平成649日目

1990/10/18

この日のできごと(何の日)

【韓国・姜英勲首相】金日成主席を表敬訪問

第二回南北首相会談のため朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)平壌を訪れている韓国の姜英勲首相は18日午後、平壌市内の錦繍山議事堂に金日成主席を表敬訪問した。金主席が韓国首相と会うのは分断後初めて。

姜首相との会見の中で金日成主席は、南北首脳会談に先立つ首相会談で目に見える成果が上がることを望むと語り、盧泰愚韓国大統領との首脳会談への期待を表明した。

今回の金主席の発言は、これまで韓国側が呼び掛けていた南北首脳会談の早期開催に対し、首相会談成功の条件付きながら初めて肯定的な姿勢を示したもので、首脳会談実現には今後、曲折が予想されるが、南北雪解けを向け一歩前進と言える。

姜首相ら南北首相会談の韓国側代表一行7人は、この日午後3時(日本時間同)から表敬訪問した。姜首相はまず金日成主席と20分間、非公開の会談を行い、平壌放送によると、金主席は、南北首相「会談を順調に進展させ、一日も早く南北首脳会談が開けるよう期待する」と述べた。

また韓国側報道も、金主席が「大統領に伝えてください。私も一日も早く大統領と会うことを待ちわびています。首相たちがよく準備して首脳会談が順調に開かれるよう、多くの仕事をしてくれることを願っています」と述べたと伝え、南北首相会談が首脳会談につながるような成果を生み出すことへの強い期待を金主席が表明したことを指摘した。

この後、金主席は洪性澈・国土統一院長官らを含めた一行7人全員と約10分間会見し、最後に記念の写真撮影をした。9月初めにソウルで開かれた第一回南北首相会談の際には、盧泰愚韓国大統領が延享黙・北朝鮮首相と会っており、この日の会談で南北の首脳と首相による“クロス会談”の実現となった。《共同通信》



【野球・辛島航さん】誕生日

【海部俊樹首相】「国際協力は当然」

海部首相の所信表明に対する代表質問は最終日の18日、参院本会議で続行、国連平和協力法案をめぐる憲法解釈問題を中心に論戦を展開、3日間にわたる日程を終えた。

海部首相は国連加盟申請の際の国連への協力内容に関連して「平和主義、国際協調主義への協力は当然で、何らかの留保条件があったとは考えていない」と述べ。国連加盟に際し国連への協力は「非軍事」に限定する留保条件があったとする見解を否定した。

平和協力隊としての自衛隊派遣については①武力の威嚇、行使はできないという憲法の基本原則の枠内で行う②自衛隊の戦闘部隊を出すのではない、などと指摘、憲法には反しないとの見解を重ねて強調した。《共同通信》

【海部俊樹首相】協力隊「戦闘域に出動させぬ」

国会は18日午後の衆院本会議で中山外相が国連平和協力法案の趣旨説明したのを受けて各党が質疑、同法案の審議に入った。海部首相は国連平和協力隊が戦争に巻き込まれる危険性について「戦闘の行われている所や、行われようとしている所への派遣は(派遣)実施計画の中で考えていない」と述べ、協力隊の戦闘地域への直接出動はさせない方針を明言した。

協力隊の定員、小型武器の使用などの歯止め措置についても「実施計画の中で慎重に検討する」と述べた。中山外相は協力隊の参加する国連の活動形態として、朝鮮戦争時に創設されたような形の国連軍も想定していることを明らかにした。

協力隊として海外派遣される自衛隊の身分について、中山外相は「国際法上、自衛隊は軍隊と取り扱われており、協力隊に参加している自衛官も変わりはない」と述べた。

一方、海部首相は「平和維持活動やその他の活動に参加する協力隊は軍隊とはみられない」と述べた。これは参加自衛隊が協力隊との併任制となっていることから生じる解釈の食い違いで、国際法との関係も含め今後の審議で問題となろう。《共同通信》

【政界メモ】トウカクは倒閣にあらず

◯…海部首相は18日昼、国会審議の合間を縫って森山前官房長官の出版記念パーティーに顔を出した。「非常識からの出発」の著書名は、突然辞任した山下元官房長官の後任に指名された森山氏が「それは非常識です」と固辞したのに対し、首相が「僕が総理大臣だというのも非常識なんだから」と口説いたエピソードにちなんだもの。

首相はあいさつで「(衆院)選挙を勝ち抜くまで、貴重なひと時だった」と森山官房長官時代を懐かしんだが「家に帰って(森山氏の)本を開くが、しばらくすると睡眠薬的効果が出てしまう」と本音をポロリ。“非常識”で就任した森山氏も「政治家の本は読まれない」という“常識”は破れなかった?

