平成650日目

平成2年10月19日(金)

1990/10/19

【ソ連】市場経済へ2年で移行

ソ連最高会議は19日、連邦、民族両会議の合同会議を再開、革命以来のソ連型社会主義計画経済と決別し、西側先進国型市場経済への移行を約2年間で実現しようという、歴史的な市場経済移行のためのゴルバチョフ大統領最終案を圧倒的賛成多数で基本採択した。投票結果は、賛成356票、反対12票、棄権26票だった。

これにより、政治面での複数政党制導入に続き、経済面でもソ連社会の構造を180度変える一大改革がスタートすることになった。

しかし「国民経済の安定化と市場経済移行に関する基本方向」と題された最終案は、移行の大枠を定めただけで、具体的移行計画は各共和国が独自に決定するとしており、本格的な移行着手は、15共和国の決定が出るまで待つことになろう。

最終案は、四段階に分けて500日間で市場経済への転換を図ろうとした第一次大統領案よりやや後退し、1年半から2年間かけ四段階で移行しようというもので、この間、大統領令で移行を推進する追加的権限を大統領に委譲することも明記している。

緊急措置を主眼とする第一段階では、財政赤字の削減や物価上昇の抑制を国家の統制によって食い止め、経済の安定化を図りながら、国有資産の非国有化、私有化を進める。

第二段階以降は、価格の自由化や、大企業の株式会社化も含めた非国有化の枠を段階的に広げながら、外貨市場、労働市場を創設。最終的には、市場経済の基盤づくりを終わるとしている。《共同通信》

【ソ連・ゴルバチョフ大統領】移行の正当性を強調

ゴルバチョフ・ソ連大統領は19日再開されたソ連最高会議の連邦・民族合同会議の冒頭、市場経済移行の大統領最終案について演説、市場経済移行は社会主義理念からの逸脱ではなく、逆に市場を通じた効率的経済をつくることこそ本来の社会主義の強化につながると述べ、市場経済移行の正当性を強調した。

大統領は、ライバルである急進派のエリツィン・ロシア共和国最高会議議長が最終案を厳しく批判したことについても反論、同共和国指導部が自らの困難の責任を中央になすりつけ「人民を欺いている」「政治的ゲームである」と強い調子で批判した。

大統領は市場経済移行に関連して連邦政府の構成、メンバーを本格的に変え、共和国の代表を入れるべきであると述べた。これは、現在の連邦政府の構成を中央集権的なものから、地方の代表も交えたものにする狙いとみられる。

大統領は最終案について、市場経済移行の戦略を一般原則として定めたものであり、各共和国は自らの特性に合わせて独自の具体的移行計画を決定できると述べた。しかし、大統領はソ連の伝統などを考慮して、私的所有は当面その比率を示さないものにし、協同組合や株式会社化などの社会的所有に重きを置き、国家所有も相当のウェートを持つ「混合経済」化を目指すと強調した。

非国有化についても大統領は労働者の利益に沿って進めると述べ、農地改革についても土地投機を防ぐため相続権付きの生涯利用が望ましいと述べ、土地の完全私有化導入には否定的立場を示した。

大統領とエリツィン議長は8月初め、協力して市場経済移行案を作ることで合意し、合同作業部会が急進的シャタリン案を作成、ロシア共和国は11月1日からの実施を決めた。

しかし、大統領が、穏健な連邦政府案と妥協した最終案を出したことで、エリツィン議長は16日批判声明を出した。《共同通信》




【相撲・遠藤聖大さん】誕生日

【野球・宮川将さん】誕生日


https://www.youtube.com/

【海部俊樹首相】自衛隊海外派遣「国連加盟時に留保条件はない」

衆院予算委員会が19日開かれ、国連平和協力法案の中心となる自衛隊の海外派遣問題をめぐり論戦が展開された。海部首相は国連加盟に当たって「軍事的協力」を除外する留保条件がついていたかどうかについて「加盟申請時の岡崎外相(当時)の宣言に留保条件が付けられていたとは受け取れない」と述べ、留保条件はないとの見解を改めて強調した。

将来の自衛隊の国連参加問題について工藤内閣法制局長官は「憲法上問題が残るのではないか」と指摘、憲法9条との間で疑義があるとの見解を明らかにした。《共同通信》

【自民党選挙制度調査会・羽田牧会長】福岡で講演

自民党選挙制度調査会の羽田牧会長は19日午後、福岡市内で講演し、衆院小選挙区比例代表並立制導入に伴う小選挙区区割り案の公表時期について、法案を国会へ提出する際に公表する案のほか、法案が成立した1カ月後に公表する案も検討していることを明らかにした。

