送、医療協力に合わせて民間への努力をお願いしたが、経過をみると所期の期待通りの結果ではなく、目的と大きく誤差が生じた。国連平院和協力法案が成立し、このような協力が一層効果の上がにるよう審議をお願いしている」と述べ、民間協力の推進には同法案のような法律が必要だとの考えを表明した。自民党の中谷元氏の質問に答えた。

また、石川防衛庁長官は自衛隊海外派遣について「自衛官は平和に対するしっかりした考えを持っていると肌身に感じている。世界的な平和回復のため正々と法の与えた任務につく」と、派遣の意義を強調した。《共同通信》

【社会党・土井たか子委員長】与野党協議に条件

社会党の土井委員長は6日午前、新潟市内で開かれた「環日本海社会党フォーラム」であいさつし、イラクのクウェート侵攻で浮上した日本の果たすべき国際的貢献の在り方に関し「1954年の“自衛隊の海外出動はしない”とする参院決議を改めて確認することが重要な出発点になる」と述べた。

これは、国連平和協力法案を衆院段階で廃案にした後、与野党で新たな国際的貢献策を協議するに当たっての前提条件を示したものとみられる。

土井氏はさらに、日本が国連の平和維持活動に協力する際には①日本国民のコンセンサスと支持を得て、それを背景に激励されて送り出される②国会での満場一致ないしは圧倒的な賛成がある③アジアの周辺諸国からの理解と協力が得られる—の三点が基本であると強調した。《共同通信》

【政界メモ】絵のように光明見えるか

◯…海部首相は6日、即位の礼を祝って内閣から皇室に贈る平山郁夫画伯の日本画に感心することしきり。平山氏が官邸に持参してきたもので、「絵が見えないので、もう少し(離れて下さい)」との記者団の注文に、「絵が主役なんだなあ」と苦笑い。

法隆寺五重塔が金色に輝く朝日の中に浮かぶ荘厳な作品には文句なしに感銘を受けた様子で、絵を見た後も記者団に「あれは平山さん独特の手法なんだ。ばあーっと太陽が昇っていてね。いい絵だよ、あれは」と印象を熱っぽく語りかけた。展望が開けずじまいの国連平和協力法案に悩む首相にとって、この絵は一服の清涼剤だったよう。

◯…国連平和協力法案の審議が大詰めを迎えているこの日、社会党代議士会では執行部から臨戦態勢を呼び掛けるゲキが相次いだ。衆院国連特委理事の高沢寅男氏が「審議を尽くすべきだが(先行きは)波乱万丈だ」と自民党の審議打ち切りが近いことを強調すれば、大出国対委員長も「最悪の想定でいかねばならない。どうしても廃案(という決意)で行くので協力を」と危機感を盛り上げた。

しかし、5日の海部首相と小沢自民党幹事長の会談で強行採決はしないことで一致しているだけに、出席者の緊迫感はいまひとつ。重要法案の割には緊張感の欠ける今国会を象徴するような光景。《共同通信》




11月6日のできごと