◯…社会党の田並広報宣伝局長はこの日、国会内で記者会見し、「今月28日に全国書記長会議を緊急招集して自衛隊“海外派兵”反対の態勢固めをする」と発表した。さらに田並氏は、27日に熊本県・天草の集会に出席する土井委員長が、その後熊本市内で開かれる「トウカク集会」への出席を中止してその日のうちに東京へ戻ることを紹介し、臨戦態勢ぶりを強調。

驚いた記者団が「内閣を倒す“倒閣集会”か」と問い返したところ「党勢拡大集会です。(わが党は)まだそこまでいっていない。戦略戦術の問題があるので…」と途端にしどろもどろ。内部の態勢固めはまだまだの様子。《共同通信》

【パ・リーグ】全日程終了

プロ野球パ・リーグは18日、近鉄—ロッテ(藤井寺)ダイエ—日本ハム(北九州)各最終戦を行い、今季の公式戦全日程を終了した。

独走の西武が2年ぶり7度目のリーグ制覇を達成し、2位にオリックスが12ゲームをつけられて続き、3位は昨年優勝の近鉄。以下4位日本ハム、5位ロッテ、田淵新監督のダイエーは最下位。ダイエーの85敗は130試合制のパでは1958年の近鉄(97敗)に次ぐワースト記録。

個人タイトルの投手部門がルーキー野茂(近鉄)の独り舞台に終わった。18勝(8敗)、防御率2.91、勝率6割9分2厘、287奪三振で最多勝、防御率、勝率、最多奪三振の四冠を手中にした。新人がこの四部門で1位を占めたのは木田(日本ハム)以来10年ぶり2人目。最多勝は2年ぶり3度目の渡辺久(西武)と分け合った。最優秀救援は鹿取(西武)が27セーブポイントで初めて獲得した。

打撃部門では西村(ロッテ)が打率3割3分8厘でスイッチヒッターとしてはパで初の首位打者を獲得。本塁打、打点の二部門はデストラーデ(西武)が42本、106打点で制し、打点は石嶺(オリックス)と分け合った。スイッチ打者の本塁打王は両リーグを通じて初。

最多盗塁は51個の秋山(西武)。西武の前身西鉄時代も含め、ライオンズでは初の盗塁王。最高出塁率は清原(西武)が4割5分4厘で初制覇した。渡辺久以外はすべて初のタイトル獲得だった。《共同通信》

【近鉄・野茂英雄投手】最後の打者もピシャリ三振

九回だった。リリーフカーに乗って野茂が登場した。

スタンドからは割れんばかりの拍手、そして声援。役者の登板だ。

打者は堀。いきなり145キロの速球。カウント2-2からの5球目、148キロで空振りの三振に仕留めた。出番はこれだけ。一塁側スタンドへ帽子をとって一礼しベンチへ下がった。

堂々とした足取りだった。四冠を獲得したことには「三振のほかに何かもうひとつタイトルが欲しかった」と、満足した様子だ。さらに続けて「自分でもよくやったと思う。こんなにやれるとは思っていなかった」と締めくくった。《共同通信》

【米下院外交委員会】梶山法相のけん責要求

米下院外交委員会は18日、梶山法相の人種差別発言は極めて遺憾であり、法相はけん責されるべきだとする決議案を発声投票で採択した。法相は決議案を提出した黒人議員連盟(会長・デラムズ下院議員)に謝罪の書簡を届けているが、外交委は梶山発言が黒人だけでなく米国人すべてに向けられた不当なものだとして、異例の決議案採択となった。下院本会議が23日にこれを採択するのは確実で、人種差別発言に絡む日本の閣僚に対する初の非難決議になる。

決議案は原案では、ブッシュ米大統領に対し、梶山法相の辞任を日本政府に要求するよう求めていた。しかし議会の同意を得るため修正案を提出、辞任までは求めないことになった。

決議案はまず、海部首相と日本政府は日本人の差別姿勢を是正するため、多民族社会の優れた側面を十分理解させるよう教育活動などを率先すべきだとしている。また日本政府は公務員に対し、世界の多様な民族に高い敬意を払うよう求めるべきであり、特に法相はけん責されるべきだ、と指摘した。さらにブッシュ大統領が梶山発言を非難するよう求めている。

採択に当たり、ファセル外交委員長は「政府の指導者が同じような発言を繰り返すのでは、こうした決議もやむを得ない」と述べた。黒人議連前会長のダイマリー下院議員は採択後「私は日本人と争いたくはない。こうした発言が繰り返されてほしくないだけだ」と決議案提出の真意を記者団に語った。

2年前の渡辺自民党政調会長(当時)の黒人べっ視発言の際にも謝罪要求決議案が出されたが、会期切れで採択には至らなかった。四年前の中曽根首相(同)の知的水準発言では、本人の正式な謝罪によって事態は収拾された。

梶山法相発言 梶山法相が9月21日の閣議後の記者会見で、前夜に東京・新宿で行われた外国人女性の不法就労取り締まりを視察したことに関連し、「あそこの今までの善良な居住者から、「あそこに立っていられると何となく評判が悪くなっちゃってね。あの辺の通りは娘さんも歩けんね。例えば悪貨が良貨を駆逐するというか。アメリカに黒(黒人)が入って、白(白人)が追い出されるというように混住地だね」と述べた。この発言後、法相は発言を取り消し陳謝した。《共同通信》



10月18日のできごと