羽田氏は、海部首相が政治改革に政治生命を懸けると明言していることに関連し、首相に対し「(年末にも予定されている)内閣改造はすべきではない。また、次の衆院選は(選挙制度改革後の)任期満了の選挙とするのが本当だ」と進言していることを明らかにし、中東問題などの影響でこのところ影が薄くなりがちの政治改革に引き続き全力を挙げて取り組むよう政府、自民党に働き掛けていくことを強調した。

羽田氏は、区割り案について「党が要綱を作り、(それを基に)政府に法案を作ってもらう。(その法案を)国会に提出する時に区割り案を付けるのが本来(の形)だ」としながらも「区割り案が出た場合、区割りだけの議論になって、区割りが気に入らなかったら(法案に)反対となってしまう」との懸念を表明。こうした事態を防ぐために、法案が成立した1カ月後に選挙制度審議会などの第三者機関が区割り案を出す方式が調査会で議論されていることを明らかにした。

羽田氏は、今後の政治改革でのスケジュールについて①11月末に党の要綱を作成②来年4月ごろ、予算審議終了後に法案提出③政治改革に関する臨時国会を開き、来年11月ごろに法案成立を期す—の道筋を重ねて示し、スケジュールに変更がないことを強調した。《共同通信》

【政界メモ】平成維新へ“元老”説得は?

◯…19日の昼、衆院予算委員会の合間を縫って国会内の大臣室で海部首相を囲んで橋本蔵相、中山外相、石川防衛庁長官、坂本官房長官が昼食会。橋本蔵相の提案で「なるべく閣僚が首相の所に顔をそろえるよう申し合わせた」とか。その真意について蔵相は「意思の疎通もあるし、失言した大臣の慰めの場にもなる。これも一つの平和協力だよ」と、笑いながら解説してみせた。

ところが、既に人種差別やコメ問題発言で物議を醸している梶山法相、武藤通産相の姿はなく、顔触れからも狙いは明らかに平和協力法の国会審議対策。しかし、予算委は初日から立ち往生の連続で昼食会の効果はさっぱり。

◯…自民党の羽田選挙制度調査会長は福岡市内で講演し、政治改革実現に向け熱弁を振るった。九州という土地柄を意識してか明治の元勲大久保利通を引き合いに出した羽田氏は「大久保は薩摩藩主島津久光に取り立てられたが、久光を説き伏せて版籍奉還を実現させた。この明治維新実現までには割腹自殺したり、殺された人がたくさんいた」と指摘。

「平成維新というべき政治改革をやらなかったら国際社会に対応できなくなる。やれるか、やれないかではなくてどうしてもやらなくてはならない」とボルテージを上げたが、選挙制度改革に消極的とされる自民党内の“元老”を説き伏すことができるかどうか。《共同通信》

【米・ブッシュ大統領】ソ連特使と会談

ブッシュ米大統領は19日、ホワイトハウスでプリマコフ・ソ連大統領特使とペルシャ湾岸危機を中心に約2時間半にわたって会談し、いかなる「部分解決」も認めないとの立場を強調した。湾岸危機をめぐっては最近、イラクの主張を一部認めることによって政治決着を図ろうとする動きも浮上していたが、ブッシュ大統領はこうした妥協の余地のないことを改めて特使に示した。

プリマコフ特使は、会談でゴルバチョフ大統領からのブッシュ大統領へのメッセージを伝達した。特使は会談後記者団に対し「あらゆる手段を尽くすまで、平和解決の可能性を排除すべきでない」と述べ、会談で外交的手段による解決を強調したことを示唆した。

フィッツウォーター米大統領報道官も、クウェートでの自由選挙実施案などを含むさまざまな「新しい取り組み方」が協議されたことを否定しなかった。米側はプリマコフ特使に対し、必要があれば軍事行動もあり得るとの立場を表明したという。

これに対して特使は、先のフセイン・イラク大統領との会談内容を説明するとともに、フセイン大統領の現在置かれている状況について「個人的な見解」を米側に伝えた。特使は会談後に、湾岸危機は複雑な要素が多いため「解決に近付いたとは言いにくい」としながらも「(平和解決を)楽観できなくなったというわけではない」と語った。《共同通信》




10月19日のできごと